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中国とロシアを締め上げるという英国の長期戦略をNATOが全面的に引き受ける
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202006240000/
2020.06.25 櫻井ジャーナル
NATO事務総長を務めるイェンス・ストルテンベルグは6月8日、組織を改革するため、NATO2030なるプロジェクトを始めると宣言した。ロシアと中国に対抗するため、機構を太平洋へ広げ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、そして日本をメンバーにしようということのようだ。NATOが出てきた理由は東南アジア諸国がアメリカの思惑通りにならないためだろう。
日本はアメリカと1951年9月8日にサンフランシスコのプレシディオで安保条約に調印、その1週間前に同じ場所でアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国はANZUS条約を結んでいる。安保条約国とANZUS条約国に韓国をNATOに加えようということのようだ。
ストルテンベルグは「自由、民主主義、そして法による支配」という価値観を実践すると主張しているが、勿論、戯言。この価値観はNATOを生み出した勢力が破壊してきたものだ。
本ブログでは何度か書いてきたが、NATOはイギリスとアメリカが第2次世界大戦後に設立したACUEをベースにして1949年に設立された。表向きの目的はソ連軍の侵攻に備えるというものだが、当時のソ連軍はドイツ軍との死闘で疲弊、西側を制圧する余力は残されていなかった。真の目的はヨーロッパを支配するためだ。
大戦の終盤、米英両国はコミュニストが主導権を握っていたレジスタンに対抗するため、ジェドバラというゲリラ戦部隊を編成していた。戦争が終わってからそれを基盤にして秘密部隊を編成、NATOが創設されると、その中へ組み込んだ。そうした秘密部隊の中でも最も広く知られているのはイタリアのグラディオだろう。
これも本ブログで繰り返し書いてきたが、イギリスにはユーラシア大陸の周辺部を支配し、内陸国を締め上げていくという長期戦略がある。アメリカはそれを引き継いだ。その戦略をまとめ、1904年に発表したのが地政学の父とも呼ばれているハルフォード・マッキンダー。ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もその理論に基づいている。
ユーラシア大陸を締め上げる三日月帯の西の端はイギリス、東の端は日本。イギリスが明治維新に深く関与し、日本に技術を提供、資金を供給したのは日本列島を東アジア侵略の拠点とし、日本人を傭兵として使うためだろう。琉球併合、台湾派兵、江華島への軍艦派遣、日清戦争、日露戦争、韓国併合、そして中国侵略はイギリスの長期戦略に合致している。
イギリスとアメリカの支配階級、より具体的に言うならば両国の巨大金融資本がその後、日本を支配し続けてきたことは本ブログで何度も書いてきた。そうした勢力が日本を支配するために作り上げたのが天皇制官僚システムだ。
ところで、ストルテンベルグは2005年10月から13年10月にかけてノルウェーの首相を務めた人物。その間、2011年7月にノルウェーでは77名が殺されるという事件が引き起こされている。オスロの政府庁舎が爆破されて8名が犠牲になり、ウトヤ島のサマーキャンプ場での銃撃事件で69名が射殺されている。
キャンプ場では与党だった労働党の青年部が企画したキャンプが行われていて、約600名のティーンエージャーが参加していた。犠牲になったのはそうした人びとだ。党幹部にも責任はあったのだが、ストルテンベルグは責任をとっていない。首相を退いた後、彼はNATOの事務局長になり、タカ派ぶりを遺憾なく発揮することになる。
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