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2019年10月30日 / 13:07 / 4日前
ブログ:
ロンドンの街角に疲労感、「離脱の議論はもう十分」
Hannah McKay and William Schomberg
6 分で読む
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[ロンドン 25日 ロイター] - 13歳のときからロンドンの街角で花を売っているビル・エリオットさんにとって、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)にかける期待はしぼみつつある。
ブレグジットに投票した露天商のエリオットさんは56歳。透明なラッピングから花束を取り出しながら、「正直なところ、少し諦めつつある。時間が掛かりすぎている」と話す。「今やブレグジットを実現するためには、どれほど不利な条件でも飲まなければならないように思える」
エリオットさんの生活の糧は、オランダの栽培農家から英国に輸入される花だ。サウスロンドンの住民が「欧州で最も長い大通り」と主張するストリータム・ハイロードの街角でその花を売るのが彼の仕事である。
経済への打撃を緩和するための移行措置の取り決めなしに英国がEUを脱退する、いわゆる「合意なき離脱」では、ロンドンの花き卸売市場に短期的な混乱が生じかねない。
だがエリオットさんは、それだけのリスクを負う意味はあるかもしれない、と言う。「ときどき思うのだが、とにかくきっぱりと別れて、その先5年間、我が国の経済がどうなるか見てみるべきではなかろうか」
「個人的には、EUはすでにその役割を終えたと思う。あまりにも多くの国が(EUから)利益ばかり得ようとして、貢献はしていない。ブレグジットが成功すれば、EUは長くは持たないだろう」
英国の有権者が史上初のEU脱退を選択することで世界に衝撃を与えてから3年4カ月が経過したが、脱退の方法や、そもそも脱退の是非をめぐって、国内は依然として割れている。
ボリス・ジョンソン首相は以前、10月31日の離脱期限の延長を要求するくらいならば「のたれ死んだ方がマシ」と話していた。この期限自体、2度の延期によるものだ。
だが、どうやらジョンソン首相にはもっと時間が必要になりそうな気配だ。
<「残留」派の拠点>
ストリータムで暮らす多くの有権者にとって、EU離脱は、国民投票が行われた2016年6月当時とまったく変わらず懸念すべきことだ。
この地域の大半はランベス特別区に属しているが、同区は有権者の5人に4人近くがEU残留を支持したという、英国で最も残留派が強い地域である。その背景には、ストリータムの多彩で多文化的な人口構成がある。
スペイン生まれだが子どもの頃から英国で暮らすジュディス・ペレスさんは、ブレグジットによって、他の欧州諸国で学び働くことを望む英国の若者にとって機会が減少してしまうことを心配している。
ペレスさんによれば、彼女の友人数人は、国民投票以後、すでにロンドンを離れ、ベルリンやバルセロナ、その他のスペインの都市に移ってしまったという。
中古の衣料品や書籍、CDを販売するチャリティショップで働くペレスさんは、「もちろん、EUだって完璧ではない。失業率も高い」と話す。
「けれども、誰もがEUの一員だ。私が初めてこの国に来たとき、どんなだったかを覚えている。それほど良い環境だったわけではない。でも、今ははるかに良くなっている。私たちは今、前進しているのではなく、逆戻りしている」
<「跳ね橋を上げる」行為>
16歳の時にジャマイカからロンドンに移住してきたカフェレ・フェアマンさん(54)にとって、ブレグジットには別の懸念がつきまとう。国境管理の厳格化を背景に人種差別が激しくなることへの恐れだ。
陽射しのなか、大通りに面したバーの店頭に置かれたテーブルでプロセッコを飲みながら、「現状でも、黒人が旅行するときには十分トラブルがある」と彼女は言う。
ストリータムにある教会の1つに所属するアンナ・ノーマンウォーカー牧師によれば、彼女の教区で暮らす人々の政治的見解はさまざまだが、共通の人間性に対するキリスト教信仰は、ブレグジットに伴う混乱によって少しも損なわれていないという。
「ストリータムで暮らすことで、普遍的で多様な、そして素晴らしいコミュニティが得られている。世界がバラバラに細分化され、跳ね橋を上げた状態へと駆け足で戻っていこうとするようで、人々は悲しんでいる」と彼女は言う。
ペンキ塗り用のハケやドリル、のこぎりなどが山積みされたDIYショップ「ADSワン」で働くブライアン・ワトキンスさん(58)は、離脱に賛成票を投じたという。だが今では、ブレグジットで英国が巨額の資金を節約できるという主張に騙されたと考えている。これは、2016年の離脱派が掲げた主要な論点の1つだった。
