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イランを強化するトランプのスレイマニ殺害(田中宇)イラクの反米感情が扇動され、米軍が追い出されていき、イランが再び漁夫の利を得る。
http://www.asyura2.com/19/kokusai28/msg/157.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2020 年 1 月 07 日 20:26:42: KqrEdYmDwf7cM gsSC8YKzgqKBaYKigWo
 

http://tanakanews.com/200107iran.htm

1月3日、イラク駐留米軍がトランプ米大統領の命令を受け、イラン革命防衛隊
のスレイマニ司令官を無人機を使って殺害した。スレイマニは軍人だが、彼のこ
の数年の活動の多くは、イラクやシリア、レバノンなどに対するイランの影響力
を拡大したり、サウジやクウェートなどとの関係を改善するなど、外交官として
の任務だった。スレイマニは頻繁にイラクを訪れており、今回はレバノンを訪問
した後、定期便の民間航空機でバグダッドに到着し、外交旅券での入国審査を経
て空港からバグダッド市内に向かおうとした時に空爆され殺された。スレイマニ
は、テロリストでなく外交官だった。イラクが仲裁する、イランとサウジの和解
交渉をやりに来て殺されたという説もある。

http://www.theamericanconservative.com/articles/iranian-revenge-will-be-a-dish-best-served-cold/
Iranian Revenge Will Be a Dish Best Served Cold

http://news.antiwar.com/2020/01/05/soleimani-was-in-baghdad-on-mission-for-saudi-peace/
Soleimani Was in Baghdad on Mission for Saudi Peace

http://thehill.com/homenews/campaign/476743-gabbard-blasts-iran-strike-trumps-actions-are-an-act-of-war
Gabbard blasts Iran strike: 'Trump's actions are an act of war' ガッバードが正しい

トランプは19年4月に、スレイマニが率いていたイラン革命防衛隊(国軍より
ずっと強いイラン軍)を「テロ組織」に指定しており、トランプ流の理屈として
はいつでもスレイマニを殺す可能性があった。しかし、さらに一歩踏み込んで考
えると、イラン革命防衛隊の任務はシーア派を殺戮してきたISアルカイダと戦
うことであり、防衛隊はテロ組織どころか逆に「テロ組織と戦う組織」だ。防衛
隊のテロ指定自体がトランプ特有のお門違い策の一つだった。米国は覇権国だか
ら、イラン防衛隊をテロ組織指定するお門違いな不正な策が世界的に黙認されて
きた。スレイマニはイランの防衛相に相当する閣僚であり、しかも外交活動のた
めにイラクに来ていた。スレイマニ殺害は米国による戦争行為だと言っているイ
ラン政府は正しい。トランプの側近たちは、トランプか本気でスレイマニを殺そ
うとしているのを見て仰天したという。

http://slate.com/news-and-politics/2020/01/pentagon-officials-reportedly-stunned-trump-kill-soleimani.html
Pentagon Officials Reportedly “Stunned” by Trump’s Decision to Kill Soleimani

http://en.wikipedia.org/wiki/Armed_Forces_of_the_Islamic_Republic_of_Iran
Armed Forces of the Islamic Republic of Iran - FWikipedia

イラン防衛隊のテロ指定やスレイマニ殺害は不正行為であるが、トランプ的な理
屈では不正でない。しかし、トランプ的な理屈を使っても、なぜ今スレイマニを
殺したのかは説明できない。それまで米国側はイラク滞在中のスレイマニの居場
所をほぼ常に把握していたが殺害しなかった。米国(軍産でなくトランプ政権の
側)はISISを退治しようとしており、イランもスレイマニを司令官として
ISISを退治しようとしていたので、米国とイランは隠然とした協力関係にあっ
た。ISISやアルカイダは、米国の軍産複合体が育てたスンニ派テロ組織で、
シーア派とは仇敵どうしだった。トランプはISカイダを作った軍産と仇敵の関
係だった。イラン側は、米軍がスレイマニを殺すとは全く思っていなかったはず
だ(思っていたらスレイマニはイラクに来るのをやめただろうし、居場所をわか
りにくくしたはずだ)。これまで自由に泳がせていたスレイマニを殺すことにし
たトランプの転換の意図は何か。なぜ今なのか。

http://www.zerohedge.com/political/calm-cool-collected-inside-trumps-risky-decision-kill-gen-soleimani
"Calm, Cool & Collected": How Trump's Risky Decision To Kill Soleimani Unfolded

http://nationalinterest.org/print/blog/skeptics/donald-trumps-iran-policy-comes-down-one-word-chaos-111181
Donald Trump's Iran Policy Comes Down to One Word: Chaos

