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来年「桜の咲くころ」の中国習近平主席の国賓訪日に、反対の声が浮上している。
香港の民主化デモ弾圧、ウイグル収容所での人権蹂躙を行っている中国の行為に対し、習氏の天皇陛下との謁見とそれに続く天皇陛下訪中でお墨付きを与えてもいいのかという事だ。
そもそも、その他にも尖閣諸島周辺の領域侵犯や不透明な罪状で日本人の拘束をしている中、敢えて国賓待遇での訪日招聘をしたのは主に経団連の意向が強く働いたものだ。
安倍政権は、酷い悪化を経験した日中関係改善の好機と見て踏み込んだものと見られる。確かに、日本経済が対中輸出や中国進出に依存している割合は大きく、関係改善を図るのは現実政治を考えれば必要であった。
しかし、中国からの秋波は、米中が貿易戦争から覇権戦争へ移行しているのが明らかになりつつある中、対米牽制のため中国が日本にすり寄って来た打算的なものであり、状況が変われば一瞬のうちに掌を返すのは自明で、得られるメリットに対して踏み込み過ぎ、カードを切り過ぎた。
1989年の天安門事件後に天皇陛下訪中で、日本が世界に先駆け実質的に中国の人権蹂躙容認のメッセージを発し、その後の国際ルール侵犯許容も手伝って、中国の膨張を許しモンスターに成長させた事の二の舞を踏む事になる。特に、今回は米中覇権戦争の帰趨が定まらない中、更に致命的になる恐れがある。
習近平国賓訪日という最大の外交失政は防ぐ必要がある。しかし一旦国賓待遇で招聘した以上、政府がこれを取り消すことは現実的には難しいだろう。このままでは、安倍政権は、反対の声に耳を塞ぎ「粛々と」訪日を進める事になってしまう公算が強い。
これに対し、国会としては、超党派での「香港、ウイグル対中非難決議」で対抗するべきだ。
もしこれが可決したなら、恐らく訪日は取り消しか延期となるだろうが、仮に訪日すれば政府から面前で改善申し入れを行う事を定めて置く事により、最大外交失政を致命傷にする事を辛うじて避けられる。
外交の要諦は、「国際的大義を伴う長期的国益の追求」に他ならない。
今回の習氏国賓訪日は、人権無視という面で国際的大義を、領土問題や経済的メリット等という面でも長期的国益を著しく毀損する(経団連会員企業の経営者任期に見合う程度のメリットは有るのだろう)。
与野党有志の決起を期す。
佐藤総研 http://blog.livedoor.jp/ksato123/
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