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米大統領選、民主バイデン氏指名確実 サンダース氏撤退
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57844850Z00C20A4I00000/
2020/4/9 0:28 (2020/4/9 5:35更新) 日経新聞
バイデン前副大統領(右)とサンダース上院議員(ロイター)
【ワシントン=永沢毅】11月の米大統領選に向けた民主党候補の指名争いは8日、ジョー・バイデン前副大統領(77)が党候補の指名獲得を確実にした。一騎打ちとなっていたバーニー・サンダース上院議員(78)が同日、選挙戦からの撤退を表明した。大統領選は再選をめざす共和党のトランプ大統領とバイデン氏による対決の構図が固まった。
バイデン氏は上院議員を36年間務め、オバマ前政権で副大統領を8年間担った党の重鎮。穏健な政策を志向する中道派の代表格だ。世界の政治・経済に多大な影響を及ぼす米国の指導者選びが本格化する。
新型コロナウイルスの感染拡大で民主候補を選ぶ各州の予備選は延期が相次ぎ、選挙活動は大きく制約を受けている。サンダース氏は8日、オンラインを通じた演説で「危機が国を覆うなかで勝ち目のない選挙を続けることはできない」と語った。党の指名を得るのに必要な獲得代議員数でサンダース氏はバイデン氏に大差をつけられ、逆転は困難との見方が強かった。
サンダース氏はトランプ氏の打倒に向けてバイデン氏に協力を約束しながらも、国民皆保険などリベラル色の強い自身の政策を反映させる努力は続ける考えを示した。バイデン氏は声明で「あなたたちの力が必要だ」と訴え、挙党体制を構築するためサンダース氏の支持者に協力を呼びかけた。
8日、バーモント州の自宅からネット中継を通じて大統領選撤退を表明したサンダース氏=ロイター
サンダース氏は左派の代表格で、2月初旬に始まった指名争いの序盤では優位に戦いを進めて一時は首位に立っていた。ただ、14州・1地域で予備選が集中的に実施された3月3日の「スーパー・チューズデー」を機に中道派の票を結集したバイデン氏に獲得代議員数で逆転を許した。その後は終始、苦戦を強いられた。今月7日に実施された中西部ウィスコンシン州予備選でも劣勢になっていた。
米大統領選は8月に共和、民主がそれぞれ党大会を開き、党の候補を正式に指名する運びだ。9〜10月にかけて実施される3回のテレビ討論会を経て、11月3日に投開票される。新型コロナで景気・雇用が大きく落ち込む中で、経済再生などが争点になる。
トランプ氏は8日、ツイッターに「ウォーレン候補がいなければ、バーニーはスーパー・チューズデーのほとんどの州で勝っていただろう!」と投稿した。同じ左派のウォーレン氏とリベラル票が分散し、サンダース氏の足を引っ張ったと指摘した。党内の分断をあおる狙いがある。
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