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これで自慢するのか安倍! 低賃金就業の増加で可処分所得最悪
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2019年01月31日 世相を斬る あいば達也
安倍首相の“不能文”棒読みの施政方針に対する各党の代表質問が始まった。野党が直近の厚労省の不正統計問題を俎上にあげる気持ちは、取りあえず理解はする。 刑法犯にもなり得る統計法違反の疑いが濃いのだから、追求の価値はある。しかし、その違反が、厚労省の長年の違反であった点を考えると、安倍首相は追求されても、痛みを感じるとは思えない。 なぜなら、何代前の政権時から行われていた統計法違反なのか、特定出来そうもない事案なので、「何も、俺だけが悪いわけじゃない」そういう気持ちになれる問題なので、昭恵夫人への追求のような慌てふためきを期待することは出来ない。 たしかに、知った時期から類推すると、誤った統計に基づいているのを知っていながら、翌日に、平気で予算を閣議決定したのだから、かなり国会が舐められている、イコール国民を舐めているのは事実だ。 しかし、筆者の知る限りにおいて、基本的な部分で、安倍政権が、この問題に悪意的に加担していたとは捉えていない感じがする。どちらかと言えば、政治VS霞が関の構図で見ているのではないのか、と云う問題だ。 この問題で、安倍政権を追いこもうと云う試みは、得策とは思えない。代表質問が週刊誌的時流に乗って展開されること自体に危惧を感じる。最高でも役人が起訴される事案であり、長期にわたる歴代担当の犯罪で、犯行の特定が困難。ゆえに、不起訴相当で一件落着する問題だ。 つまりは、野党側からすると、追求のネタ不足で、取りあえず、直近ネタに飛びついた感がある。正直、今の野党には、政権を揺るがすほどの質問を持ちえない能力の不足が認められる。無論、隠ぺい改ざんを知りながら、頰っ被りした事実は不誠実だ。しかし、今さら、安倍政権に、誠実・不誠実と云う論拠で、論戦を挑むのは、得策とは思えないわけだ。 彼らは、黒でも白と言い張り、最後は力で押し切る蜜の味を知ってしまった連中なのだから、役人の犯罪であって、政権の行為ではないのだから、そのように嘯くのは目に見えている。論戦を聞いていて、虚しさがこみ上げてしまった。 むしろ、アベノミクスの失敗例を引き合いに、上げ足を取るとか、入管法改正の誤謬を追及する。或いは、北方領土外交交渉における、ロシアと日本政府の齟齬を追及するなど、安倍政権が直接関与している問題の追求の方が、追求の幅が広がる。現時点では、共産党に期待するのが精々の状況になっている。 ≪首相、厚労相罷免を改めて拒否 枝野氏の要求に 安倍晋三首相の施政方針演説に対する衆院の代表質問が30日、始まった。野党は厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査について根本匠厚労相の対応を批判し罷免(ひめん)を求めたが、首相は改めて拒否した。 立憲民主党の枝野幸男代表は、根本氏について、昨年12月20日に統計不正問題を把握しながら、翌日の新年度予算案の閣議決定を認めたと批判。問題を検証する厚労省の特別監察委員会の聞き取りに同省幹部が同席していたことを挙げ、「いい加減な調査で幕引きをはかろうとした」と非難。首相に根本氏の罷免を要求した。 首相は「徹底した検証、再発防止の先頭に立ってもらう」と根本氏の罷免を拒否。根本氏は「(事務方から)一報を受けた時点では事案の具体的な内容や影響が明らかになっておらず、予算案との関係性を判断できなかった」と答弁した。 首相が問題の報告を受けた時期と指示の内容について枝野氏がただすと、首相は「(昨年)12月28日に厚労省から秘書官を通じて報告を受けた。しっかりと事案を精査するように指示した」と答えた。 