トランプは、スレイマニ殺害の前に、12月29日に米軍にイラク民兵団(PMU。
イラン系)の拠点を空爆させている。米軍がイラクで、ISISでなく民兵団を
攻撃したのは2014年に米軍がイラクに戻って以来初めてであり、これ自体が、
米国がイラクを敵視し始めたこととして画期的だった。空爆された側の民兵団は
激怒して大晦日からバグダッドの米国大使館を占拠・破壊しており、それへの
トランプからの再報復が1月3日のスレイマニ殺害だった。12月29日の米軍
による民兵団空爆は、その前の12月27日に何者かがイラクのキルクーク近郊
の米軍基地を砲撃したことへの報復で、米軍は「砲撃してきた犯人はPMU民兵
団に違いない」と決めつけて民兵団の基地を攻撃したが、実のところ27日の
攻撃の犯人は民兵団でなくISISだった可能性が高い。キルクーク近郊の米軍
基地はISISと戦うイラク国軍を訓練していたからだ。トランプ側は、民兵
団に濡れ衣をかけて攻撃し、民兵団との対立を意図的に激化した疑いがある。ト
ランプは、なぜ今のタイミングで民兵団やイラン側との対立を激化しているのか。

http://www.wsj.com/articles/targeted-killing-of-iranian-general-puts-u-s-at-crossroads-in-middle-east-11578098318
Targeted Killing of Iranian General Puts U.S. at Crossroads in Middle East

「トランプはイランと戦争する気になった」と考えるのは間違いだ。トランプは
スレイマニを殺した直後、イランと戦争する気はないと表明している。トランプ
は、イランが米国と交渉する気ならいつでも受けるとも言っている。イランの方
から報復としてイラク駐留米軍などを攻撃してきて米イラン戦争になる可能性も
ゼロだ。イランは軍事力が米国よりはるかに弱いので、自分の方から米国に戦争
を仕掛けない。トランプは中東撤兵の意志を変えておらず、WSJやFTといっ
た軍産エスタブ系のマスコミも「米国とイランは戦争しない」という趣旨の記事
を早々と出している。ロシアと中国は今回の殺害後、早々とイラン支持を表明し
ている。米国がイランに戦争を仕掛けたら、露中とも戦争になりうる。たとえト
ランプがそれをやりたがっても、軍産や米議会が全力で阻止する。軍産が望んで
いる戦争は、世界大戦でなく、米覇権維持のための小競り合いだ。

http://www.wsj.com/articles/more-conflict-is-inevitable-war-with-iran-isnt-11578069281
More Conflict Is Inevitable; War With Iran Isn’t

http://www.zerohedge.com/geopolitical/us-slams-russia-china-blocking-un-statement-baghdad-embassy-attack
US Slams Russia, China For Blocking UN Statement On Baghdad Embassy Attack

http://www.zerohedge.com/political/watch-live-trump-discusses-soleimani-killing-mar-lago
Trump Says US Not Seeking Iran Regime Change, Or To Start A War

スレイマニ殺害後の大きな影響は、軍事でなく政治面で出ている。イラク議会は
1月5日、駐留米軍に撤退を求める決議を初めて行った。この決議はイラク政府
を拘束するものでないので決定的ではないが、これまで不満を表明しつつも米軍
駐留に正式に反対してこなかったイラク議会の主流派(親イランのシーア派の2
派が最大会派)が、初めて米軍に撤退を求めたものとして画期的だ。

http://www.wsj.com/articles/iraqi-parliament-votes-in-favor-of-expelling-u-s-troops-11578236473
Iraqi Parliament Votes in Favor of Expelling U.S. Troops

http://www.presstv.com/Detail/2020/01/05/615421/Iraqi-lawmakers-draft-US-forces
170 Iraqi lawmakers sign draft bill to expel US military forces from country

