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イラク国民の主権を無視して米軍は占領を続けようとする
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202001230000/
2020.01.25 櫻井ジャーナル
イラクの首都バグダッドではアメリカ軍の撤退を求める人びとの抗議活動が続いている。その参加者はAPによると数百名、CNNによると数十万名、主催者によると250万名、400万名以上という報道もある。
アメリカの親イスラエル派のひとつであるネオコンは1980年代からイラクを制圧しようとしてきた。CIAと関係の深いサダム・フセイン政権を倒し、イスラエルの影響下にある体制を樹立してシリアとイランを分断、その上でシリアとイランを壊滅させるという戦略だ。イスラエルでは1996年にベンヤミン・ネタニヤフが首相になるが、このネタニヤフに対し、ネオコンはこの戦略を売り込む。
ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、そのネオコンの中心グループの属すポール・ウォルフォウィッツは国防次官だった1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。(3月、10月)
ネオコンの戦略で動いていたジョージ・W・ブッシュ政権は統合参謀本部内の反対を押し切り、2003年にイラクを先制攻撃してフセイン政権を倒した。そして親イスラエル派の体制を樹立しようとするのだが、これは失敗してイランとの関係が強まっていく。
イランとイラクとの関係が深まった要因のひとつは両国ともイスラム教シーア派が多数派だからである。イラク人の5割強がシーア派。スンニ派系のフセインの体制ができたのはイギリスが支配グループとしてスンニ派を選んだからだと言われている。
そこでブッシュ政権はイラクで使う手先をスンニ派に戻す。これは2007年に3月5日号のニューヨーカー誌で調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが指摘している。スンニ派の過激派と手を組み、シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラを叩き潰すことにしたというのだ。スンニ派の過激派とはアル・カイダ系武装集団で、その主力はムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)である。
これも本ブログで繰り返し書いてきたが、1960年代からイスラエルはイラクを揺さぶるためにクルドのバルザニ家を使ってきた。現在、アメリカはクルド自治政府のネチルバン・バルザニ首相を軸にする勢力を動かしているが、その祖父にあたるムスタファ・バルザニは1960年代後半からイスラエルの情報機関モサドのオフィサーだったと言われている人物。その息子でネチルバンの叔父にあたるマスード・バルザニがムスタファの後継者だが、やはりイスラエルの影響下にあった。
バラク・オバマ大統領はムスリム同胞団と使うことに決め、2010年にPSD-11を出す。そして始まったのが「アラブの春」だ。オバマ政権もスンニ派を手先として使っている。
今ではフセイン体制の残党と手を組んでいるネオコンだが、フセインを倒した理由は親イスラエル派の体制を築き、シリアとイランを壊滅、イスラエルに中東を支配させるつもりだったはずだ。
欧米の親イスラエル派にしろ、イスラエルにしろ、イラクは中東支配の要石だと考えている。イラク国民がどのように言おうと、アメリカ軍はイラク占領を続けようとするだろう。それが中東に反米感情をさらに広めることになる。
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