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「弾劾公聴会」開始でなぜかトランプ支持率向上の謎
米国民は大統領の弾劾を望まない?
2019.11.20(水)
古森 義久
アメリカ
米下院公聴会で証言したヨバノビッチ前駐ウクライナ大使(2019年11月15日、写真:AP/アフロ)
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(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
11月13日、米国議会においてトランプ大統領の「ウクライナ疑惑」に関する弾劾公聴会が始まった。弾劾の是非を巡って政府高官が次々に証言したが、公聴会が始まってからトランプ大統領の支持率が上昇するという意外な現象が起きている。
同時に、一般米国民の間で「主要メディアが民主党と一体になり、トランプ大統領を攻撃している」という認識が増えたことを示す世論調査結果も報道された。民主党のトランプ大統領攻撃は、図らずも自らを傷つけるブーメランになってしまっているようだ。
皮肉な結果を示した全米世論調査
大手世論調査機関、米ラスムセンは、11月13日から始まった米国連邦議会下院でのトランプ大統領に対する弾劾調査の公聴会に合わせて、同大統領の支持率を測る世論調査を実施した。
ラスムセンの発表によると、11月13日にトランプ大統領の支持率は46%だったが、公聴会が終わった翌14日は48%へと上昇した。さらに15日は50%、週明けの17日も50%を維持した。
この間、下院の公聴会では11月13日にケント国務次官補代理(ウクライナ問題担当)とテイラー駐ウクライナ臨時代理大使がそれぞれ証言し、15日にはヨバノビッチ前駐ウクライナ大使が証言した。証言内容は、トランプ大統領に対する批判的な発言が多かった。
米国民多数派がメディアに不信感
これら公聴会の模様は、全米にテレビで放映された。ラスムセンの世論調査のタイミングは、米国の一般国民がテレビで公聴会の模様を見たり、その論評などを読んだりした時期に重なる。そのため、調査結果は今回の弾劾公聴会への一般米国民の最初の反応と捉えることができる。
ラスムセンは数ある米国の世論調査機関のなかで、大統領の支持率、不支持率を週末を除いて毎日調査する唯一の機関である。2年ほど前までは米ギャロップも大統領支持率を毎日調査していたが現在はラスムセン1社となった。調査を継続しているラスムセンが発表する支持率は信頼度が高いと言われ、2016年の大統領選挙期間中は、ラスムセンによるトランプ候補やヒラリー・クリントン候補の支持率調査結果が最も正確だったことが明らかにされている。
そのラスムセンの全米世論調査によって、弾劾で攻められる側のトランプ大統領の支持率が下がらず逆に上がるという皮肉な結果が示されたのだ。
米国民の多数派がメディアに不信感
1998年には民主党ビル・クリントン大統領に対する弾劾裁判が行われた。その際も、攻める側の共和党が支持率を減らし、次の上下両院議員選挙では大幅に負けたという実例がある。
ほとんどの記者は民主党支援?
米国の一般国民は大統領の弾劾を必ずしも好まない。その理由としては、民主主義の究極の執行手段である一般選挙で選んだ大統領を、選挙ではなく「弾劾」で解任する異常事態や手続き自体に抵抗を感じる人が多いからと指摘されている。
同じラスムセンが11月14日に実施した全米世論調査では、米国民のニュースメディアへの不信も明らかになった。
調査対象となった米国の有権者のうち53%が弾劾調査に関して「各メディアのほとんどの記者たちは、民主党側によるトランプ大統領弾劾を支援する報道をしていると思う」と答えた。「記者たちは単に事実を報道しているだけだと思う」と答えた有権者は32%に過ぎず、米国民の多数派がメディアへの不信感を抱いていることが改めて明らかとなった。
ちなみに「ほとんどの記者たちは民主党支援の報道をしている」と答えた人は共和党支持者のなかでは76%、民主党支持者では36%、無党派層では48%だったという。
同じ調査では、有権者の86%が「下院での弾劾調査についての報道を詳しく追っている」と答え、一般国民の弾劾への関心の高さを裏づけた。しかし、その関心の高さが必ずしもトランプ大統領への批判とはなっていない流れが、今回の世論調査結果で示されたというわけだ。
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2019.11.20(水)
The Economist
アメリカ 政治(英エコノミスト誌 2019年11月16日号)
11月15日、米下院の公聴会で証言する前駐ウクライナ大使(写真:AP/アフロ)
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11月13日午前8時には、米国連邦議会下院の歳入委員会室に通じる廊下に、すでに長い行列ができていた。公聴会は午前10時以降に開始予定であるにもかかわらずだ。
建物の入り口にはカメラが何台も据えられていた。議会のインターン(実習生)、ジャーナリスト、政治マニアなどが少しでもいい場所を取ろうと満員電車に乗っているかのごとく押し合いへし合いし、通り道を確保しようとする警察官は次第にいら立ちを募らせていった。