イラク駐留米軍は、2011年にオバマ前大統領が軍産の反対を押し切っていっ
たん撤兵したものの、軍産はISISを育てて決起させた。イラク北部をISIS
に占領されたイラク政府は困窮して米軍に再駐留を求め、オバマもしぶしぶ了
承し、米軍が14年からイラクに再駐留した。その後、トランプ時代になってシ
リア内戦が露イランアサドの勝利・軍産ISカイダ米トルコの敗北で確定し、
ISカイダは大幅縮小し、残党が、トルコの監視下でイドリブに幽閉されたり、
米軍の監視下でシリアから撤退してイラクの砂漠に逃げ込んでいる。

http://www.presstv.com/Detail/2019/10/20/609152/US-forces-transferring-100s-of-Daesh-terrorists-from-Syria-to-Iraq-Report
US forces transferring Daesh terrorists from Syria to Iraq

http://www.ft.com/content/8d225596-306b-11ea-9703-eea0cae3f0de
US influence in Iraq wanes as Iran strengthens grip

ISカイダの大幅縮小と同時に、今春来、イラクでは米軍に撤退を求める声が強
まった。しかし同時にイラクには、イランに支配されることを嫌がるナショリズ
ムの国民感情もあり、米軍など米国勢が撤退すると、イラクの支配勢力がイラン
であることが露呈してイラク人の反イラン感情が高まりかねなかった。そのため
イランは米軍や米国勢をイラクから追放するのを急がず、イラクが米国とイラン
の影響力のバランスの中で存続し、イランのイラク支配が隠然とした状態のまま
続くようにしてきた。米国側もこの状態を認知していたので、イラン上層部でイ
ラク支配を担当するスレイマニがイランに頻繁に来てバグダッドなどをうろうろ
しても米軍は黙認してきた。

http://tanakanews.com/190512iran.php
戦争するふりを続けるトランプとイラン

昨年10月からは、イランに支配されているイラクの政府や議会を批判する反政
府運動がイラク各地で強まり、イラク政府は親イランの首相が辞めたまま後任が
決まらない混乱状態になっている。この反政府運動は、シリア内戦の敗北で力が
低下している米国の軍産・諜報界が、イラク占領中に張り巡らしたスパイ網を使
って、イランの力を削ぐために扇動している運動と考えられるが、この運動に対
してもイランはあまり対抗せず、慎重な態度をとって放置していた。イラク各地
のイランの領事館は、反政府運動に襲撃されるままになっていた。

http://www.nytimes.com/2020/01/04/us/politics/trump-suleimani.html
As Tensions With Iran Escalated, Trump Opted for Most Extreme Measure

http://tanakanews.com/191126iraq.php
イラクやレバノンの反政府運動がスンニとシーアの対立を解消する

トランプのスレイマニ殺害は、このようなイラクにおける米国とイランの均衡状
態を破壊した。スレイマニはイランでもイラクのシーア派の間でも英雄視されて
きたので、殺害はシーア派の琴線に触れる「英雄の殉教」として扱われ、イラン
とイラクのシーア派が一気に結束し、米国に復讐する姿勢になった。マスコミは、
イラン側が急先鋒な軍事的に米国に報復するかのように喧伝するがそれは間違い
で、イラン側は時間をかけて政治的に報復し、米国を中東全域から追い出す策
をこれから何年もかけて展開していく。

http://www.al-monitor.com/pulse/originals/2020/01/soleimani-assassination-iran-iraq-us-pmu.html
Iraqi armed factions vow revenge for Shiite commanders’ killings

http://tanakanews.com/190620russia.php
S400迎撃ミサイル:米は中露イランと戦争できない

イスラエルは表向きスレイマニ殺害を歓迎しているが、それと同時に1月5日、
ネタニヤフ首相が初めて自国が核保有国であることをポロッと表明した。すぐに
訂正したが、これは意図的な表明だろう。イスラエルは米国の中東撤退を予測し、
その後は自国の核兵器しか抑止力がなくなることを覚悟している。

http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/netanyahu-israel-nuclear-power-weapons-iran-crisis-trump-a9272086.html
Netanyahu calls Israel a ‘nuclear power’ before correcting himself in apparent slip of tongue

