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コラム2019年11月17日 / 08:17 / 1日前
止まらない世界の「都市化」、エネルギー消費急増に懸念
John Kemp
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[ロンドン 13日 ロイター] - 過去40年にわたる中国の都市化は、人類史上最大の民族大移動と表現されてきた。なにしろ数億人もの人々が村から街、そして巨大な都市へと移り住んだのである。
この人口移動に伴い、労働生産性と家計所得が大幅に上昇する一方で、中国は世界最大のエネルギー消費国へと変貌した。
もっとも、都市化は世界的な現象でもある。世界銀行のデータによれば、世界の総人口のうち、村落地域に暮らす人々の比率は1960年代初頭の3分の2から、昨年は45%まで低下している。
高所得国では例外なく都市化率が高い。都市化とエネルギー消費の増加、所得の上昇は歩調を合わせて進行する。
都市化によって地方の余剰労働力が吸収され、農地をより大規模で効率的な単位に再編しやすくなり、村落地域の生産性が向上する。
また、これまでより大規模な市場を生み出すことから、いっそう複雑な製造業・サービス業の発展が可能となり、都市の生産性はさらに向上する。
中国は恐らく、過去に先進諸国が歩んできた都市化の過程(国際連合「都市・村落の人口増大パターン」、1980年)を半分ほど進んだ段階にある。
中国に続いて、やはり多くの人口を抱え、急速に成長しつつある他の開発途上国が同じ都市化のプロセスに入りつつある。
こうした国々が中国同様、大規模な都市化への道を歩むなかで、国民1人あたりのエネルギー消費量も大きく増大しようとしている。
<中国の「民族大移動」>
中国の国家統計局によれば、この国の村落人口は1995年に8億6000万人でピークに達し、2017年までに5億7700万人まで減少した。
同じ時期、都市人口は3億5200万人から8億1300万人へと増えた。増加率は年平均3.9%になる。
中国では20世紀半ばから都市化がゆっくりと進んでいたが、1978年以降、改革・開放路線の開始とともに顕著に加速した。
それでも、2017年時点で人口の41%は村落地域で暮らしており、この比率は米国(17%)、英国(17%)の2倍以上である。
中国の現在の都市化水準は、米国勢調査局のデータと突き合わせると1950年代の米国とほぼ同じである。
経済開発協力機構(OECD)加盟国と同じ道をたどると想定すると、中国の都市化は今後20─30年は続く可能性が高い。
中流階級の水準に達する家計が増えるにつれて、都市化のプロセスにより今後も国民1人あたりのエネルギー消費量は大きく伸びていくだろう。
<エネルギー消費量の増加>
最近の歴史的な事例すべてにおいて、都市化と経済発展のプロセスに伴い、国民1人あたりのエネルギー消費量は大幅に増加している。
都市中心部の人口密度が高まることで、たとえば公共交通の利用増大や、より小規模でコンパクトな住居の利用促進などにより、エネルギー消費が減少する場面もあるだろう。
だが、人口密度の高まりと都市化によって生産性が上がると所得をが増え、冷暖房や照明、動力、交通などのエネルギー関連サービスへの総需要が増大する。
どの例を見ても、都市化の進行と、それに伴う可処分所得の多い中産階級の世帯数増加によって、正味のエネルギー消費は大きく増大する結果となっている。
さらに、人口密度の高まりと市場の集中化によって、ますます多様化するエネルギー集約型の財・サービスを提供しやすくなり、これが総エネルギー消費を引き上げる傾向もある。
1978年の改革開放路線の開始以来、中国国民1人あたりのエネルギー消費量は年4%以上のペースで増大している(世界銀行「世界開発指標」、2019年)。
蘭州大学の研究者によれば、2000年から07年にかけて、村落地域から都市地域に1人移住するごとに、年間の国民1人あたりエネルギー消費量は石炭換算で1000キロ以上増えた計算になるという(「中国の都市化における家計のエネルギー消費量及び炭素排出量に関する調査」 、2011年)。
中国の都市化が続くことで、今後数十年にわたり、国民1人あたりのエネルギー消費量は大きく増大する可能性が高い。
<中国以外の都市化はどうか>
インドの総人口に占める村落人口の比率は、1980年代の80%に比べれば低下しているとはいえ、依然として67%と高い。中国に比べれば都市化は大幅に遅れており、1880年代の米国とほぼ同じ水準だ。
中東・北アフリカ(35%)、サブサハラ・アフリカ(60%)、中央アジア(40─70%)、インドを除く南アジア(60─80%)、東南アジア諸国(25─65%)も、村落人口の比率が比較的高くなっている。
中国とOECD諸国の経験が参考になるとすれば、これらの地域・国でも、21世紀中盤を大きく過ぎても都市化が続く可能性が高い。
これはつまり、開発途上国でエネルギー消費量が大幅に増加することを意味する。だからこそ、今世紀半ばまでにあらゆる資源の消費量が増加するとみられているわけだ。