観客が待っていたのは、米国ではめったに見られない政治ドラマだった。
民主党はもう2カ月近く、大統領弾劾に向けた調査を非公開で進めてきた。その公聴会が文字通り公の場で行われることになった。
今後2週間、米国はドナルド・トランプ大統領のウクライナ疑惑についての証言を、証人本人の口から聞くことになる。
ウクライナの天然ガス会社の取締役だったハンター・バイデン氏――民主党の大統領候補指名争いの先頭を走るジョー・バイデン前副大統領の息子――を調査することをウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が発表するまで、ウクライナへの軍事援助を留保せよとトランプ大統領が命令したのではないか、という疑惑である。
これから開かれる一連の公聴会は、この疑惑について最もよく知っている人々の証言を国民が聞く唯一の機会になるかもしれない。
上院は共和党が支配しており、上院での弾劾裁判のルールは上院の投票で決められるからだ。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58295
米NSC高官「トランプのウクライナへの捜査要請は不適切」 弾劾調査で証言
2019年11月20日(水)11時27分
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トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾調査で、国家安全保障会議(NSC)でウクライナ問題を担当するビンドマン陸軍中佐(右)は19日、米大統領が選挙戦での対立候補の捜査を外国に要請したことは「不適切」だったとの認識を示した(2019年 ロイター/ERIN SCOTT)
トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾調査で、国家安全保障会議(NSC)でウクライナ問題を担当するビンドマン陸軍中佐は19日、下院情報特別委員会の公聴会で、米大統領が政敵の民主党バイデン前副大統領の捜査をウクライナに要請したのは「不適切」だったとの認識を示した。
この日は、ペンス副大統領の外交顧問を務めるジェニファー・ウィリアムズ氏も証言に臨んだ。2人はトランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領にバイデン氏親子を捜査するよう求めた7月25日の電話会談を傍聴しており、ともにトランプ氏の要求が本質的に国内政治に絡んでいるとの印象を受けたと述べた。
ビンドマン氏は公開証言で、「米大統領が外国政府に対し、米国民かつ政敵の捜査を要求するのは不適切」と指摘。「会談を傍聴していて耳を疑った。ある意味、対ウクライナ政策を巡って最も恐れていたことが起きているようでショックだった」と胸の内を明かした。
またウィリアムズ氏も会談内容は国内の政治問題に関わると感じられ、異常かつ不適切だったとした。
一方、元ウクライナ担当特別代表のカート・ボルカー氏も証言し、バイデン氏親子を巡る疑惑を米政府は追及すべきではなかったとの見解を示した。バイデン氏批判に「説得力はなかった」とも述べた。ボルカー氏はウクライナ政府に汚職捜査を公約するよう迫った米政府当局者の1人。
同氏は、バイデン氏の息子が役員を務めていたウクライナのガス会社「ブリスマ」に関する捜査依頼が、実際はバイデン氏への捜査要請だとは認識していなかったと言明。「後から考えれば、違和感を感じるべきだった。そうすれば私なりに異議を唱えていたはずだ」と述べた。
トランプ氏がウクライナは腐敗した国だと述べ、同国に批判的だったとも語った。
人格を攻撃
トランプ大統領はこれまで、ウィリアムズ、ビンドマン両氏をツイッターで「ネバー・トランパー(何が何でもトランプ氏を認めない人)」だと攻撃してきた。
ビンドマン中佐は公聴会に軍服姿で出席。大統領の弾劾調査で証言する公務員の「人格を攻撃」する行為は「非難に値する」と訴えた。ビンドマン氏の家族は40年前にソ連から亡命している。
同氏の証言中もホワイトハウスの公式ツイッターアカウントには同氏の見解を非難する投稿が行われた。トランプ氏の息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏はこれとは別に、ビンドマン中佐は「レベルが低い党派色丸出しの官僚で、それ以上ではない」とツイートした。
米当局者は匿名を条件に、ビンドマン氏に安全面での懸念があれば、家族と共に軍施設内に移り住む可能性があると明らかにしている。
一方、共和党の上院トップ、マコネル院内総務は、下院がトランプ氏を弾劾訴追した場合、上院で開かれる弾劾裁判で議員の3分2が賛成するとは「考えられない」とコメントした。
ロイター/イプソスの米国内の世論調査によると、トランプ氏弾劾への賛成は46%、反対派は41%と分かれている。
*見出しを差し替え、本文に内容を追加しました。
[ワシントン 19日 ロイター]
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/11/nsc-2.php
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