1月5日のイラク議会の米軍追放決議は拘束力の弱いものだが、これはまだ初盤
戦として出されてきている。トランプは「イラク側が米軍基地の建設にかかった
全費用を賠償しない限り撤兵しない」と、いつもの独自の強硬姿勢を表明してい
る。だがその裏で、米軍の司令官がNATO側に対し「米軍が撤退していくので
後のことは頼んだ」という感じの書簡を出していたことが報じられている。米国
防総省は「あれは出来の悪い草案が漏れたもので、正式には撤兵などしない」と
否定したが、撤兵の草案があること自体は間接的に認めてしまった。米軍と一緒
にイラクに駐留していたNATO諸国は「撤兵について事前に何も聞いていない
し、米軍だけ撤退した場合の代替案も作っていない」と大騒ぎになっている。
NATO軍が総崩れで動揺しているのを見て、イラクのシーア派やイランはますま
す強気になり、この趨勢を利用して米軍やNATO軍をイラクから総撤退させよ
うと言い出している。いずれ、もっと拘束力が強い米軍追い出し決定をイラクの
議会や政府が出すようになる。

http://www.zerohedge.com/geopolitical/us-army-tells-iraq-it-preparing-move-out
Chaos: Pentagon Denies "Poorly Worded" Iraq Withdrawal Letter, Esper Says "No Decision To Leave Iraq, Period"

http://www.ft.com/content/f04303ba-3083-11ea-9703-eea0cae3f0de
Nato warns on Iran crisis as EU powers scramble to cool tensions

トランプは、この手の流れが起きることを予測した上でスレイマニを殺したのだ
ろう。スレイマニ殺害はイラン敵視に見えるが、実のところ、イラクの米国敵視
・イランを許す国民感情、米国よりイランの方がマシだという感情を思い切り扇
動し、米軍や米国がイラクから追い出される状況を作っている。イラク政府が正
式に米軍に撤退を要求しても、しばらくトランプは撤退を拒否する演技をするか
もしれないが、それをやるほど同盟諸国が米国に愛想をつかして離反していき、
米国の覇権が低下する。トランプは米国の覇権を弱め、イランを強化している。
彼は「隠れ親イラン」である。これは、覇権放棄屋・隠れ多極主義のトランプの
意図的な策略である。

http://www.zerohedge.com/geopolitical/irans-new-top-military-commander-vows-remove-america-region-vengeance-soleimani
Iran's New Top Military Commander Vows To "Remove America From The Region" As Vengeance For Soleimani

http://www.zerohedge.com/geopolitical/trump-says-us-will-not-leave-iraq-unless-billions-air-base-are-repaid
Trump Says "US Will Not Leave" Iraq Unless Billions For Air Base Are Repaid

スレイマニは、イランの中東支配戦略を立案実行していた責任者で、イランの体
外戦略において、最高指導者のハメネイ師に次ぐ権力を持っていた。イラクやシ
リア、レバノン、イエメンなどのシーア派の民兵団がスレイマニの傘下にいた。
スレイマニは、内戦後のシリアでアサド政権を軍事的にテコ入れしたり、イラク
に駐留する米軍をシーア派議員らが追い出す動きを支援したり、レバノンでシー
ア派のヒズボラが政権をとり続けることを助けたり、イエメンのシーア派の武装
勢力フーシ派を支援してサウジを停戦に追い込んだりしてきた。スレイマニの死
は、これらのイランの中東支配戦略にとってかなりの打撃だ。しかしそれは短期
的な悪影響だ。長期的には、イラクの反米感情が扇動され、米軍が追い出されて
いき、イランが再び漁夫の利を得る。WSJなどマスコミもそう書いている。

http://www.zerohedge.com/political/pelosi-house-introduce-war-power-resolution-limit-trump-iran
Pelosi: House To Introduce 'War Powers Resolution' To Limit Trump In Iran

http://www.wsj.com/articles/after-soleimanis-death-the-balancing-act-in-the-middle-east-just-got-tougher-11578033833
Soleimani’s Death Hands Iran a Reason to Retake Mideast Initiative

