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上が腐れば下も腐る ゴマカシばかりの安倍政権はもう限界
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246798
2019/02/02 日刊ゲンダイ 文字起こし
親分も子分も…(C)日刊ゲンダイ
「ウソ」と「隠蔽」の疑惑が膨らむばかりの「統計不正」問題。発端となった厚労省の毎月勤労統計の不正を受け、政府が56ある基幹統計をあらためて点検したところ、約4割の23統計に誤りが見つかり、うち22統計で統計法違反の可能性があるという。
1日は総務省の「小売物価統計」でも大阪府の調査員が不適切な処理をしていたことが分かったが、“日替わり”で統計不正が報告される状態はマトモな民主主義国家じゃない。もはや基幹統計としての体をなしていないのは誰の目から見ても明らかだ。
前代未聞の非常事態を受け、石田総務相はきのうの会見で、統計委員会による30人態勢の点検支援チームの設置を表明。しかし、全容解明がいつになるのか、点検結果の信頼性は確保できるのか、など課題だらけだ。
基幹統計は、国家の経済財政政策を立案するのに必要な重要な指針だ。根幹が揺らげば当然、国民生活にも影響する。例えば、ギリシャが財政危機に陥ったのは、統計の信頼性が失われたことが一因だ。ギリシャは1998年、ユーロを導入するために財政赤字GDP比を参加基準(3%)以下の「2.5%」と申告。ところが実際は基準を超える「4.3%」だったことがバレて国民生活が大混乱に陥ったのだ。
欧州委はギリシャの統計不正について、@統計データの集計・作成方法や技術に問題A統計の収集・作成業務に携わる職員のガバナンス不足B政治的圧力や選挙結果によって統計データが恣意的に操作されやすい構造――などの問題点を挙げていたが、どの指摘も今の日本の「統計不正」に当てはまる。ギリシャの例を見ても分かる通り、統計が信頼性を失えば国家破綻の危機を招く恐れは十分あるのだ。
■安倍も根本も統計不正の深刻さを理解していない
ところが安倍政権はコトの重大性を全く分かっていないように見える。根本厚労相は1日、統計・情報政策の担当責任者で局長級の大西康之政策統括官を大臣官房付に異動させる更迭人事を発表したが、その根本自身が事態の深刻さを理解していたとは到底思えないからだ。毎月勤労統計不正の報告を受けながらも根本は10月分の確報値、11月分の速報値をシレッと会見で公表。誤った数値の可能性があるのに平然と国民に公表するなど言語道断で、まずは事実関係を把握するため、徹底調査を指示するべきだったのに“放置”していたに等しい。それを国会で追及されると「公表は定例業務」と開き直っていたからアングリだ。
しかも厚労省の特別監察委の調査が身内職員による「お手盛り」との批判が続出しても知らん顔。「第三者性は担保されていた」なんて言っていたから許し難い。これじゃあ野党が罷免を求めるのは当然。ところが、そんな大臣失格の根本を「全力で対応に当たった」と評価したのが安倍首相だ。英国の歴史家トーマス・カーライルは〈失敗の最たるものは、失敗を自覚していないことである〉との格言を残しているが、安倍も根本も統計不正について無自覚極まりない。
著書「アベノミクスによろしく」(集英社インターナショナル新書)で、安倍政権のウソまみれの経済政策の実態を暴いた弁護士の明石順平氏はこう言う。
「最大の問題は2018年1月から算出方法を変えたことです。これは別人の身長を比較しているのと同じ。その数値を今も公表し続けているのですが、ハッキリ言ってこれはウソの数字です。自覚がないというより悪い数字ばかりなので(好調と言い張る)アベノミクスに無理やり、合わせたのではないでしょうか」
どんどん後退(左から河野外相、ロシアのラブロフ外相)(C)共同通信社
安倍政権のウソやゴマカシに慣らされてはダメだ |
「18年は実質賃金がマイナスになる可能性が出てきた。アベノミクス偽装そのものだ」
1日の参院本会議の代表質問。立憲民主党の福山幹事長は、安倍が施政方針演説で「今なお、進化を続けています」「5年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げ」と自画自賛していたアベノミクスを痛烈に批判していたが、そりゃあそうだろう。