エネルギー需要の増大によって、化石燃料、クリーンエネルギーいずれも消費が増える。需要に応えるには巨額の投資が必要になる。そして二酸化炭素排出量の目標達成は非常に困難になる。
米政府、ファーウェイ禁輸猶予措置を2週間延長へ=関係筋
Reuters Staff
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[ワシントン 15日 ロイター] - 関係筋によると、トランプ米政権は、米企業に対し、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]との取引継続を認める措置を2週間延長する見通しだ。
同措置は前回90日間延長されており、今回はかなり短期の延長となる。より長期の延長に向け作業が進められているものの、規制面の問題などで確定していないという。
米商務省は5月にファーウェイを安全保障上の懸念がある企業リストに追加し、同社に対する事実上の禁輸措置を決定。その後、地方のネットワーク事業者などファーウェイの顧客への影響を考慮し、同社が一部の米製品を購入することを認めた。
関係筋によると、2週間の延長は現行の猶予期間が切れる18日に発表されるという。
ファーウェイの広報担当者は、うわさや憶測にはコメントしないとした。米商務省はコメントを控えた。
ロス商務長官は15日、FOXビジネス・ネットワークに対し、地方のネットワーク事業者は3Gと4Gネットワークでファーウェイに依存しており、一時的な猶予措置が必要だと指摘した。
商務省は、ファーウェイへの部品売却を認めるライセンスの申請が200件を超えていることを受け、米企業に対し個別にライセンスを付与することも検討している。
(翻訳:エァクレーレン)
https://jp.reuters.com/article/global-energy-kemp-idJPKBN1XP0VJ
コラム2019年11月17日 / 08:17 / 1日前
コラム:カナダで新たな分離独立運動、背景に「温暖化」
Rob Cox
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[モントリオール 12日 ロイター BREAKINGVIEWS] - カナダのケベック州モントリオールで今年11月9日、地下鉄プラス・デ・ザール駅のプラットホームにおいて不愉快な事件が発生した。南アジア系の女性がドミノピザの箱を抱えて乗り込んだところ、1人の男性が箱をたたき落とし、ピザが地下鉄車両の床にぶちまけられたのだ。
女性は怒りの声をあげたが、脱色して黄色に見える髪の男性は彼女に向かって中指を立てるしぐさを示し、出口へと急いだ。女性の表情は、驚愕から恐怖へと変わっていった。
「大丈夫ですか、知っている人ですか」との問いに、彼女は震えながら「いいえ、会ったこともありません」と応じた。
この事件はもちろん、少なくとも部分的には人種差別によるものだ。ショックなのは、それが予兆もなく不意に発生したということだけが理由ではない。世界に対して、とりわけ移民や難民に開放的であるという点で、他の民主主義諸国よりも先を行くカナダという国で起きたことが何よりも衝撃的なのだ。
同じ日、カナダで最も有名なホッケー解説者ドン・チェリー氏が、同国にやってきた新しい移住者は戦没者記念日の追悼の印として着用する赤いポピーの花を数ドル払って購入すべきだ、と示唆する発言をした。2日後、彼はテレビ番組「ホッケー・ナイト・イン・カナダ」の司会を降板させられた。
<息吹き返したアルバータ州の動き>
いくつかのエピソードだけで国全体を語ることはできない。だが、そこに現在のカナダの分裂状況が反映されていないとは考えにくい。
いま、同国では、エネルギー資源が豊富なエネルギー資源を持つアルバータ州と穀倉地帯であるサスカチュワン州を中心としたカナダ西部諸州で分離独立の動きが高まっている。いわゆる「ウェグジット(WEXIT)」を支持する人々が掲げる要求の1つが、移民流入の抑制だ。
しかし、彼らのより大きな不満は「経済」に対するものだ。ジャスティン・トルドー首相のもとで連邦政府が進める地球温暖化への取り組みに対し、石油資源に依存する州民の反発が強まっている背景もある。
カナダが国家分裂の試練を経験するのは初めてではない。ケベック州の分離独立に向けた動きは、1995年の住民投票において僅差で却けられた。アルバータ州でも、1905年に州となって以来、エネルギー政策や税制に関連して、繰り返して分離独立の問題が持ち上がっている。アルバータ州出身のスティーブン・ハーパー首相が政権を握っていた時期には同州の分離独立運動は沈静化していたが、トルドー政権になってから、その動きが息を吹き返した。
先週発表されたイプソスによる世論調査によれば、分離独立する方がアルバータ州は豊かになると考える住民は、わずか1年強前の25%に対し、現在は3分の1に達している。
<独立すれば世界最悪の環境汚染国に>