「米軍が撤退したらISアルカイダが復活し、イラク自身が混乱して損するぞ」
とマスコミが書いているが、軍産マスゴミのプロパガンダはいい加減にしろだ。
ISアルカイダは、米軍など軍産にこっそり支援されてイラクなどで人殺しして
きた。米軍など米国勢力がイラクから撤退させられると、中長期的にISカイダ
はイラク民兵団などに潰されて雲散霧消していく。軍産マスコミは世界最大のテ
ロ組織である。ISカイダと同時にマスコミも潰れた方が世界が平和になる。多
くの軽信者たちからの反論誹謗を恐れずに書くと、欧米流のジャーナリズム自体
が撲滅されるべき存在だ。

http://www.wsj.com/articles/the-u-s-iraq-and-iran-11578263875
The U.S., Iraq and Iran - The Baghdad vote isn’t the last word on American troops

米軍を完全に撤退させたら、イラク政府は米軍の代わりにロシア軍から空爆支援を
受けられる。安定しつつあるシリアから、イラクのISISの残党を退治しに、
ロシア空軍やレバノンのヒズボラがが支援しに来てくれる。シリアが安定したら、
アサドのシリア政府軍も恩返しのためにイラクのIS退治に参加してくれるだろう。
非米的なISカイダ退治はシリアの成功で先例がある。もう米軍は要らない。

トランプのスレイマニ殺害が逆効果で理不尽なものなので、米国では民主党が支
配する議会下院で、トランプがイランと戦争する前に議会の承認を義務づける法
案を出そうとしている。もともと米国憲法では、戦争開始の決定権が議会下院に
ある。01年の911事件直後の有事立法で、大統領が議会にはからずにテロ戦
争を遂行できる法律が作られ、それ以来ずっと、議会は大統領の戦争に口出しで
きない違憲な状態が続いている。911後の米大統領主導の戦争は、アフガニス
タン、イラク、リビア、シリアなど全て失敗している。この間、米議会は何度か
大統領から戦争権限を奪おうとしてきたが、軍産・米諜報界にとっては議会でな
く大統領を動かして戦争させる方がやりやすいので、軍産傀儡の議員たちが賛成
せず、戦争権限は米大統領が持ったままだ。しかし今回、トランプがイランと戦
争しそうな演技を続けるほど、米議会は民主党主導で戦争権限の剥奪を本気でや
ろうとする。トランプは表向きこれに抵抗し続けるが、本音では議会に戦争権を
奪ってもらった方が軍産の力を削げるのでこっそり剥奪を歓迎している。

http://www.ft.com/content/fa2f21ce-3042-11ea-9703-eea0cae3f0de
Democrats try to hold Trump to account over Iran strike

http://www.yahoo.com/news/bernie-sanders-introduces-law-stop-002230662.html
Bernie Sanders introduces law to stop Trump from starting war with Iran

CFRのハース会長は、米国とイランが世界を巻き込んで戦争するかもしれない
と、おどろおどろしい警告を発している。私から見ると、まったくのプロパガン
ダである。これからしばらく、ハースの警告に象徴されるような、今にも戦争に
なりそうな感じの仮想現実の醸成が続くかもしれない。多くの人が、戦争になり
そうだと思い込むほど、反戦運動が拡大し、米国の戦争権限が大統領から議会に
戻り、軍産が濡れ衣戦争をやりにくくなり、軍産が米国の覇権を牛耳ってきた状
況が終わりになる。CFRも隠れ何とかである。

http://www.ft.com/content/0da7ecc4-2e48-11ea-84be-a548267b914b
America must be ready for Iranian retaliation

http://summit.news/2020/01/03/cfr-president-says-the-world-will-be-the-battlefield-after-iran-escalation/
CFR President Says "The World Will Be The Battlefield" After Iran Escalation


この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/200107iran.htm

●最近の田中宇プラス(購読料は半年3000円)

◆異常なバブル膨張、でもまだ崩壊しない
http://tanakanews.com/200102bubble.php
【2020年1月2日】米国中心の金融システムの不健全なバブル膨張がひどくなり、
再び健全な状態に戻る可能性が減り、逆に、株や債券の再起不能な大幅下落な
ど、史上最大のバブル崩壊によって金融システムが破綻する可能性の方が高ま
っている。しかし今後、米日欧の中銀群が思惑通りのQEを続けられる限り、
株価の高値が続き、債券の金利も上がらない。ときおり相場が崩れても、QE
の資金注入によって短期間に元に戻る。構造的には異常なバブル膨張なので、
オルトメディアに「間もなく金融が大崩壊する」と予測する記事がたくさん出
ているが、その「間もなく」は来月や再来月でなく、来年や再来年だ。

