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世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
「共産主義は敵」中国への警戒を高める米国
2019/11/19
岡崎研究所
10月30日、ポンペオ国務長官は、ニューヨークで開催されたハドソン研究所のハーマン・カーン授賞式において、キッシンジャー元大統領補佐官等が出席する中、中国に関する演説を行なった。その概要を紹介する。
chelovek/CaoChunhai/Getty Images Plus)
・今日、トランプ政権の中心的課題として、中華人民共和国(PRC)からの挑戦がある。米中両国のシステムの基本的相違を無視することはもはや現実的ではない。このシステムの相違が米国の国家安全保障へ及ぼす影響は無視できない。
・我々は中国の台頭を後押ししてきた。時には、米国の価値や良識が犠牲になることもあった。北京と国交回復する際には、「台湾問題」を平和裏に解決することを条件に台湾との関係を見直した。天安門広場での虐殺や重大な人権侵害の後でさえ、我々は、しばしば直接人権問題やイデオロギーを持ち出すことを控えた。我々は、中国がWTO等の国際機関に加盟するのを手助けしたが、中国は市場改革等を約束しながら、ほとんど守らなかった。中国が南シナ海の領有権を主張しベトナムやフィリピンを脅した時、我々はすべき行動を取らなかった。我々は、長年、共産党中国がいつか民主化することを期待していた。が、我々は、中国がどのような変化を遂げるかを想像できなかった。
・中国に投資した米国企業の幹部らは、中国には議論の余地なく従わなければならなかったと言う。米中間に相互主義はなく、中国に赴く外交官や記者、学者等は、米国に来る中国人に比べ、ずっと自由がない。
・中国の国営メディアや政府の報道官は、米国の意図や政策目的を悪く捉え、米国人の中国や習総書記に関する見方を歪める。こういう悪しき結果は想像できた。秘密主義体制は、公平性、法の支配及び相互主義を尊重しない。
・今日、我々は、中国共産党が米国や米国の価値に敵対していることを認識した。中国は知的財産権を侵害して米国の製造業を弱体化させた。中国は、中国市場へのアクセスを盾に米国企業の表現の自由を脅かす。最近のNBAの例がそうである。
・中国は、非対称兵器を開発して米国の国家安全保障を脅かす。
・中国は、南シナ海や台湾海峡では、超法規的な領土や海洋の権利を主張する。
・中国共産党は、香港や新疆で見るように、自国民の人権を踏みにじっている。
・トランプ政権の国家安全保障戦略は、中国を戦略的競争相手と位置付けた。
・中国共産党は、マルクス=レーニン政党であり、闘争と国際支配に焦点をあてる。党の諜報機関等は、国際世論を中国に好意的に変えようとする。しかし、我々は表現の自由や自由で開かれた国際秩序を維持したい。
・中国の経済が成功することは好ましい。ただそれには、透明性、公平性、市場経済型競争性、相互主義等がなければならない。それらを前提に「第一段階の合意」に至るだろう。
・中国の軍事力は、その必要な防衛力をはるかに超えるものになっている。
・中国が平和で自由で人権を重視するようになることを願うが、今米国に必要なのは、ありのままの中国と付き合うことである。
参考:Department of State ‘Secretary of State Michael R. Pompeo remarks at the Hudson Institute’s Herman Kahn Award Gala, in New York City, New York, On October 30, 2019.’
10月24日のペンス副大統領の対中演説から1週間も経たないうちに、ポンペオ国務長官が、似たような対中演説を行なった。それも、1年前にペンス副大統領が「新冷戦」の始まりとも言われる対中演説を行なった時と同じハドソン研究所主催の会合においてである。
ポンペオ国務長官の演説は、ペンス副大統領のよりもずっと短く、内容もそれほど具体的ではないが、トーンは、中国に対して十分厳しいものである。今回、マルクス=レーニンまで出て来たのには驚いた。両演説に共通する特徴としては、中国のことを、?The Chinese Communist Party”、すなわち「中国共産党」としばしば呼んでいる点である。民主主義を国家の基盤に据えて標榜する米国にとって、共産主義は、真逆の概念である。共産党というだけで米国人にとっては敵の扱いとなり得る。この演説で中国が態度を変えるとは思えないが、今後もしばらく米国内では、対中警戒心は続くものと思われる。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17884
米中ウオッチ】流血の可能性、権威に挑戦、デモ支援口座、アビバ
笠原文彦
2019年11月19日 13:39 JST
米中を巡る主なニュースは以下の通り。それぞれの記事を読むには、青地のリンクをクリックしてください。
香港行政長官、理工大での平和的解決を希望−区議選は暴力停止次第
香港、多数の流血の可能性に懸念拡大−理工大のデモ隊を警察が包囲
覆面禁止巡る香港高裁の違憲判断、全人代常務委の権威に挑戦−新華社
HSBCが香港民主化デモ支援口座を閉鎖か、規制上の検査実施と広報
ポンペオ米国務長官、香港での暴力の拡大に「重大な懸念」
トランプ大統領は香港情勢について発言を−米共和党上院院内総務
中国のムードは悲観的、貿易取引で−CNBC記者がツイート
米国、ファーウェイ禁輸措置の猶予さらに90日延長−ロス商務長官
アリババ香港IPOは2.7倍応募超過、1200億円の信用取引融資ー報道
英アビバ、中国とシンガポール事業を保持へ−選択肢検証後
中国:10月の対中直接投資、前年同月比7.4%増−人民元ベース
