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志位委員長、日韓の“危機的状況”の打開の糸口を語る/『サンデー毎日』がインタビュー掲載
2月10日号(1月29日発売)の『サンデー毎日』の「倉重篤郎のニュース最前線」が、「日韓緊迫! 緩和への緊急直言」と題してこの間の日韓関係の「危機的状況」の打開について日本共産党の志位和夫委員長のインタビューを掲載しました。この中で志位氏は韓国人元徴用工問題の本質が「侵略戦争と植民地支配の遂行と一体に行われた深刻な人権侵害」だと指摘。まずは被害者の名誉と尊厳を回復すべきだと提言し、安倍晋三首相は歴代政府の立場すら「全部ぶち壊している」と厳しく批判しました。
倉重氏は、徴用工問題、レーダー照射問題をめぐる日韓両政府の非難の応酬に対し、冷静な政治的解決が必要だとし「今の安倍晋三政権にその意志と能力があるのか」と批判。閉塞状況打開の糸口を切ってもらうとして、志位氏と田中均・元外務審議官の見解を紹介しました。
志位氏は、新日鉄住金に対し韓国人元徴用工への損害賠償を命じた韓国大法院(最高裁)の判決(昨年10月30日)について「政府が韓国を非難、国内メディアも批判一色になった。私はこれは違う。冷静に考える必要がある」と述べ、「大切な二つの材料」を提示。一つは、日韓請求権協定(1965年締結)について、柳井俊二・外務省条約局長が「個人の請求権を国内法的な意味で消滅させたものではない」と述べた参院予算委での答弁(91年8月27日)。もう一つは、中国の強制連行被害者の西松建設に対する訴訟での最高裁判決(2007年4月27日)が個人の請求権は消失していないと判断し、企業に自発的対応を促して和解が成立したことです。
志位氏は日韓両政府と両国最高裁による「個人の請求権は消滅していない」という一致点による問題解決は可能だと強調しました。
また、大法院判決が協定の交渉過程で日本側が植民地支配の不法性を否認したことなどを挙げて強制動員に対する慰謝料請求権は協定の適用対象外だと判断したことについて、「この論理は検討されるべきだ」と指摘。そのうえで「この国と国との請求権の問題の解決は、将来の課題となる」と述べ、まずは被害者の名誉と尊厳の回復のために西松建設の和解方式が現実的であり、「日本政府は和解を促す対応をすべきだ」と訴えました。
志位氏は、日韓の外交文書で『植民地支配への反省』が初めて明記された小渕恵三首相、金大中(キム・デジュン)大統領間の「日韓パートナーシップ宣言」(1998年)をはじめ日本軍「慰安婦」をめぐる河野洋平談話(93年)など「90年代の自民党は歴史認識問題で今に残るいい決断をしている」と述べ、「小渕・金大中宣言の原点に戻れ」と強調しました。
田中氏は「国内の反韓感情を代弁し結果的に両国民の反感を煽ることになっても問題を外交的に解決することにはつながらない」と安倍政権を厳しく批判しました。
倉重氏は「ここは一回頭を冷やし、真の国益とは何か、朝鮮半島の非核、平和化の流れの中で我々が何をすべきなのか、何ができるのかを考え抜く時ではないか」と結びました。
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