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ネオコンと対立のフリン中将に対する起訴取り下げは何を意味するのか(3/5)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202005150001/
2020.05.16 櫻井ジャーナル
2012年8月にDIAはアメリカ政府に対し、シリア情勢に関する報告書を提出した。それによると、シリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団で、戦闘集団の名称としてアル・ヌスラを挙げている。そのアル・ヌスラはAQI、つまりイラクのアル・カイダと実態は同じだともDIAは指摘しているが、その主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団。シリアにオバマ大統領が言うような穏健派は事実上、存在しないとしているのだ。
また、そうしたオバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告していた。その警告は2014年に入ってダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)という形で出現した。そうした中、2014年8月にフリンは解任されている。
2014年にアメリカは勝負に出たように見える。ダーイッシュを出現させてシリアからイラクにかけての地域を支配させるだけでなく、2月にウクライナでネオナチを使ったクーデターを成功させ、9月から12月にかけて香港で「佔領行動(雨傘運動)」を展開、中国を揺さぶっているのだ。アメリカにとってこれは裏目に出る。それ以降、中国とロシアが接近し、戦略的同盟関係を結ぶことになるのだ。
フリンたちが警告したようにダーイッシュは2014年からシリア東部からイラク西部にかけての油田地帯を制圧、勢力範囲を広げていくが、2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入、ダーイッシュを敗走させる。そこでアメリカ政府はクルドと手を組んだ。現在、その地域にアメリカ軍はいくつも基地を建設し、占領を続ける姿勢を鮮明にしている。(つづく)
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