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-19/Q17728T0AFB401?srnd=cojp-v2
中国のムードは悲観的、貿易取引で−CNBC記者がツイート
Ye Xie
2019年11月19日 2:45 JST
CNBCのユーニス・ユン記者は以下のようにツイート。米中通商協議に関する楽観的な見方が後退した。
貿易取引についての中国当局のムードは悲観的だと、政府関係筋が私に話した。トランプ米大統領が関税措置を撤回することはないと言った後、中国は困った事態に陥った。(中国は双方が原則合意したと考えていた。)協議はするが弾劾手続きや米国の選挙を理由に待つというのが現在の戦略だ。中国はまた、自国経済を支えることを優先する。
原題:From ‘Consensus’ to ‘Constructive,’ Fleeting Mood on Trade Talks(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-18/Q16BMJDWLU6E01
香港、多数の流血の可能性に懸念拡大−理工大のデモ隊を警察が包囲
Iain Marlow、Shelly Banjo、Natalie Lung、Annie Lee
2019年11月19日 8:56 JST
「数百人」がまだ大学に残っているとSCMP紙は報道
24日の地方議会選挙、実施できるか当局者からも悲観的な声
香港では、九竜地区にある香港理工大学に立てこもるデモ隊と、包囲する警察のにらみ合いが18日深夜も続き、警察の攻勢により多くの流血の事態につながるのではないかとの懸念が強まっている。
18日の衝突では、車両が炎に包まれるなどあちこちで火が燃え盛り、警察が催涙ガスでデモ隊に応酬するなどの光景が見られた。立てこもるデモ隊を支援しようと、理工大に向かう大勢の人々と警察の衝突もあった。
Police Tell University Protesters To Surrender After Violent Weekend Protests Shut Down City
尖沙咀で女性を拘束する警察官(11月18日)Photographer: Kyle Lam/Bloomberg
大学キャンパスの壁を乗り越え脱出に成功したデモ参加者もいたが、警察は周辺で多くの参加者を逮捕。参加者を警官が地面に押さえつけ、警棒でたたく様子も見られた。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、「数百人」がまだ大学に残っていると報じた。
18日夜、香港政府は大学に立てこもるデモ隊に投降するよう警告するとともに、市民にキャンパスに近づかないよう求めた。一方、抗議活動家は警察に対抗するため結集するよう呼び掛けた。
テレビに映る香港は金融の中心地というよりも紛争地帯の様相を呈し、香港政府政制・本土事務局の聶徳権(パトリック・ニップ)局長は記者団に、暴力のエスカレートにより24日に予定されている区議会(地方議会)議員選挙を「実施できる可能性が小さくなった」と述べた。
香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はフェイスブックへの投稿で、「警察は繰り返し訴えており、理工大キャンパスにいる者は耳を傾けるべきだ」とコメントした。行政長官は19日午前、週定例の記者会見を行う予定。
ポンペオ米国務長官は、香港における暴力の激化に米国として「重大な懸念」を抱いているとして、デモ活動を巡る事件の独立した調査を認めるよう行政長官に求めた。また、米議会のマコネル共和党上院院内総務はトランプ大統領に対し、デモ隊のために声を上げるよう促した。
原題:Hundreds Trapped in Hong Kong Siege, Raising Fears of Crackdown、Pompeo Calls on Lam to Allow Independent Probe: Hong Kong Update(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-18/Q16VUF6KLVR501
ポンペオ米国務長官、香港での暴力の拡大に「重大な懸念」
Natalie Lung、Iain Marlow、Annie Lee
2019年11月19日 6:59 JST
デモ巡る事件の独立した調査を認めるよう林鄭長官に呼び掛け
事態沈静化の責任を主として担うのは香港政府だとポンペオ長官
ポンペオ米国務長官は18日、米国は香港での暴力の拡大に「重大な懸念を抱いている」と述べた上で、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官に対し、デモ活動を巡る事件の独立した調査を認めるよう呼び掛けた。
ポンペオ長官はワシントンで記者団に対し、香港の騒乱では警察およびデモ隊の双方とも暴力は「許されない」とした上で、事態沈静化の責任を主として担うのは香港政府だと指摘した。
この発言に先立ち、ホワイトハウスは声明で中国政府に対し、「中英共同宣言の公約を守り、香港の自由と法制度、民主的な生活様式を守る」よう求めていた。
原題:Pompeo Calls on Lam to Allow Independent Probe: Hong Kong Update (抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-18/Q16PN46KLVR401
- ロシア人スナイパーが暗躍、プーチン、今度はリビアに展開 中東和平への望みを打ち砕く? トランプ政権 韓国メディア、「日米… 鰤 2019/11/19 18:41:04
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