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「賃上げ偽装」 なぜか総裁選直前に高い伸び
http://tanakaryusaku.jp/2019/01/00019462
2019年1月18日 17:29 田中龍作ジャーナル 野党合同ヒアリング。「実質賃金を上げろと言われたのか、なんでこういう細工をしたのか?」福島みずほ議員(後ろ姿)は厚労省を厳しく追及した。=18日、衆院第16控室 撮影:田中龍作= 昨年3月、自民党大会で安倍首相は誇らしげに語った― 「地方に行った時、ある青年から言われたんですよ。安倍さん、給料が上がったんで、発泡酒じゃなくてビールが飲めるようになったんですよ。外に飲みに行けるようになったんですよ・・・」 ウソで塗り固めた作り話であることはミエミエだった。現実は逆だからだ。メーカーの主力製品は発泡酒よりもさらに安い第3のビールだ。地方に行けば飲み屋街からネオンは消えている。 この年の秋、総裁選があることは誰もが知っていた。もちろん霞が関の役人たちも。 自民党大会から3ヵ月後の6月、厚労省の毎月勤労統計に異変が起きる。給与総額が3・3%増(前年同月比)、実質賃金が2・5%増(前年同月比)となったのだ。 「21年ぶりの高い伸び」とされた、6月の統計結果(速報値)が発表されたのは8月。自民党総裁選の前月だった。安倍首相の選挙演説のために用意された数字とタイミングだった。 毎月勤労統計の不正操作は2004年に始まったものだが、2018年1月からはアベノミクスの成果を作り出すための偽装となった。18日、野党議員は厚労省や総務省などからのヒアリングで「いくつも下駄を履かせている」と指摘した。下駄は主に以下3点だ― ▼抽出調査していた500人規模以上の企業の入れ替えにあたって、賃金の高い企業をピックアップした。 ▼上記の手法で高く出た賃金に3を掛けた。(これは厚労省自らが明らかにしている) ▼数字そのものがデタラメ。昨年の通常国会で厚労省は「裁量労働制」「高プロ」法案を通すため、データを偽装していた。偽装はお手のものである。 野党議員たちが「元のデータ(生データ)」の提出を強く求めたが、厚労省は「調査中」として拒んだ。 福島みずほ議員が官僚らにたたみかけた。「なぜ、だれの判断か? 役人だけの判断なのか? もう実は分かってるんですよ」。 自民党大会(昨年3月)。安倍首相は得意のウソで「賃金上昇」を強調した。=都内 撮影:田中龍作= 〜終わり〜
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