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まずは軽く、余計な話から。
祖父や父の世代から聞いたはなしでは、「戦車1両は歩兵100人分、飛行機1機は1000人分の兵力だ」という。1945年以前の話だから、「・・兵力だった」というべきか。
その後の兵器の能力向上を考えれば、今やそれどころのはなしではないだろう。
これを、米第7艦隊にあてはめてみる。
中心は空母ロナルド・レーガン、10万トン。乗員5600名、搭載航空機60〜90機という。
ちょっとした一ケ国の軍隊の戦力に相当する。しかもそれが、移動力をもつ。
他の艦船、航空機は、基本的にはこれを護衛・防御するためにあるといってよい。
なお、海上自衛隊の護衛艦、航空機、潜水艦、哨戒機なども、じつにこの空母を護衛・防御するためにあり、日々その活動をしている。日米合同訓練の様子などを見れば一目瞭然だ。
この空母ロナルド・レーガンが、横須賀を母港とする。米国外では唯一のことだ。
そして艦載の第5空母航空団も、唯一、米本土外(厚木、岩国)に展開する空母航空団ということになる。
アメリカはこれをもってアジア・東半球を制圧しようとしている。
◇
同じことを、米海兵隊について見てみる。
なお、「海兵隊」ないし同類の軍事組織は他国にもあるが、なんといっても強大なのは米国のそれだ。
なにしろ、米国の軍事行動は、どこへ行くにも海を越えて行かねばならない。
第3海兵遠征軍。米国外に司令部(沖縄)をおく唯一の海兵遠征軍。
その配下にある実行動部隊が第31海兵遠征部隊。唯一の常時海外展開する海兵遠征部隊である。
これが移動には、第7艦隊(横須賀・佐世保)と連携するが、主力は佐世保の強襲揚陸艦「ワスプ」。
これまた「唯一」の海外配備部隊で、4万1000トン、艦艇乗員1000名、揚陸部隊1800名。
立派な「空母」だ。F35を6機、オスプレイ12機、大型ヘリ4機、攻撃型ヘリ4機という。
その強大な能力を想像してみるべきだ。アメリカはこれをもってアジア・東半球各地(朝鮮半島、台湾海峡・・)へ進出可能な体制を組む。
◇
さてここで、上記第7艦隊の配置と、米海兵隊の配置を比較されたい。
空母は外洋を航行中でなければ裸同然だから(離着艦できない)、横須賀帰港のさいには外洋で航空機を厚木に送り出す。機体整備・乗員休養のためにも必要だ。出動のときにはまた外洋で、厚木から飛来する航空機と合体する。
一方、海兵隊のばあいには、佐世保から「ホワイトビーチまでは450海里ほど離れていて、揚陸艦がフルスピードで急行しても丸一日以上」かかる。(『なぜ沖縄に米海兵隊がいるのか 軍事的に考察する 3』 https://globe.asahi.com/article/11863267) なおこの記事は「なぜ沖縄に米海兵隊がいるのか、疑問がある」という基調のものだが、ここでは別の意味で材料に使う。)
◇
さて、朝鮮(民主主義人民共和国)の問題である。
2006年以来、「経済制裁」が「国連」決議にもとづいてされている。(『北朝鮮への経済制裁の一覧。安保理決議の内容とは?』 https://www.news-overseas.net/2017/04/north-korea-sanctions-un.html)
ここで忘れてはいけない事実は、「国連」とは United Nations 「連合国」のことであり、すなわち、一定の利害およびその上に覆い被さった一定のイデオロギーにもとづいて連携した複数の国が、その利害およびイデオロギーと相容れない他国に対し、究極的には軍事力をもって対抗する組織だということだ。
その最初の「相容れない他国」が、日独伊だった。
そして私は、「経済制裁」とは大国が弱小国(かつての日本もそうだった)に対して仕掛ける戦争、ただちにはドンパチをともなわないだけの、りっぱな戦争だと考えている。
「国連決議にもとづく北朝鮮への経済制裁」とは、けっきょく、そういうことだ。
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ここで、かつての、沖縄・大浦湾への米基地建設計画を思い出してほしい。(「50年前の辺野古・新基地建設計画・・」 https://blogs.yahoo.co.jp/moritakeue/12880698.html など)
もう有名な話だが、1960年代のことだった。もっとも、その膨大な建設費用と、ベトナム戦争の状況変化のため、このときはいったん立ち消えになった。
◇
ところで兵力輸送手段だが、かつての騎馬、車両・上陸用舟艇からヘリへと進化してきたが、それが今度はオスプレイになる。その機械的な欠陥は別として(目をつぶって)、本格配備されれば、輸送能力として、速度など格段の進歩だ。
海兵隊もヘリからオスプレイに切り替える。オスプレイは冬の谷川岳など本州山岳地帯での低空飛行訓練をしている。目標は、かつてのベトナムのようなジャングルではなく、この場合には朝鮮半島北部だろう。
残るは、上に書いた、佐世保から沖縄への距離という難点だ。沖縄にも、横須賀・厚木間のような近距離の軍港が欲しい。かつてベトナム戦争の必要に迫られて計画したときには費用という難点があった。
それが、今度は、日本がその費用を出すという(いや、出させられるのだが)。
こんなチャンスがあるだろうか。
オスプレイを搭載できる強襲揚陸艦を横づけできる岸壁を備えた最新基地。
これが、朝鮮(民主主義人民共和国)に対して「経済制裁」という戦争を仕掛けているアメリカにとって、ぜひとも欲しいものだ。
これが、軟弱地盤だろうが、やったこともない90メートルの杭打ちが必要だろうが、費用・時間がどんなにかかろうが、それでも「辺野古が唯一の解決策」である本当の理由だ。
◇
なお、同じ理由で、辺野古新基地がかりにできても(けっしてつくらせてはならないが)、普天間が還ってくることは決してない。アメリカもそんな約束は(実質的には)していない。
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