http://www.asyura2.com/19/kokusai28/msg/467.html
Tweet |
二機目のMAX墜落から一年後、破産に直面するボーイング
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-cf9403.html
2020年3月14日 マスコミに載らない海外記事
2020年3月12日
Moon of Alabama
見当違いな株主の利益政策による打撃に加えて、未曾有の感染病大流行が、ボーイングに悪影響を与えている。両者相まって、かつて偉大だった企業が、終わるかもしれない。
2019年3月10日、アディス・アベバ離陸直後、エチオピア航空302便が墜落した。機内の157人全員が亡くなった。それは、ライオン・エア610便が墜落して、機内の189人全員が亡くなった6カ月後、ボーイング737MAXの二機目の墜落だった。
ちょうど一年前、Moon of AlabamaはMAXに関する最初の記事を発表した。当時、アメリカを除き、全てのMAX飛行機が運航停止されていた。我々はこの飛行機の操縦特性補助システム(MCAS)の手抜き導入を説明して、こう結論した。
今日ボーイングの株価はおよそ7.5%下がった。私は目の前の責任問題を反映する上で十分ではないと思う。この飛行機を運航停止しなければならなくなった全ての航空会社が補償を要求するだろう。330人以上の人々が亡くなり、家族に補償しなければならない。客はその機種を避けるだろうから、737 MAXの注文はキャンセルされるだろう。 ボーイングは、 より多くのセンサーを使うか、手順を変えることで、MCAS問題を直すだろう。だがアメリカ航空機産業にとっての大問題は連邦航空局FAAの評判が損なわれたことかもしれない。もしFAAが国際的に、アメリカ航空産業のためのロビー機関と見られれば、それはもはや信頼されず、そのため航空産業は、苦境に陥るだろう。連邦航空局は将来、認可手続きで、諸外国政府機関のジャングルの中を進まねばなるまい。 議会は、FAA問題を取り上げ、なぜ失敗したのか問うべきだ。 |
MAXは、できる限り安全にではなく、できる限り安く、開発され、製造された。ボーイングは手を抜いて、顧客と規制当局をだましたのだ。同社経営陣は、一つのことだけを考えていた。ボーイングの株価と、いわゆる株主の利益。
すべてのMAX飛行機、当時存在していた400機プラス、ボーイングがそれ以来作った400機は、依然、運航停止のままだ。ライオン・エア便とエチオピア・ジェットの事故調査報告(PDF)は、ボーイングの一文惜しみの百知らずなMCAS実装が両方の事故の根本原因だったことを明らかにしている。
2019年4月という約束だったMCASの適性な修正は、まだ機能していない。型の再証明が何カ月も遅れている。欧州航空安全機関EASAの圧力で、ショートした場合に墜落を起こしかねないコックピット下のワイヤー束を追加修正しなければならない。
ボーイングに対する多数の未決の訴訟と犯罪捜査がある。同社は賠償に、更に何十億ドルも支払わなければなるまい。
今年の最初の二カ月間、ボーイング旅客機の全体の注文は不調だった。完全な新注文より、更に25機のキャンセル、複数のMAX注文の、より少ない787注文へ変更があった。同時期に、競合エアバスは、274機の商用ジェット機注文を獲得した。
1年前から、ボーイング株価は、2019年2月の440ドルから、今日の始め値、一株当たり160ドルにまで下がった。同社では深刻なキャッシュ・フロー問題がおきている。現在同社の全銀行の貸し出し限度額が下がっている。同社は全ての重要性の低い出費を削減し、雇用凍結を決め、時間外労働を制限している。
商用航空事業は、深い懸念をかかえるボーイング唯一の部分ではない。軍と宇宙プログラムでも類似の問題がある。
この全ての根本原因は、ボーイングの株主利益第一志向だ。
