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COVID-19恐慌の先に富豪たち私的権力は略奪と支配という幻影を見ている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202004160000/
2020.04.17 櫻井ジャーナル
日本でもCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を防ぐという名目で経済活動を破壊する政策が推進されている。安倍晋三政権だけでなく野党もカネのばらまきで騙そうとしているが、これまで以上に深刻な不況へ突入する可能性は高い。
すでに生産活動を放棄し、金融マジックで生き延びてきたアメリカも深刻。事実上、公的な健康保険が存在しないことが庶民に追い打ちをかける。経済破綻したギリシャと似た状況だとする人もいるが、国が消滅したソ連に近いとも言えるだろう。
ソ連が消滅、その構成国はバラバラになるが、そこに現れたのが西側の巨大金融資本やその手先になった地元のゴロツキ。KGBの一部がCIAの人脈と手を組んでいたとする情報もある。ソ連を消滅させる最終的な作業はボリス・エリツィンが行ったが、そうした道へと国を導いたのはミハイル・ゴルバチョフ。エリツィンは勿論、ゴルバチョフの周辺は西側巨大資本とつながっている人びとで固められていた。
ソ連消滅から国民資産が略奪されるが、そうした略奪を象徴する人物のひとりがミハイル・ホドルコフスキー。1963年生まれなので1991年には28歳。後ろ盾がいたので公的な資産を盗み、オリガルヒと呼ばれる富豪になれたわけだ。
ホドルコフスキーはユダヤ教徒の父親とキリスト教徒の母親の子どもとしてモスクワで誕生、メンデレーエフ・モスクワ化学技術大学でロケット燃料を専攻、大学では、コムソモール(共産主義青年同盟)副委員長を務めた。
1985年に書記長となったゴルバチョフが「ペレストロイカ(建て直し)」を始めると、ホドルコフスキーはコムソモールの人脈を使ってビジネスの基盤を築く。その人脈の中にはソ連国立銀行の幹部を両親に持つアレクセイ・ゴルボビッチも含まれていた。
1989年にホドルコフスキーはそうした人脈を使い、ロシアの若い女性を西側の金持ちへモデルとして売り飛ばしていたと言われている。そうしたビジネスを始めていたリチャード・ヒューズなる人物は出国ビザを入手するため、KGBにコネがあるホドルコフスキーと手を組んだというのだ。(Michael Gross “From Russia with Sex”, New York, August 10, 1998)
この年にホドルコフスキーは銀行設立のライセンスを取得、メナテプ銀行を設立した。日本でも金融機関を設立したり乗っ取るすることは少なくないが、違法送金やマネーロンダリングを行うためには自分の金融機関を持っていると好都合だからだ。
ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、その後、中小の石油会社を呑み込んでいく。1996年にはモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。メディアはライバルを攻撃したり人びとを操るために重要な道具だ。
会社を呑み込むと言っても、通常は簡単でない。安く手に入れるためには経営を破綻させる必要がある。ソ連の消滅で資産が叩き売られていたロシアでは大儲けできた。その国自体を乗っ取ることに成功したなら「再生」に乗り出すが、それは自分たちのカネ儲け、支配に都合の言いシステムを作るということだ。そうした略奪集団は日本も食い物にしたが、ロシアはその比でなかった。
ロシアでは国が乗っ取られる寸前、曲がりなりにも再独立することに成功した。再独立を実現したグループの中心にいたウラジミル・プーチンを西側の政府や有力メディアが罵倒するのは必然だと言える。
ホドルコフスキーはジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ基金」をモデルにした「オープン・ロシア基金」を2002年にアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇い入れている。この事実だけでもホドルコフスキー人脈が推測できるだろう。
ユーコスは西側の銀行から数億ドルの融資を受け、投資会社のカーライル・グループからも資金を得ていた。そのユーコスの発行済み株式のうち25%から40%をホドルコフスキーはエクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとするが、それはプーチンによって阻止されている。
COVID-19によって金融や経済が破壊された世界では、エリツィン時代のロシアに近いことが世界規模で展開される可能性がある。少なくともアメリカの支配層はそれを目論んでいるだろう。その先に彼らは巨大が私的権力が世界を直接統治する「新世界」を見ているはずだ。
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