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情報を守るはずの暗号も米情報機関が情報を盗むツール
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202002180000/
2020.02.19 櫻井ジャーナル
通信や情報を暗号で守ることをビジネスにしていたスイスの会社、クリプトAGをスイス政府は調べ始めたと伝えられている。1952年に設立され、2018年から休眠状態だというこの会社を所有していたのがアメリカの情報機関CIAやドイツの情報機関BNDだということが判明したからだという。
クリプトAGの暗号に「秘密の鍵」が組み込まれていることが明らかになるのは1992年の出来事が切っ掛け。その年にイランの軍防諜局が同社のテヘラン駐在員ハンス・ブエラーをスパイ容疑で逮捕したのだが、ブエラーに対する会社側の対応が冷酷だったことから秘密が表に漏れ出たのだ。(Wayne Madsen, 'Crypto AG: The NSA's Trojan Whore?' CovertAction Quarterly, Winter 1998)
ブエラーを助け出すためにクリプトAGはイラン政府へ100万ドルを支払ったのだが、会社は釈放されたブエラーを解雇したうえに保釈金を返せと要求、さらに裁判まで起こした。
こうした会社の仕打ちに怒った社員や元社員はクリプトAGとアメリカやドイツの情報機関との関係を暴露、追いつめられた会社は裁判を和解で終結させている。事態の進展に驚いたアメリカやドイツの情報機関の意思が働いたようだ。同社では少なからぬNSAの人間が顧問として働いていた。この当時からクリプトAGの暗号が信頼できないことは明確になっていたわけだが、それでも2018年まで会社は存続していたことになる。
クリプトAGの仕組みを利用して得た機密情報はアメリカやドイツだけでなく、イギリスやイスラエルへも流れていたはず。イギリスにはNSAと連携しているGCHQがあり、米英両国の機関が中心になって編成されているUKUSAはイスラエルの8200部隊(ISNUとも呼ばれている)と緊密な関係にある。
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