◆トランプ式の核廃絶
http://tanakanews.com/191231nuclear.php
【2019年12月31日】トランプは、核廃絶や軍縮の枠組みを米国中心でなく、
露中やEUが米国抜きで軍縮を進める多極型の新体制に移行させようとしている。
米国(米英・軍産)は、永久に解決しない対立を各地に残置して世界を分割支
配してきたが、露中など今後の多極体制を動かす諸大国は、米国に比べて国力
が小さいのでストレートに問題を本当に解決し、世界を安定化して安上がりに
運営したい。トランプは露中などに対米自立的な軍縮体制を作らせようとして
いるが、それは対米自立的な軍縮体制の方が、既存の米国覇権型の軍縮体制よ
りも、長期的にみて実現の可能性が高いからだ。

◆眠れるトルコ帝国を起こす
http://tanakanews.com/191224turkey.php
【2019年12月24日】トランプの覇権解体策に際し、エルドアンのトルコは、
中東の覇権の一部を担わせるのに格好な国際野心を持っている。トランプや、
ネオコンに引きずられた米議会がトルコを怒らせるほど、エルドアンは「トル
コ帝国の復活」をやりやすくなり、この百年あまり眠らされていたトルコ帝国
が起こされて中東覇権の再獲得を目指し、世界の覇権構造の多極化に貢献する。
トランプが嫌うNATOを、エルドアンとプーチンが組んで破壊してくれる。  

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コメント
1. 2020年1月07日 22:10:12 : zfnyJR4AGY : ZFBheVFJb0JuYms=[2] 報告
トランプぐらい軍産べったりの大統領は例を見ない。
国防長官のエスパーから陸軍長官、海軍長官までごっそり元軍需産業の副社長
という軍産の利益代表で固めた大統領などいなかった。
もちろん軍事費は社会福祉費を削って天井知らずで増えているし、武器輸出も好調で
トランプ自身が自分のツィッターでアピールしているのも周知の事実。
それでまだトランプが軍産と戦っているなんて馬鹿げた妄想にすがっているんだな。
2. 2020年1月08日 08:09:33 : Slq5eUY8HU : Nk5QRkxDOE04STI=[1] 報告

>>1 そうかね?
______________________________________________
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/705.html#c4

〜占頷下のイラクでは市場原理主義による急進的な社会改変が行なわれている。「独裁からの解放」、「民主国家の樹立」、「自由経済による成長」というスローガンのもと、関税撤廃、民営化、労働規制と資本規制の緩和、医療・教育・福祉の削減などがもたらしたものは、50%以上に達する失業率であり、国民経済の破綻であった。また、それまで社会事業に投入されていた原油の決済代金は、米軍が破壊したインフラや公共施設の再建費用として欧米系企業へ優先的に支払われることとなり、石油経済は急速に解体されている。

〜2007年、イラクのマリキ政権は「新石油法」を閣議決定するが、原案は米国のコンサルタント会社ベアリング・ポイントによって起草されたものだと指摘されている。2003年のイラク攻撃直後にUSAID(米国国際開発庁)が同社と契約し、法案にはブッシユ政権、石油メジャー、IMFなどが主導的に関与しながら、イラク国民には詳細がほとんど知らされることがなかった。

〜イラクの「新石油法」の第1条には”イラクの石油・ガスはイラク国民の財産”と記されているが、PSA(Production Sharing Agreement=生産分与同意)という方式により、インフラヘの投資期間中は石油の売買益60〜70%を占領国へ支払い、さらに終了後も20%を支払うという略奪的システムだ。「戦争のアウトソーシング」が実践されるイラクにおいては、米国政府に委託された傭兵グループが拘束、尋問、拷問を代行し、反体制的な市民や活動家を粛清するなどの事例が相次いでいる。

http://www.asyura2.com/15/senkyo189/msg/182.html#c23

〜「新石油法」の制定によりイラク油田の経営を事実上シェブロンやブリティッシユ・ペトロリアムなどが独占したことから、一連の行為が公共資源略奪を目的とした侵略戦争であると国内外から批判が噴出するが、このような事実も厳戒な規制により報道されることはない。テロリストや武装グループとは、侵略に対する抵抗運動の歪曲表現であり、実態本質を隠蔽するレトリック(修辞法)に過ぎない。