英国民の大半と同様に、ワトキンスさんも、国会議員らが今後の針路について八方塞がりになっている現状では、ブレグジットの結果がどうなるか見当もつかないと話す。
「どうやらまた3カ月先延ばしになりそうだし、その後さらに6カ月7カ月と延びていかないと誰が言えるだろう」とワトキンスさんは語る。「残留した方がいいのかもしれない。議員たちは、我々を離脱させようとはしていないではないか」
(翻訳:エァクレーレン)
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コラム2019年11月1日 / 12:46 / 1日前更新
コラム:英のEU離脱問題、総選挙で結論出るのか
Peter Thal Larsen
3 分で読む
[ロンドン 30日 ロイター Breakingviews] - 英国の欧州連合(EU)離脱を巡って暗礁に乗り上げた事態を、総選挙で打破する――。英議会は29日夜、12月12日の総選挙実施を圧倒的多数で可決し、こうした結論を出した。ただ有権者がきちんと答えを示してくれるかは不透明だ。選挙でブレグジット(英のEU離脱)の方向性が出てくると期待している政治家は、再び戸惑いを覚えるかもしれない。
少なくともジョンソン首相には、過去5年弱で3回目となる総選挙に踏み切る明確な目的があり、下院議員団に「今こそ国が1つになり、ブレグジットを成し遂げる時だ」と訴えた。同氏は、自身がまとめた離脱協定案を少数与党の議会のまま実現させようとするよりも、国民の負託を得る方が望ましいとの考えに行き着いた。世論調査も同氏の方針の正しさを示唆しており、与党・保守党の支持率はライバルの労働党を10%ポイント前後上回っている。
それでも選挙に打って出るのは大きな賭けの要素が残る。ジョンソン氏は繰り返し、10月31日にEUを離脱すると表明してきた。これは非現実的な約束だったが、結果的に履行できなかった以上、同氏の政敵、特に強硬離脱派の「ブレグジット党」を利することになる。
一方、来年1月末まで離脱期限が延びたことで、EU離脱派が勝利した2016年の国民投票結果の撤回をなお望んでいる有権者は勇気が湧いてくるだろう。ウェブサイト「ブリテン・エレクツ」が追跡している調査を見ると、今国民投票が行われればEU残留に賛成するという人が常に多数派を形成している。そして有権者の動向は予測しづらくなった。2010年から17年の間に行われた3回の総選挙では、有権者の約半数が投票先を変えたという調査結果もある。
とはいえ、国民の間に広がるEU残留への支持を議会の多数派に結びつけるのは難しい。特に歴史的に2大政党に有利な英国の選挙制度ではなおさらだ。有権者は、税金や医療、犯罪、教育といった従来の課題に影響される面もあるだろう。また自由民主党などの親EU勢力が健闘したとしても、16年の国民投票の決定を覆すにはやはりもう一回、国民投票をやり直す必要が出てくるのはほぼ間違いない。
ジョンソン氏が勝っても、ブレグジットに関する自身の悩みが解消されるという状況には程遠い。例えばすぐに直面するのは、来年末までに設定された移行期間を延長するか、もしくはEUと新たな貿易協定に合意する前にたもとを分かつかどうかという、論議を呼ぶ問題だ。
あるいは、12月12日の選挙でも過半数を獲得する勢力が誕生せず、新たな離脱期限が迫ってくるという展開も想定される。前首相のメイ氏は17年、ブレグジットを国民から負託されたかどうかを改めて問い、結果的に過半数を失った。今回も有権者の意見が割れ、選挙で何も決まらずに英国は身動きが取れないままになるリスクが存在する。
●背景となるニュース
*ジョンソン英首相は29日、ついに議会で早期選挙の承認を勝ち取った。同氏はこれでブレグジットを巡るこう着を打開できると期待している。
*12月12日に総選挙を実施する特例法案は、下院で賛成438、反対20で可決された。
*ジョンソン氏は下院議員との会合で「今こそ国が1つになり、ブレグジットを成し遂げる時だ」と強調した。
*労働党のコービン党首は、選挙を真の変化をもたらす機会と位置づけ、労働党政権は国民全員に寄り添うが、ジョンソン氏の保守党は少数の特権階級しか念頭にないと訴えている。
*今月実施した世論調査では、ジョンソン氏が率いる保守党が、労働党を支持率で10%ポイント前後リードしている。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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