国民民主党の玉木雄一郎代表は、統計不正の実質賃金の伸び率への影響を追及。昨年1月〜11月の参考値の伸び率が「具体的に何%か。少なくともプラスなのか、マイナスなのか」と質問したが、首相は「参考値をベースとした実質賃金の算出が可能かどうかは担当省庁で検討している」と明言を避けた。 また、枝野氏は「不適切な統計数値のままでは適切な予算案や法案の審査ができない」と強調。不正統計問題が解明されなければ、今年度第2次補正予算案や新年度予算案の審議に応じられないとくぎを刺した。 しかし、衆院予算委員会は自民党の野田聖子委員長の職権で31日に同委理事懇談会を開くことを決めた。与党は同委を2月1日に開き、両予算案の提案理由説明を行う考えだ。 ≫(朝日新聞デジタル) たしかに、誤った統計で組まれた予算など、不埒極まりないが、安倍政権とは、不埒を埒外とは思わないファシスト政権なのだから、蛙の面に小便だ。年末年始返上で、安倍政権のアキレス腱に噛み付けるようなネタを探す意欲が、今の野党に欠けていることが証明されているような国家だ。 代表質問がハグラカシにあっていたわけだが、その夜になって、厚労省は、≪野党合同ヒアリングで、18年1〜11月の実質賃金の伸び率が大半でマイナスになるとの野党の試算について「同じような数字が出る」との見解を示した。≫ このように、実際の数値で、政権の予算の誤謬を指摘して、再三再四の矢さんの変更に追い込むよな国会論戦に期待したい。 ≪ 18年の実質賃金は大半でマイナス 厚労省見解 毎月勤労統計の不適切調査問題を巡り、厚生労働省は30日の野党合同ヒアリングで、18年1〜11月の実質賃金の伸び率が大半でマイナスになるとの野党の試算について「同じような数字が出る」との見解を示した。 この試算は1年前も調査対象となった事業所と比べた参考値。厚労省は名目賃金の参考値は公表したが、実質賃金は検討中として明らかにしていない。 立憲民主党など野党は実質賃金の参考値について、18年6月と11月を除き、すべてマイナスになるとの試算を示した。 毎月勤労統計で不適切な調査手法が続いていたことに加え、抽出調査の対象事業所の入れ替えに伴い、野党は18年の伸び率が実態より高く出ていると批判している。 ≫(日本経済新聞) 日経新聞は、同日の(30日)のネット記事で、以下のように、上掲の記事と合致しない“いざなぎ景気超え”な記事も配信している。先ずは読んでみよう。 ≪ 最長景気、円安・財政頼み 先行きにリスク色濃く 政府は29日公表した1月の月例経済報告で、2012年12月から始まった景気回復が「戦後最長となった可能性がある」とした。円安を起点に改善した輸出を支えに、外需を取り込む企業が景気をけん引した。ただ円安と財政支出に頼る回復の色合いは濃く、成長率の伸びは大きくない。頼りの海外経済は曇り始め、生産性の底上げが課題として改めて浮かぶ。 「日本経済をさらに加速させ、景気回復の実感を高めていきたい」。茂木敏充経済財政・再生相は29日、景気回復の実感が乏しいとの疑問に対してこう返した。 今回の景気回復の特徴は成長率が低いことにある。期間中の年平均の実質成長率は1.2%。1965〜70年のいざなぎ景気は11.5%、86〜91年のバブル景気は5.3%。これまでの戦後最長だった02〜08年も1.6%あった。 12年12月に始まった景気回復は同月に発足した第2次安倍政権と歩みをともにしてきた。まず景気を支えたのは、日銀の大規模な金融緩和がもたらした円安だ。1ドル=90円を超える円高水準だった円相場は円安方向に振れた。 最近2年では110円前後で安定。18年7〜9月の輸出は12年10〜12月より31%増えた。 政府は財政支出で景気を支えた。政権発足直後の13年1月をはじめとして、経済対策を続けて実施。 00年代の回復期には減少が続いた公共投資も、17年度は12年度比で6%増えた。 