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黒死病の幻影を利用して自分たちに都合の良い新秩序を建設しようとする動き
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202006010000/
2020.06.02 櫻井ジャーナル
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を口実にして社会の収容所化が進められている。ウイルスに怯えた人びとは収容所の安全を手に入れるために言動が監視されることを容認、自由や人権を手放した。伝染病対策として打ち出された政策は経済活動を麻痺させ、少なからぬ人が仕事を失う事態に陥っている。被支配層の力がさらに弱まり、強大な私的権力の力がさらに強まるということだ。
1991年12月にソ連が消滅すると、ネオコンをはじめとするアメリカの支配層は自国が唯一の超大国になったと認識、単独で好き勝手に行動できる時代が来たと信じた。そして打ち出されたのがウォルフォウィッツ・ドクトリン。潜在的ライバルを潰し、エネルギーをはじめとする資源を独占しようとする。
そうした世界制覇プランを実現するため、日本にも軍事的な役割を果たすように求めるのだが、国連中心主義を打ち出した細川護熙政権は潰され、1995年2月にはジョセイフ・ナイ国防次官補の「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」が発表された。日本をアメリカの戦争マシーンに組み込むという宣言だ。
彼らが描く世界の新秩序を支配するのは強大な私的権力、つまりアメリカやイギリスを拠点とする巨大資本であり、その新秩序を実現するために打ち出された協定がTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)。
フランクリン・ルーズベルト大統領は私的権力が国を凌駕する力を持つ危険性を指摘、そうした状態をファシズムと呼んだ。1938年のことである。こうした体制を「近代農奴制」と呼ぶ人もいる。大多数の人びとが一部の支配層に隷属するということだ。
COVID-19が浮上する前、ドルを基軸通貨とする経済システムは崩壊し、そのシステムを利用して世界に大きな影響力を行使してきたアメリカの支配体制は早晩、崩壊すると言われていた。
現秩序が崩壊した後の世界を支配するため、アメリカの支配層は国家が強大な私的権力に従属する体制を築こうとしてきたわけだが、ロシアや中国などは多極化した秩序を構築しようとしてきた。
その中国が最初に新型コロナウイルスの伝染で混乱した。昨年10月18日、コロナウイルスのパンデミックを想定したシミュレーション、イベント201がニューヨークで実施された。主催したのはジョンズ・ホプキンス健康安全保障センター、WEF(世界経済フォーラム)、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団。
そのシナリオによると、ブラジルの農場で感染は始まり、ポルトガル、アメリカ、中国など多くの国へ感染は拡大、再流行もあってコントロール不能になって流行が収束するのは18カ月後。その時までに6500万人が死亡していることになっているが、実際はこうしたシミュレーション通りには進まなかった。新たな事態が引き起こされる可能性があるとも言える。
新型コロナウイルスの恐怖は新しい世界秩序を作り出すと言われているが、これまでにも伝染病が歴史の節目に流行したことがある。例えばローマ帝国が滅亡して西ヨーロッパ世界が形成される過程で起こったユスティアヌスのペスト(540年代頃)、十字軍の侵略戦争が終わってルネサンスの時代へ入る頃の黒死病(1346年から53年)などだ。伝染病による被害の規模は全く違うが、新型コロナウイルスを利用して新たな世界新秩序を築こうとしている人がいることは確かだろう。
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