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ロシア − 画期的権限委譲? 首相と閣僚全員が辞任
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2020年1月17日 マスコミに載らない海外記事
ピーター・ケーニッヒ
Global Research
2020年1月16日
今日1月15日、画期的なニュースで、プーチン大統領は、国民への年次演説で、政府の大規模な変化を発表した。最初に、彼はドミトリー・メドベージェフ首相と彼の閣僚全員が辞任し、最終的に新首相と新閣僚に置き換えられると発表した。日程説明はなかった。当面、政府は、その機能を「正常に」継続するだろう。「死に体」集団がどれほど正常であり得るだろう?
プーチン大統領演説の二番目に重要な点は、大統領からドゥーマ、つまり議会への権限移行に焦点をあてていた。ドゥーマ、つまり議会は、大統領と国民の声の間で、バランスを取る上で、より多くの権限を持つべきなのだ。「民主主義国家」に向かう更なる動きだ。ロシアが独裁国家だという欧米の批判に対する反応で、この動きはロシアに対するこの非難を軽減すると解釈するむきもある。私はそうは思わない。欧米の非難は恣意的で、決して事実に基づいてはおらず、非難したいときするのだ。
例えば、政府権限の変化は、プーチン大統領が強調したように、ロシア憲法の多少の変更は予定しているが、決して全面書き換えではない。大統領の任期制限も変化せず、2期までのままだ。「連続して」「2期を越えない」は改正すべきで、「続けて」を削除するもののようだ。それは、プーチン大統領が、現在の任期が終わる2024年には、確実に大統領の座を去らなければならないことを意味するだろう。これは議会に承認確認されるべき憲法分野の一つかもしれないし、そうではないのかも知れない。
だが、プーチン大統領は、首相になって、背後からロシアを動かすことができるのだろうか? 彼が2008年から2012年まで、ドミトリー・メドベージェフ大統領の下でそうしたように。これは議論されなかった。
メドベージェフ首相が彼の辞任を説明した時に、政府は大統領に辞任を申し出ることができ、大統領は、それを受け入れるか拒絶することができるというロシア憲法第117条に言及した。プーチン大統領は、もちろんメドベージェフ首相と彼の閣僚に、彼らの良い仕事とロシアに対する奉仕に対し感謝し、辞任を受け入れた。プーチンとメドベージェフの間には目に見える敵意はなかったが、この動きは何カ月も前から論じられ、交渉されていた可能性が高い。
プーチン大統領によれば、メドベージェフ氏には、ロシア連邦安全保障会議の新設する副議長の地位を提案した。これは明らかに首相からは、かなり格落ちだ。メドベージェフ首相とプーチン大統領は、いずれも統一ロシア党メンバーだが、メドベージェフは、大西洋主義者、つまり、大いに欧米寄り、欧米政治哲学寄りだという評判があった。ロシアの金融部門には依然、一部の人々が第五列と呼ぶ大西洋主義者が潜入している。
ヨーロッパとの関係改善を目指して、論理的な措置だが、プーチン大統領は、米ドルが支配する「制裁に弱い」経済から離脱することを強く主張している。そして、それは正しい。これがメドベージェフ首相の辞任理由の説明になるだろうか。今朝の時点では、好ましい後継者についての言及はなかった。これは多少時間を要するかもしれない。全ての鍵となる活動は「暫定」政府が対応するので、表面上問題はない。政権交代全体は、ロシア政府の機能を改善する自然のプロセスとして「ざっくばらんな」、「大騒ぎするほどのことではない」ように見せられている。それでも、これはプーチン大統領指導下で、これまでの20年で一度も「近代的」ロシアで起きたことがないものだ。
インタビューされた議員たちは、概して、それを肯定的な動きと見ている。彼らは今や、より多くの権限と、より多くの責任を持つことになるだろう。彼らは、首相や閣僚を含む重要な任命に発言権を持つだろうが、決裁は、依然大統領による。
気付くべき重要なことは、現在のロシア政府「民主化」が、プーチン大統領の支持率が、2018年再選時の77%からわずか下落した、まだ約70%の時に行われることだ。
議会は新しい権限で、あるいは憲法を変える可能性を考慮して(現時点では詳細が公式に定義されていない)憲法の一部を検討するよう依頼されるかも知れない。プーチン大統領の高い人気と、ロシアの経済的、政治的な安定という条件のもとで、絶え間ない欧米の干渉、あるいは未遂の干渉にもかかわらず、安定性と継続的な経済的繁栄の維持は重要だ、つまり大統領と政府の連続性は重要だ。だから、議会が、大統領の任期制限を完全撤廃するかもしれないと想像するのは可能ではあるまいか?
現段階では、これはほとんど推測だ。だがこの変更「権力平等化の動き」の背後にある戦略の一部がこの方向に進むと想定すれば時機は完ぺきだ。新しい10年、新時代。あらゆる制裁や悪魔化にもかかわらず、ロシアを今の誇り高い、独立した、自立した国にした、打ち勝つだけでなく、主権ある世界超大国として頂点に立たせた、人物プーチンは主役のままだ。苦労して手に入れたこの正当な特権を放棄する危険を冒したいなどとロシア国民が、どうして望むだろう?
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Peter Koenigは経済学者で、地政学専門家。彼は水資源と環境専門家でもある。彼は30年以上、世界銀行や世界保健機関で、世界中で、環境と水資源について広範囲に働いた。彼はアメリカ、ヨーロッパや南米の大学で講義している。彼は、Global Research、ICH、RT、Sputnik News、PressTV; The 21st Century、Defend Democracy Press、Greanville Post、TeleSur、The Vineyard of The Saker Blog、New Eastern Outlook(NEO)や他のインターネット・サイトに良く寄稿している。彼は事実と世界銀行での世界中での30年間という経験に基づいたフィクション「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者でもある。彼は「The World Order and Revolution! - Essays from the Resistance」の共著者でもある。ピーター・ケーニッヒはグローバリゼーション研究センターCentre for Research on Globalization研究員。
本記事の初出はGlobal Research
Copyright ピーター・ケーニッヒ、Global Research、2020
記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/russia-groundbreaking-powershift/5700794
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