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シリア、ロシア、トルコ、クルドの微妙な関係を利用して不安定化を図る米国
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201911200000/
2019.11.21 櫻井ジャーナル
トルコとの国境から30キロメートルの幅でシリア領に緩衝地帯を設けることをロシアのウラジミル・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がソチで決めたのは10月22日のこと。それにともない、クルドの武装勢力はその地域から撤退することになった。
しかし、非武装のクルド系住民は撤退する必要がなく、今でも住み続けている。11月1日からトルコ軍とロシア軍の合同パトロールが始まったが、その後、パトロール中の部隊が一部クルド系住民からの投石を受けているようだ。火炎瓶を投げる人もいるという。
シリアでの戦乱や2011年3月にアメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、トルコ、カタールなどがサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする武装集団を送り込んだところから始まった。それらは「ジハード」という看板を掲げている。
そのジハード傭兵は現在、イドリブなど一部に残っているだけ。2015年9月末にシリア政府の要請で介入したロシア軍に壊滅させられたのである。アメリカなどの侵略勢力は新たな手先が必要になり、目をつけたのがクルドだ。
ジハード傭兵は雇い主によっていくつかの系統に別れる。アメリカは自分たちの手駒をヘリコプターで救出、当初はアフガニスタンへ、その後はユーフラテス川沿いの油田地帯からイラク政府ににかけての地域へ運んだと見られている。
ジハード傭兵の一部はクルド軍に拘束されていたが、そのクルド軍は撤退する際にそうした傭兵を解放、トルコ軍とロシア軍で編成されたパトロール隊に対する襲撃に加わっている可能性が高い。
シリア政府にとってクルドはシリア人であり、敵ではないという立場だが、今でもクルドの一部がアメリカやイスラエルと連携していることは否定できない。そのクルドとトルコは歴史的に敵対関係にある。
当初はシリア侵略に加担したトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権だが、戦争が長期化してことで自国の経済が疲弊、戦争から離脱してアメリカからロシアへ乗り換えた。2016年6月にエルドアン大統領は前年11月のロシア軍機撃墜を謝罪し、7月13日には同国の首相がシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆する。
その2日後、トルコでは軍事蜂起(クーデター未遂)が引き起こされた。エルドアン政権はクーデターを試みたのはフェトフッラー・ギュレンの一派だと主張、アメリカでCIAに保護されている同派の指導者、ギュレンを引き渡すようにアメリカ政府へ求めているが、拒否されている。
それだけでなく、トルコ政府はクーデター計画の背後にアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたとも主張している。アメリカ政府がギュレンのグループを使ってエルドアン政権を倒そうとしたというわけだ。
本ブログでもすでに書いたことだが、トルコとの国境に近いラース・アル・アインでトルコ軍とシリア政府軍との間で激しい戦闘があったとも伝えられた。シリア政府は自らが支援を要請したロシアやイラン以外の国が送り込んだ軍隊を侵略軍と位置づけている。当然の主張だが、トルコ軍もアメリカ軍などと同じように侵略軍ということになる。
トルコとの国境近くに設定された緩衝地帯が不安定化し、トルコ軍が新たな作戦を始めた場合、シリア政府との関係は悪化し、ロシア政府も舵取りが難しくなる。アメリカの支配層はその辺を狙っているだろう。
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