「私は大企業やウオール街、銀行のための一級の殺し屋として過ごした。」
スメドレー・バトラー(米国陸軍少将)

〜イラク国内は未だ厳戒な情報統制下にあり、フセイン政権時代の新聞各紙が廃刊されるなど、一般国民に被害実態が周知されることはない。米軍が破壊した公共施設、道路、港湾、その他インフラなどの復旧はベクテル社を筆頭とする米国系企業が受注し、労働力や資材も近隣国から調達したことから、イラクの雇用環境は壊滅的に悪化した。米国史において資本と軍事は常に共同行動するのであり、紛争によって国家領土と資本利潤を拡大してきたことから、侵略は経済行為であり国家プロジェクトと見なすべきだろう。

「米国の安全保障に関わることで国連の承認は必要ない。誰の許可も必要ない。」
ジョージ・ブッシュ (米国第43代大統領)

〜イラクの未開発の油田をさらに採掘すれば日量800万バレルを突破すると見込まれ、サウジアラビアを抜いて世界第1位の産油国になる。イギリスのフィナンシャル・タイムズは、欧米系石油企業が原油の採掘事業を独占し売買事業を行なうことなどから、イラク戦争そのものが侵略行為であると報道したが、これに対し米国は「機密保安のため国内企業を優先(して石油採掘およびその売買の事業者として指名)する」と釈明した。

〜2004年から米国はイラク国内法を改正し、公営企業の民営化に着手した。セメントエ場、化学肥料プラント、燐酸や硫黄の鉱山、医薬品工場、航空会社などおおよそ産業主体となる企業群が対象となり、同時に資本規制を撤廃したためイラクの公共資源は一挙に外資に売却されたという。また税制改革により進出企業はイラク国内での納税義務を回避し、本国に利潤を送金することが合法となる。一連の政策により失業者は50%以上に達し、困窮した国民は抵抗運動に参加するが、多国籍軍はこれをテロ行為とみなし大規模な掃討作戦を展開した。

〜米国はイラク侵攻において道路、パイプライン、空港、送電網、公共施設などを対象に緻密な爆撃を行ない、復興計画を巨大なプロジェクトに仕立て上げた。USAID(米国国際開発庁)が行なった1回目の入札にはベクテル、フルーア、ハリバートン、ケロッグ・ブラウン&ルーツ、ルイス・バーガー、パーソンズ、ワシントンなど政権に密接な企業群が参加し10億ドルの業務を受注。なお、ベクテル、フルーア、ハリバートンの各社は強力なロビー活動を推進し、開戦前の2001年から2002年の間に約300万ドルの献金を行なっている。

==============================================
〜米国政府はロビイスト集団によって運営されているが、
この図式は2001年に発足したジョージ・W・ブッシユ政権においては顕著だった。
●リチャード・アーミテージ国防副長官(軍需・レイセオン)、
●マイケル・ウィーン国防総省次官(軍需・マーティン・マリエッタ)、
●ゴードン・イングランド海軍長官(軍需・ゼネラル・ダイナミック)、
●ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官(石油・BPアモコ)、
●エドワード・オルドリッジ国防予算・兵姑担当次官(軍需・ユナイテッド・インダストリアル)、
●コンドリーザ・ライス国家安全保障担当補佐官(石油・シェブロン)、
●コリン・パウエル国防次官(軍需・ゼネラル・ダイナミクス)、
●デック・チェイニー副大統領(軍需・TRW)など、
対イラク戦を決議した主要閣僚の90%以上を軍需・エネルギー産業の元役員や経営者らが占めている。

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3. 2020年1月08日 09:10:49 : FGnOQRqLW9 : YS5jVE1jd2NjWS4=[139] 報告
●リチャード・アーミテージ国防副長官(軍需・レイセオン)

