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エプスタインが死んで4カ月を経た現在、彼の死も彼の犯罪も調査が進んでいない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201912070000/
2019.12.07 櫻井ジャーナル
未成年の男女を欧米の有力者に提供する一方、その証拠を利用して脅し、コントロールしていたというジェフリー・エプスタインが拘留中に死亡したのは8月10日のことだったが、この死についても、彼が行ったとされる犯罪、その背後にある情報機関の工作、その情報機関を動かしている私的権力についての調査は進んでいない。
エプスタインが死ぬ前日に同房者はほかへ移動、問題の瞬間における監視カメラの映像は利用できない状態で、彼が死んだ時に担当の看守ふたりは過労で居眠りしていたとされている。
この説明が不自然だということもあり、口封じの為に殺されたと考える人は少なくない。シリアのバシャール・アル・アサド大統領も11月14日にロシアのテレビ局のインタビューで、エプスタインはアメリカやイギリスをはじめとする各国要人の秘密を知りすぎていたので殺されたと語っている。
それに対し、アメリカの公式見解では自殺とされ、ウィリアム・バー司法長官もその見解を支持している。長官は存在しないはずの監視映像を調べたらしい。
他殺だということになると実行犯は誰なのか、なぜ殺したのか、その背後関係はどうなっているのかといったことを調べざるをえなくなる。少なくとも報告しなければならない。現在、アメリカでは権力抗争が激しくなっているが、そうした調査は権力システムそのものを揺るがすことになる可能性が高く、避けたいだろう。
エプスタインの死因がどうであれ、彼の行っていたことは調べねばならないのだが、その調査が真剣に行われるようにも見えない。すでにビル・クリントン、ドナルド・トランプ、イスラエルの首相だったエフード・バラク、ハーバード大学のアラン・ダーショウィッツ教授、そしてイギリスのアンドリュー王子などの名前がエプスタインの「友人」として挙がっているのだが、それだけではないだろう。アサド大統領が言うように、アメリカやイギリスをはじめとする各国の要人だ。
すでに本ブログでも書いたことだが、エプスタインは今回と同じ容疑で2005年に逮捕されている。少なくとも未成年者に対する性的な犯罪であり、人身売買とも言えることが行われてきた。重大な犯罪のように思えるが、処罰は軽かった。
その時に事件を地方検事として担当したアレキサンダー・アコスタによると、エプスタインは「情報機関に所属している」ので放っておけと言われたという。
エプシュタインだけでなく、彼の妻だったギスレイン・マクスウェル、そのの父親であるミラー・グループの総帥だったロバート・マクスウェルはイスラエルの情報機関のエージェントだったと言われている。
その情報機関は「モサド」だと言われることが多いが、かつてイスラエル軍の情報機関の中枢にいたアリ・ベンメナシェによると、ロバート・マクスウェルはイスラエル軍の情報機関に所属、娘のギスレインやエプスタインも同じだという。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019)
このロバートは1960年代からイスラエルのために情報活動を続けていたと言われ、イラン・コントラ事件やソ連消滅の際にも名前が出てくる。そのロバートはソ連消滅の直前、1991年11月にカナリア諸島沖で死体となって発見された。
若い女性や男性を提供し、その事実を恫喝に使うという仕組みはエプスタインの前から行われていた。前任者と考えられているのは赤狩り時代にFBIのJ・エドガー・フーバー長官とジョセフ・マッカーシの間に入っていた弁護士のロイ・コーン。立場はマッカーシーの法律顧問だった。後にトランプの顧問弁護士になる人物だ。
コーンは禁酒法時代に密造酒で大儲けしたルイス・ローゼンスティールと「親子のように」緊密な関係にあり、犯罪組織のガンビーノ・ファミリーのメンバー、例えばジョン・ゴッチとも緊密な関係にあったとされている。
ローゼンスティールの同業者で親しい間柄だったのがサミュエル・ブロンフマン。その息子であるエドガー・ブロンフマンもイスラエルの情報機関とつながっていた、あるいは動かす立場にあったと言われている。
エプスタインの事件は強大な私的権力が世界を操る仕組みを暴く突破口になる可能性がある。フランクリン・ルーズベルトの定義によると、私的権力が世界を操るシステムはファシズムであり、民主化するためにはそのシステムの実態を暴き、破壊しなければならない。
エプスタインの犯罪行為を3年前にアメリカのネットワーク局ABCは知っていたことが明らかにされている。アンドリュー王子やクリントンらとの関係を強要されていたという女性の告発を聞いていたのだ。その告発者は裏づけになる写真を持っていたという。その告発は握りつぶされた。私的権力が世界を操るシステムを揺るがすような「報道」は許されないのだ。
ウォーターゲート事件で活躍したカール・バーンスタインは1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」というタイトルの記事をローリング・ストーン誌に書いた。ワシントン・ポスト紙では書けなかったということだろう。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)
その記事によると、20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、そのうち200名から250名が記者や編集者など現場のジャーナリストで、残りは、出版社、業界向け出版業者、ニューズレターで働いていた。また1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。
しかし、その後、有力メディアの所有者は一部に集中、プロパガンダ色は濃くなっている。2001年9月11日以降、そうした傾向は強まり、今では「報道」から事実を探し出すことが難しくなっている。
偽情報を流しているわけだが、そうした実態を明らかにする情報を潰すことにも熱心だ。そうした作業を彼らは「ファクト・チェック」と呼ぶ。
そうした有力メディアが封印してきたアメリカ支配層の悪行を明らかにしたウィキリークスは攻撃されてきた。その創設者のひとりであるジュリアン・アッサンジはイギリスで拘束され、重大犯罪の容疑者が収容されるベルマーシュ刑務所へ入れられている。その重罪犯罪とは、アメリカの支配層にとって都合の悪い情報を公表したことだ。
その刑務所でアッサンジを尋問しているアメリカ人は国防総省、FBI、CIAに所属している人びとだと言われ、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されていると伝えられている。これを使うと幻覚を生じさせ、現実と幻覚を混乱させるほか、昏睡、物忘れなどを含む意識障害、あるいは運動失調症を引き起こすという。
現在、アッサンジは法廷で自分の名前を言うこともままならない状態のようで、検察官がアメリカ大使館員の指示に従っている光景も見られたと報告されている。そうした状態のアッサンジを速やかに入院させるべきだとする嘆願書を80名以上の医師がイギリスの内務省に対して提出した。
アメリカの支配システム下では、「言論の自由が危ない」というような脳天気なことを言っていられる状態ではない。むのたけじが「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」が主催する講演会の冒頭で「ジャーナリズムはとうにくたばった」と語ったのは1991年のことだった。
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