消費税率の引き上げもあって国の歳入は増えたが、19年度末の公債残高は897兆円と12年度末より192兆円増える見込み。財政支出で需要を支えた構図だ。 企業業績は回復した。財務省の法人企業統計によると、17年度の金融・保険を除く全産業の経常利益は83.6兆円と過去最高だった。働き手が減るなかでの景気回復は人手不足を生み、企業は省力化・自動化の設備投資を増やす一方で、採用強化に乗り出した。 人手不足は深刻で仕事を選ばなければ誰もが職に就ける「完全雇用」にある。人手を確保するための賃上げも広がった。 だが国内総生産(GDP)の6割近くを占める個人消費の伸びは6年間でわずか2%だ。景気の回復が続いたのに消費がさえない一因は、社会保険料や税などを差し引いた可処分所得が抑えられていることにある。 大和総研の是枝俊悟氏の試算では「二人以上の勤労者世帯」が負担する税・社会保険料の勤め先収入に占める割合は12年の23.7%から17年には25.7%に上がった。家計の負担感は強い。 労働需給の引き締まりによる賃上げの効果が、構造的な要因で抑えられた可能性もある。総務省の労働力調査によると、医療・福祉の就業者数は18年11月に858万人と12年より2割以上増えた。介護などの賃金はIT(情報技術)や金融業などに比べれば低い。 第一生命経済研究所の星野卓也氏は「賃金が低い業種の雇用が増えても、全体で見た家計所得は増えにくい」と話す。 足元では景気回復の支えだった世界経済に陰りが見える。1月の月例経済報告では世界の景気判断を35カ月ぶりに下方修正した。米中の貿易摩擦やユーロ圏の減速などリスク要因が多いためだ。 一方で長引く低金利は金融機関の収益を圧迫した。日銀はさらなる金融緩和には動きにくく、世界経済が減速すれば円高圧力にさらされる。財政支出の余地も乏しい。戦後最長を支えた金融緩和と財政に頼れず、先行きのリスクは高まってきている。 ≫(日本経済新聞) 2009〜2011年の民主党時代でも、実は1.7%の成長があった。民主党時代には、かさ上げはないのだから、実質は2.0%以上成長していたはずだが、日経は、敢えて2008年で切って記事を書いている、忖度だね。 ≪期間中の年平均の実質成長率は1.2%。≫と表示しているが、かさ上げ分を引き算すると、0.8%程度しか成長していなかったことになる。金持ち優遇税制を強化し、法人税をビックリするほど下げてこの結果だ。 あれほどの円安誘導をしたのだから、儲かって当たり前で、法人税減税分は、すべて企業の内部留保となって、企業に貯めこまれている。 この金も、いずれは市場原理とグローバル経済下においてのⅯ&A資金として、海外に流出するに違いない。日本企業のⅯ&Aは、90%の確率で、大失敗している。誰も責任を取った企業人など聞いたこともない。 それにしても、僅かにでも成長しているのであれば、内需が伸びても良さそうなものだが、伸びるどころか縮んでいる。この消費現象を見る限り、利益はすべて企業内とアベノミクスの間で還流しているに過ぎないことがよく判る。 ≪だが国内総生産(GDP)の6割近くを占める個人消費の伸びは6年間でわずか2%だ。景気の回復が続いたのに消費がさえない一因は、社会保険料や税などを差し引いた可処分所得が抑えられていることにある。≫ 6年間で個人消費が2%伸びたと日経は言っているが、これは消費税が増えたに過ぎないのではないのか?社会保障の保険料や低所得者への幅広い増税が足を引っ張っている。また、消費量は変らないが、値上げされた分だけ、消費が伸びた可能性が高い。 つまり、個人の生活は縮小してきている。完全雇用も、低賃金業種によって、かさ上げされているわけで、高収入就業が減り、低収入就業が増えたと見立てると、日本経済は、完全に縮小している。日銀黒田の、異次元金融緩和の金は、どこに行ったのだ! |
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