現在のエスパー国防長官が元レイセオン副社長なのは周知の事実だがアーミテージ
は別にレイセオンに勤めていたわけでもないし、他もほとんどそう。
こじつけだね。

4. 2020年1月08日 13:54:00 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[4073] 報告
藤原直哉「米属国政策の終了」
.
新 ch政経
2020/01/07 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=5H1A2r6C0UY
5. 2020年1月08日 19:00:41 : 6nRcL5HbW2 : MENLU1NzU2FtdFE=[271] 報告
困るのだ イラン・サウジの 仲直り
6. 2020年1月09日 01:38:41 : dlUYyBYpfk : V0NSOFdsR2tReUU=[34] 報告
もうボルトンはいないよ。パール、ウォルフォビッツ、チェイニー、ラムズフェルド、ブッシュもいない。

一般のアメリカ人を戦争に駆り立てるのは難しい。911の効果も薄れてきた。

トランプは強気を装う役者ではあるが実際は撤退したい側の人間だ。ただ原油利権をアメリカが手放すことはしないしできない。戦争に負けることがそれを可能にする。

7. 2020年1月09日 05:53:20 : ZEpZjRC56Q : NGxhbk9qZHBlbUU=[127] 報告
スレイマニ司令官殺害は米国の戦略通りになる可能性が出てきた。。

イランの急進勢力を排除することができれば、イランと米国の関係も改善するだろう。

両国とも大人であれば、得るものがない全面戦争は避けられる。

8. てんさい(い)[1156] gsSC8YKzgqKBaYKigWo 2020年1月09日 17:15:40 : 0kUGInjLpY : ZUJoU1c2MzFGUzY=[164] 報告
◆イランを健闘させたトランプ(田中宇)会員版 
http://tanakanews.com/200109iran.php 

 【2020年1月9日】イラン上層部が勇気を出してやってみた米軍への報復攻撃は、トランプに黙認され、大成功に終わった。イラン政府は事前にイラク政府経由で、米政府にどこを攻撃するか伝えてきていたので、米軍はイランから飛んでくるミサイルを迎撃できたはずだ。しかし迎撃は行われていない。トランプが迎撃を命じなかったため、イランのミサイルは米軍基地の格納庫などの標的にうまく命中し、イランの強さを中東全域に知らしめることになった。「力こそ正義」と思われる傾向がある中東において、このイランの成功は非常に重要だ。トランプがイランの健闘を引き起こし、イランに力をもたせた。

9. 2020年1月09日 18:30:01 : TBMogv1vYk : MjFUbEJJOGhlRnM=[25] 報告
QAJのtwiiter情報発信者の方達、昨年遂行された「香港民主化クーデター」に参加している
学生活動家と被ってしまって、中にはトランプやおそらく背後で操縦しているネオコン強硬
陣営が彼らの他国への政権転覆や資産略奪や軍事攻撃を正当化する為に構築組織された
「洗脳アイテム」に引っかかってしまっているような印象が否めません

真の愛国軍人であったマイケル・フリンが、いまだに自身に掛けられた冤罪から解放されて
いない状況にあり、真の米国改革推進陣営に属する見られる関係者らはそのほとんどがトラ
ンプ政権から追放の憂き目に遭っているのですから、QAJが展開しているトランプ支持擁護
運動は、実質的にトランプの背後に控えているネオコン強硬陣営の戦略を後押ししている
に過ぎないことになります

トランプのイランに対する脅しが「人工地震兵器」や「航空機爆発墜落テロ」により実現し
イランの一般市民の大量殺戮に発展している現状、「反NWO」だとか「対悪魔」とか「対
カバール」とかのキャッチコピーで、そうした殺戮行為を正当化できる状況にはないように
感じます

グァンタナモ収容施設での軍事裁判と処刑や強制収容などの刑執行が実際に行われている
可能性が皆無のような情報に関しても、こういう裁判と処刑が秘密裏に行われているという
状況は、ドイツのゲシュタポやスターリン独裁当時のソ連のそれと被るわけで、そうした
システムを肯定的に受け止める思考自体、大変危険なような気がします

それはトランプが米国陣営にとって不都合な真実、事実に公に全く言及しないというズルさ
とも密接に関わっていることであり、現実に肯定できない、受け入れられない反人道的な
行為が明らかにされても、そこに「反NWO」や「対悪魔」や「対カバール」という意味を
与え、「正義」が為されたと肯定する姿勢は、上記のファシスト勢力や偽装共産主義勢力が
一般民衆を服従支配する上で大変好ましいあり方なのではないでしょうか

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