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霞が関を壊したのは誰だ/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201901190000043.html
2019年1月19日7時22分 日刊スポーツ
★厚労省のずさんな毎月勤労統計調査問題で、政府は17日、同省事務次官・鈴木俊彦ら幹部を処分する方向を示した。長年続けてきた不正の根源を調べずに現職のトカゲのしっぽ切り。更迭されてもどこかでまた戻ってくる今だけの処置だろう。自民党は自分たちの問題ではなく役人失策として扱い、28日予定の通常国会召集前に野党の閉会中審査の要求をすんなりのんだ。自民党も国民や野党とともに厚労省を叱る役だと思っているのだろう。確かに一義的には厚労省の責任だ。だが、その裏には政権与党の表や裏にある「意向」や「忖度(そんたく)」が見え隠れする。 ★どの世の中も役人の人事権や政策にはその上に君臨する政治家の意向が働く。ところがこの20年余り役人は国家を語らず、寄るとさわると人事のうわさしかしなくなった。誰に近づき誰に気に入られるかで人生が決まるとばかり、自分のため、国や国の将来を売る政治家にすり寄った。その政治家に与えてしまった人事権が怖くて、心と志を売ることが当然となった。 ★ある官僚OBは「少なくとも35年前は、『上が言いましたから』『トップのご命令です』などと言ってはいけない、きちんと理由がないことはしてはいけないと研修で教わった。ところが今日、『官邸のご意向です』は当たり前の会話。大臣にべたべたすり寄り、また大臣のほうもそういう輩を大喜び。自分だけ良ければ今だけ良ければは米大統領トランプ流だが、日米の根本的違いはトランプとはやってられないといって去っていく気骨ある人がいるだけ米国には見どころがある。霞が関を去るのは、20代から30代。あるいは、そもそも嫌気が差して公務員試験を受けない」。全体の質が低下するのは当然だ。だがこの体質に霞が関を変えていったのは自民党政権そのもの。短期の成績で判断する新自由主義の評価方式が生んだ産物ではないか。霞が関を壊しておいて政治家が「けしからん」とは片腹痛い。(K)※敬称略
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