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暴力的な恫喝で世界を支配しようとしている米国の手法に限界
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2019.11.24 櫻井ジャーナル
アメリカ支配層の好戦派は暴力的に世界を屈服させようとしているが、それは強さでなく、経済的に弱体化していることの裏返しにすぎない。
アメリカ海軍はここにきて南シナ海で活発に動いている。例えば11月12日に巡洋艦チャンセラーズビルに台湾海峡を航行させ、対抗して中国海軍は17日に空母艦隊を台湾海峡へ派遣。20日には沿海域戦闘艦のガブリエル・ギフォーズを南沙諸島の近くへ、また21日には駆逐艦のウェイン・E・メイヤーを西沙諸島の近くへ派遣して中国を挑発した。
南シナ海で軍事的な緊張が高まる中、アメリカ議会は香港の反中国派を支援する目的で「香港人権・民主主義法」という反中国人法を通した。
反中国派の活動は香港で広がらず、過激化。建造物を破壊、交通機関を止め、石や火炎瓶を投げるだけでなく活動を批判する市民に可燃性の液体をかけて燃やして大やけどを負わせ、洋弓で矢を射るということも行うようになったのだが、その一方で孤立していった。ここにきて活動は封じ込められたようだ。次の一手としてアメリカは反中国人法を成立させようとしている。ロシアに対して行った手口と同じだ。
このブログでは繰り返し書いてきたが、香港の反中国派はアメリカのネオコンと連携している。黄之鋒(ジョシュア・ウォン)、羅冠聰(ネイサン・ロー)、周永康(アレックス・チョウ)などが前面に出てくるが、そうした若者の後ろには元王室顧問弁護士の李柱銘(マーチン・リー)、メディア王と呼ばれている新自由主義者の黎智英(ジミー・リー)、香港大学の戴耀廷(ベニー・タイ)副教授、あるいは陳日君(ジョセフ・ゼン)、余若薇(オードリー・ユー)、陳方安生(アンソン・チャン)などがいる。アメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6がその背後で暗躍していることも秘密ではない。
反中国運動を支えているのは法輪功というカルトだとも指摘されている。このカルトが出現したのは1992年。その教義は仏教と道教を合体したものだとされているが、創始者の劉振営はキリスト教の福音主義者で、「エルサレムへ戻ろう」という運動を行っている。
この団体は反コミュニズムでも有名で、アメリカの支配層はその点を評価。アメリカの政府機関であるUSAGM(米国グローバル・メディア庁)から法輪功へ資金が流れているのもそのためだろう。
東アジアで中国やロシアへの締め付けを強めるためには、この両国との関係を強めてきた韓国を押さえ込む必要がある。11月22日に韓国大統領府はGSOMIA(日韓の軍事情報包括保護協定)を終了するという決定を停止すると発表したが、これはアメリカの圧力があったからだろう。
アメリカでは1980年代から企業が解体され、製造業は崩壊状態にある。公教育を破綻させたことで人の育成がままならない状態だ。アメリカの支配システムを支えているのは基軸通貨を発行する特権、軍事力、そして幻影を作り出す能力などだろうが、それも揺らいでいる。
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