主な争点はカナダのエネルギー政策、より具体的にはアルバータ州で産出するタールサンドである。州政府によれば、石油埋蔵量としてはベネズエラ、サウジアラビアに次ぐ世界第3位の規模だという。関連の産業は、2017─18年に14万人を雇用し、ロイヤルティ収入として26億カナダドルを生み出した。ただし厄介なことに、タールサンドからの石油抽出には高いコストがかかる。輸送費を考え合わせれば、タールサンドは大規模なエネルギー資源としては世界で最も効率が悪いとも言える。
その上、さらに、有害物質の発生という問題がある。タールサンドからビチューメン(瀝青、超重質油)を抽出するには、実質的に、熱湯と化学物質によってタールサンドを溶かすことになるが、これによって有害な残留物が生じる。国家資源防衛委員会は、「抽出から廃棄物貯蔵に至るまで、タールサンドによる石油生産プロセスは悲惨な状況を生み出している」と主張している。
カナダ・グローバル・ニュースが引用する2019年版「ワールド・ポピュレーション・レビュー」によれば、結果として、アルバータ州は住民1人あたり62トンの二酸化炭素を発生させたことになる。これに対し、サウジアラビア国民は1人あたり約17トン、米国民は1人あたり16トンである。この指標で見れば、アルバータ州が分離独立すれば、住民1人あたりの環境汚染が最悪の国ということになってしまう。
それでも、政党化をめざす「ウェグジット・カナダ」の指導者ピーター・ダウニング氏は怯まない。英国のブレグジット(欧州連合からの離脱)運動のリーダー、ナイジェル・ファラージ氏のカナダ版とも言えるダウニング氏は、ウェグジット・カナダ政党は、アルバータ州だけでなく、サスカチュワン州、マニトバ州、さらにはブリティッシュ・コロンビア州の一部からも支持を得られるはずだと話している。
イプソスの世論調査によれば、フランス語圏であるケベック州では今も分離独立に26%の支持が集まるが、アルバータ州以外におけるウェグジット運動への支持は、実のところサスカチュワン州で1年前の18%から27%に上昇したのが目に付く程度だ。
今のところ、マニトバ州やブリティッシュ・コロンビア州では支持は広がっていない。
<石油産業とどう生きるか>
アルバータ州のジェイソン・ケニー首相は先週、州内の対立を意識し、連邦政府からの権限回復の道を探る組織として「フェア・ディール・パネル」を創設した。検討の内容としては、カナダ年金制度からの離脱、州警察部隊の創設、エネルギーセクター規制やトランスマウンテン・パイプライン拡張工事の延期といったトルドー政権に対する反撃などが考えられる。
ケニー州首相は連邦主義者を自称している。とはいえ、連邦政府や、トロントやモントリオールのいわゆる「東部エリート」に対する怒りの噴出を抑えつつ、オンタリオ、ケベックというカナダで最も人口の多い州と反目せずにいるというのは容易ではなかろう。
ダウニング氏は、フェイスブック内で26万5000人のフォロワーを抱える「VoteWexit(ウェグジットを支持しよう)」と題するページで、ケニー首相の「パネル」に関して、先行きは困難であるという見通しを示した。「トルドー首相はアルバータを破壊する構えだ。それなのにケニー氏は、この先6カ月じっくりと研究すると言う。問題を解決するのは分離独立だけだ」。
結局のところ、この議論は、カナダ国民が自らの経済的将来についてどう考えているかという点に帰着する。石油資源の抽出が地球温暖化の元凶だとされる時代にあって、石油産業とカナダはどうやって繁栄していくのか。
化石燃料の利用を削減したいと政府が考えるならば、その移行を穏やかなものにするような経済的解決を見出さなければならないだろう。イプソスの世論調査によれば、アルバータ、サスカチュワン両州住民の過半数は、連邦から公平な分け前を得ていないと考えているが、恐らくそうした見方を覆すような解決策が必要だろう。
海面の上昇が沿岸部の土地を侵食していくような温暖化が進む未来において、ロシアに次いで世界第2位の面積を持つ国土にわずか3800万人が暮らすカナダが活気ある経済を維持していれば、ほぼ確実に、移民の流入を促すことになる。モントリオール地下鉄の1件でも分るように、移民の流入はすでに対立の原因となっているが、それがはるかに大きなものになりかねない。
カナダやその南に接する米国のように、まだ歴史が新しい国々が小規模な主権国家に分裂していくかもしれないという予測は、ひどく極端なものに思えるかもしれない。だが、気候変動の影響は国家の存亡にも関わる課題となり、友好的な隣人同士を容易に分断してしまう可能性がある。アルバータ州の動向からは今後も目が離せない。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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(翻訳:エァクレーレン)
https://jp.reuters.com/article/canada-politics-breakingviews-idJPKBN1XO0QR
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