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ウクライナでは破産を前提にした資産略奪計画が練られている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201912010001/
2019.12.02 櫻井ジャーナル
ウクライナは2020年の終わりから21年にかけての時期に破産するだろうと言われている。それを前提とすると思われる動きも見られる。
2014年2月のクーデターで排除されたビクトル・ヤヌコビッチ大統領は国の破綻を避けるため、ロシアに接近していたが、それに怒った西側の支配層はヤヌコビッチ排除に乗り出した。クーデターの実行部隊はネオ・ナチが主力だが、そのネオ・ナチを動かしていたのはバラク・オバマ政権のネオコンだ。
西側の支配層がウクライナを破綻させる理由はいくつかあるが、そのひとつはカネ儲け。国の破綻は大儲けのチャンスだ。1991年12月にボリス・エリツィンによって消滅させられたロシアはその後10年にわたって略奪され続け、大多数の人びとは貧困生活を強いられた。その一方、クレムリンの腐敗勢力と手を組んだ西側の支配層は大儲け、その支配層の手先になったロシアの一部も巨万の富を築き、「オリガルヒ」と呼ばれるようになる。
そうしたロシア国内の略奪グループの中心にはエリツィンの娘であるタチアナがいた。この人物はウラジミル・プーチンが2000年に解雇するまで大統領顧問を務めている。アル中状態で執務できなかったと噂されている父親に代わり、タチアナがクレムリンを仕切っていたとも言われている。
ロシアを食い物にしてきたタチアナ人脈の中で最も重要な人物だとも言われているのがアナトリー・チュバイス。ソ連が消滅する直前からエリツィンの側近として経済政策を策定、その背後にはハーバード大学教授のジェフリー・サックスがいた。この教授はジョージ・ソロスの友人としても知られている。サックスの下で働いていたソロスの友人、エゴール・ガイダルはエリツィンの側近になる。
エリツィン時代にチュバイスとガイダルに命令していた人物がラリー・サマーズ。ハーバード大学教授、世界銀行の主任エコノミスト、財務次官、財務副長官を経て1999年7月から2001年1月まで財務長官を務めている。その後ハーバード大学の学長に就任した。サマーズがロシア工作のために雇ったデイビッド・リプトンとジョナサン・ヘイはCIAのエージェントだ。
プーチン体制になって略奪グループの力は弱まったが、この人脈が消えたわけではない。現在でも経済、金融の分野では大きな影響力を維持していると言われている。「プーチン後」を懸念している人が少なくないのはそのためだ。
2014年2月以降のウクライナではエリツィン時代と似たようなことが引き起こされた。ウクライナ国民の資産は略奪され、国外へ持ち出されたのだが、そうした流出に使われたパイプの中にフランクリン・テンプルトン投資というアメリカの会社が含まれている。この会社を設立した人物の息子、ジョン・テンプルトン・ジュニアはバラク・オバマの選挙キャンペーンに多額の寄付をしていたことで知られている。
略奪されたカネをフランクリン・テンプルトンなど経由で国外へ持ち出し、そのカネでウクライナの資産を安値で買い占めようというわけだ。他の国でも同じだが、この仕組みの中で重要な役割を果たしているのがIMFである。
そうした不正行為をウクライナの議員が明らかにしはじめている。不正行為の舞台のひとつがオバマ政権で副大統領を務めたジョー・バイデンの息子、ハンター・バイデンが重役を務めていたブリスマ・ホールディングスという天然ガス会社だ。
その不正行為の捜査を検事総長として率いていたビクトル・ショーキンを解任させたことをジョー・バイデンは2018年1月23日にCFR(外交問題評議会)で自慢した。これをドナルド・トランプ大統領はウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との電話で口にしたのである。それをアメリカの民主党や有力メディアは問題にしている。
ウクライナ側の説明によると、検事総長を解任しろという圧力は2015年終わりから16年初めにかけての数カ月にわたったという。圧力をかけてきたのはアメリカ大使館で、その工作の黒幕はオバマやジョージ・ソロスが関係しているNABU(ウクライナ反汚職局)だという。
西側の支配層はウクライナを乗っ取るため、土地の私的な所有を認めるように要求している。ウクライナを破産させ、「担保」という形で奪おうとしているのかもしれない。ウクライナを完全な属国にできれば、第2次世界大戦の前にポーランドを含む中央ヨーロッパの親ナチ派が目論んだインターマリウムも現実味を帯びてくる。
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