現金を求めるこの狂乱と「試練の時期に手元資金を確保する」実存的衝動は、航空機工学ではなく 金融工学を駆使した後のことで、二機の737 MAX墜落の財政的影響で、最終的に同社にこの慣行を終わらせるよう強いるまで、2013年6月以来、自社株買い戻しで、434億ドルを吹き飛ばし、浪費し、燃やしたのだ。433億ドルは、まさに今本当に役立ったはずだ。 自社株買い入れの唯一の目的は、会社が自社株の最大購入者になって、株価を上げることだ。だが自社株買い入れの430億ドルで、会社には、現金430億ドル、費用がかかっている。今、ボーイングは、生き延びるために、いつでも現金化可能な、あらゆる資金が必要なため、株買い戻しを止め、自社株買い入れが大好きだった株主たちは、今や自社株買い入れが、ボーイング財政状態に与えた損害に押しつぶされている。 |
CEOになるまで、10年間、ボーイング取締役会メンバーだったボーイングの新CEOデビッド ・カルフーンは、まだわかっていない。一月、マスコミは、彼がと言った。
カルフーンはボーイングは何も悪くなかったと言った。外国人パイロットが無能で、ボーイング労働者が未熟で、顧客が何の話をしているのか分かっていないだけなのだ。安全性は、それ自体、固有の価値ではなく、株主利益のための必要条件に過ぎないのだと彼は言う。会社が、より多くの負債をかかえ込むようになる場合でさえ、配当は続かなくてはならないのだ。古い機種の派生機種で、競合企業に勝てるような新型飛行機を、ボーイングは開発すべきではないのだ。カルフーンは能力に欠けているのに、できる限り長く職にい続けたいのだ。 要するに、カルフーンは言える限りの、あらゆる悪いことを言ったのだ。 |
最近のニューヨーク・タイムズ・インタビューで、カルフーンはボーイングの困難を前任者のせいにした。
今週の広範なインタビューで、カルフーンは前任者を具体的に批判し、二度の墜落で346人の人々が死亡した後、危機に瀕し、泥沼にはまりこんでいる会社の内部文化を変えることに、彼は精力を傾けていると述べた。
11月、最高経営責任者になる前にCNBCに出演し、ミューレンバーグが「していることは全て正しく」辞職する必要はないと言って精力的にミューレンバーグを擁護した。一カ月後、理事会はミューレンバーグを追い出し、カルフーンが交替要員だと発表した。
カルフーンは前任者を非難した後、謝罪を強いられた。まずい設計のボーイング飛行機を墜落させたと、外国人パイロットを非難したことも詫びなければならない。
MAXを設計する際、同社はライオン・エアとエチオピア航空事故で役割を演じた飛行機新ソフトの欠陥を、パイロットが即座に対応できると想定して「致命的過ち」をした。だが彼はインドネシアとエチオピアのパイロットが「彼らには、アメリカ人パイロットが持っている経験を持っていないこと」が問題の一部だとほのめかした。 アメリカ人パイロットなら、ソフトウェア欠陥に対処することが可能だと思うかどうか尋ねられて、カルフーンは、オフレコで話したいと言った。ニューヨーク・タイムズは、それを拒否した。 「もういいでしょう」とカルフーンは言った。「答えは推測できるでしょう。」 |
コロナウイルス世界的流行による飛行機旅行の中止は多くの航空会社を倒産させるだろう。更に多くのボーイングとエアバス注文がキャンセルされるだろう。世界中の空の旅や、新飛行機注文が、世界的大流行前のレベルに戻るには数年要するだろう。エバレットのボーイング・ワイドボディー生産ラインの労働者五人が、コロナウイルスに感染し、生産を止めなければならないかもしれない。
ボーイングの過去の貪欲な誤った経営は、かつて、この大企業を破滅の淵にもたらした。コロナウイルスの世界的流行と、それが起こす世界不況が、ボーイングに、政府による大規模救済を求めるか、破産するか強いるのは確実だ。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2020/03/a-year-after-the-second-max-crashed-boeing-is-faced-with-ruin.html#more
----------
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。