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トランプに対するクーデターが成功すれば、アメリカ民主主義が破壊される
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2019年11月 9日 マスコミに載らない海外記事
2019年11月7日
Paul Craig Roberts
トランプ大統領は魔女狩りと呼んでいるが、本当はアメリカ民主主義に対するクーデターだ。トランプが弾劾されるのを望んでいる民主党員はこれが分かっていない。彼らはトランプが好きではないので、弾劾されるのを期待しているにすぎない。もし選挙で選ばれた大統領に対するクーデターが成功したら、将来のあらゆる大統領は、「沼地をさらおう」としたり、支配層エリートに受け入れがたい何らかの変化を実現しようとしたりすれば、自分も破壊されるのを悟ることを、トランプ弾劾を主張する人々は分かっていない。本当の変化を望む有権者も同じメッセージを受けとり、有権者に対応する大統領や下院、上院議員を選ぼうとするのをやめるだろう。それは民主主義、説明責任がある政府の終わりを意味するだろう。闇の国家と、それと手を結んだエリートによる制約を受けない支配が民主主義にとってかわるだろう。
進歩派がこれを理解していないのは残念だ。進歩派は、本当の変化と、トランプ弾劾を望んでいるが、この二つの願望は、お互いに矛盾している。
トランプ弾劾を要求する群衆の中には、失敗したでっちあげロシアゲートに代わって、トランプに対してでっちあげられた主張に注意を払っている人々は、いるとしてごくわずかだ。彼らは主張が一体何なのか、あるいはそれがでっちあげなのかどうかには全く何の関心もない。トランプ嫌いだけで十分なのだ。
とは言え、でっちあげられた主張を検討しよう。
そもそも、内部告発者とされている人物は正当な内部告発者ではない。彼は、出来事を画策する一カ月前に、下院情報特別委員長アダム・シフと会っていた受け売りの告発をしているCIA職員エリック・チャラメラだ。ジョー・バイデン副大統領がウクライナとの交渉代表者だった時、チャラメラはオバマのスタッフを勤めていた。チャラメラは「ロシアゲート」の設計者であるジョン・ブレナンCIA長官や、ウクライナ当局者にトランプ大統領の醜聞を見つけ出すよう奨励した民主党全国委員会の工作員とも働いていた。
こうした全てや、更に多くのことから「内部告発者」は証言するのを辞めたのだ。
必死で代わりの人物を探した民主党は、ウクライナへの軍事援助と対ロシア強行路線を好む経歴に傷のある官僚たちを思いついた。欧州連合大使ゴードン・ソンドランドが、ウクライナへのアメリカ軍事援助は、ジョー・バイデン副大統領が終了していたウクライナ企業ブリスマの調査を、ウクライナが再開するのを条件としていたと言ったと、ウィリアム・テイラー駐ウクライナ代理大使が主張している。ブリスマはバイデンと彼の息子に約175万ドル払った企業だ。
テイラーは、もう一人の官僚ティム・モリソンが、ソンドランドがゼレンスキーの補佐に「見返り」を伝えたと彼に言ったと主張している。
ソンドランドはテイラーとモリソンの主張を否定している。
国家安全保障会議に勤める、ウクライナ生まれの狂信的反ロシアの陸軍中佐アレクサンダー・ヴィンドマンも、ほとんど無価値の、信ぴょう性が確認できない見返りの主張をしている。トランプ大統領のウクライナ政策が、ヴィンドマンが好むものと違いがちなのが、彼の動機のように思われる。
これがトランプに反対する主張の程度だ。ウクライナのゼレンスキー大統領が見返りはなかったと公的に述べており、公表されたトランプ- ゼレンスキー会話の記録にも、何の見返りもないことを考えると、驚くほど薄弱だ。
次は、見返りとされているものの問題だ。議論の双方全員が、全く再考することなく、もし見返りがあれば、当然弾劾を正当化するのに十分不快な犯罪行為があったのだ考えているように見える。これはまったく無知なたわごとだ。
見返りはアメリカ外交政策に特有で、常にそうだった。アメリカ政府はジュリアン・アサンジ亡命を無効にするのと引き換えに、レニン・モレノ・エクアドル大統領に42億ドルのIMF融資を申し出た。モレノは取り引きに応じた。
https://www.globalresearch.ca/assange-bought-4-2-billion-former-ecuadorian-president-confirms-imf-loan-exchange-assange/5674374
ワシントンはベネズエラ軍にマドゥロ大統領を打倒する資金を提供した。軍は申し出を拒絶した。
多くの例がすぐ頭に浮かぶ。研究すれば本にするほど大量のものが見つかるはずだ。
アメリカ大統領が諸国に課する制裁とは何だとお考えだろう? ワシントンの取り決めを受け入れないことに対して、ワシントンが課す処罰だ。
アメリカの行政府とウクライナ大統領との間の見返り取り引きについては、バイデンの息子ハンターを役員会に入れて、アメリカによる保護を買った企業ブリスマの汚職を調査していたウクライナ人検察官を解雇させたとジョー・バイデン副大統領が自慢しているのだ。検察官を解雇するか、それともアメリカ援助10億ドルを失うかを決めるのに、ウクライナ大統領に6時間の猶予を与えたことを、ジョー・バイデンは外交問題評議会CFRで自慢しているのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=KCF9My1vBP4
https://www.dailywire.com/news/ukraine-prosecutor-that-biden-got-fired-says-he-was-told-to-back-off-investigation-report-says?utm_medium=email&utm_campaign=Actengage
https://thehill.com/opinion/campaign/463307-solomon-these-once-secret-memos-cast-doubt-on-joe-bidens-ukraine-story
当時バイデンはアメリカ副大統領で、現在、民主党アメリカ大統領候補者指名の主要候補なのだから、トランプが訴えられているもののかどで、彼は明らかに有罪だ。なぜトランプだけ調査対象になるのだろう? 単に疑われたり主張されたりしているだけの犯罪が、大統領を弾劾するのに十分なら、なぜ、既知の、自認し、自慢した犯罪が、バイデンが大統領になるのを不適格とする理由にならないのだろう?
これほど明白な問題は討論の話題になるはずだと思いたくなる。だが売女マスコミや民主党や共和党からは一言もない。
最後に、内部告発者法の問題がある。信頼できる筋から私に送られたこの解釈が、もし正しければ、内部告発者の主張とされているものには法律的に根拠が存在しないのだ。
https://www.paulcraigroberts.org/2019/09/30/the-whistleblower-complaint-is-an-orchestration-not-in-compliance-with-whistleblower-law/
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/11/07/a-successful-coup-against-trump-will-murder-american-democracy/
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