そもそも、安倍が統計不正の報告を受けたのは昨年末だ。基幹統計が誤りの状況にあることを知りながら、それでも怪しいデータを施政方針演説で示し、“アベノミクス大成功”のような発言をしていたからだ。
政治家として、これほど国民を愚弄した話はないし、厚労省は安倍が「アベノミクス進化」の根拠としていた18年1〜11月の「実質賃金」についても「マイナス」になる可能性を認めている。進化どころか実際は後退だったワケだ。
ギリシャの統計問題でも、〈政治的圧力によって統計データが恣意的に操作されやすい構造〉が指摘されていたが、アベ政治も同様の腐臭が漂う。
霞が関官庁の幹部人事を内閣人事局でコントロールし、政権に都合がいいように統計データを恣意的に捏造している疑いだ。この1年間をざっと振り返っても、裁量労働制のデータ捏造や障害者雇用率の水増し、外国人技能実習生をめぐるデータ捏造など、統計データをめぐる不正問題は相次いで発覚した。決してアベ政治と無関係とは思えない。極め付きは、安倍政権がアベノミクスの“成果”と喧伝している「戦後最長の景気拡大期間」だ。これは月例経済報告が根拠だが、基幹統計の多くがデタラメと分かった今、月例報告だけが「正しい」とは言い切れないだろう。
■統計不正で馬脚を現した虚飾のアベノミクス
要するにアベ政治とは口先だけの虚偽政治。経済成長の「第4の矢」なんて言っていた東京五輪は、経済を成長させるどころか大会経費がン兆円単位で膨らむばかり。
10月の消費増税だって、当初は「財政の健全化」や「社会保障」が目的だったのに、やれ軽減税率導入だ、教育無償化だ、プレミアム商品券の発行だ、などいう選挙目当てのバラマキ策が次から次へと出てきて様変わり。今や何のための増税なのかがサッパリ分からなくなった。
外交も同じ。安倍は施政方針演説で「76カ国・地域を訪問し、600回の首脳会談を行い、積極果敢に国益を追求してきた」「これからも地球儀を俯瞰する外交を一層積極的に展開」なんて声を張り上げていたが、米国には言い値でバカ高い武器を買わされた上、まんまと2国間FTA(自由貿易協定)に引っ張り出されるハメになった。「最後の1人まで連れ戻す」と息巻いていた北朝鮮の拉致問題は何ら進展せず、ロシアとの北方領土交渉は加速どころか、後退する一方だ。
何ら有効な景気対策が打てないまま、統計不正という形で馬脚を現したのが虚飾のアベノミクスなのだ。
東大大学院の鈴木宣弘教授が著書「食の戦争」(文春新書)で使っていた「今だけ、金だけ、自分だけ」の言葉じゃないが、アベ政治には「国家百年の計」という長期的視点に立った国家観や理念はゼロ。内政も外交も場当たり的に対応しているだけで、耳当たりのいいフレーズで国民をゴマカしている。とっくに限界なのだ。上がバカなら下まで腐る。アベ政治が霞が関の劣化に拍車をかけているのであり、統計不正はその象徴といっていい。政治評論家の森田実氏がこう言う。
「最も深刻なのは、安倍政権が統計不正を悪いことだと捉えていないことです。もはや、ウソやゴマカシの自覚すらない。霞が関の官僚や国民が少しずつ、それに慣らされてしまっている状況が恐ろしい。不正に関わった職員を厳しく処罰し、内閣は総辞職が当然で、そうでなければ正義は消えてしまいます」
もういい加減、アベ政治にはウンザリだ。
上が腐れば下も腐る ゴマカシばかりの安倍政権はもう限界 https://t.co/iy8abwKHek #日刊ゲンダイDIGITAL
— a.kimitoki@メタモルフォーゼ前 (@kimitoki) 2019年2月2日
統計不正は、メモリの狂った定規のようなもの。
ただ、愚民には誂え向き
「ウソ」と「隠蔽」と「不正」だらけ。
— toripy (Evil to LDP) (@t_toripy) 2019年2月2日
もういい加減、アベ政治にはウンザリだ。
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【上がバカなら下まで腐る】この政権もう誰が見ても限界だ 「統計不正」は口先虚偽政権下で加速している霞ヶ関劣化の象徴だ 五輪予算は青天井に膨れ上がり、消費増税対策、外務省は成果が望めない交渉に振り回され、景気対策はさっぱり打てず、偽装アベノミクスが馬脚の惨憺(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/GfWN4blmzo
— KK (@Trapelus) 2019年2月2日
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