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核爆弾50発を“人質”、米副大統領、トルコ訪問の本当の理由
2019/10/18
佐々木伸 (星槎大学大学院教授)
ペンス米副大統領は10月17日、トルコの首都アンカラを訪問してエルドアン大統領と会談、シリア北部の停戦で合意したと発表した。しかし、ペンス氏はトルコ軍の撤退を要求せず、トルコが侵攻によって確保した「安全地帯」を追認する形になった。米国が大きく譲歩したのは、トルコに配備した戦術核爆弾50発をトルコ側の“人質”に取られているという切迫した理由があるようだ。
会談したエルドアン氏とペンス氏(REUTERS/AFLO)
もはやトルコと米国の問題ではない
アンカラからの報道などによると、ペンス氏にはポンペオ国務長官、オブライエン大統領補佐官らが同行、「大物がそろってエルドアン詣でをした格好」(アナリスト)となった。5時間もの会談の後、ペンス氏が記者会見で明らかにした合意内容は、以下のようなものだ。
トルコの攻撃を受けるクルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)が5日間の停戦の間に、国境沿いの「安全地帯」の範囲から撤退する。「安全地帯」はトルコ軍が管理する。米軍が撤収した後にアサド政権軍やロシア軍が展開したシリア北部の要衝マンビジなどの扱いについては、今後ロシアと協議する。米国がトルコに科した鉄鋼関税の引き上げなどの経済制裁については、トルコが停戦を履行すれば解除する。
ペンス副大統領は「合意は暴力に終止符を打つものだ。生命を救う解決策だ。米国は望んでいた停戦を達成した」などと成果を強調した。しかし、トルコ軍の撤退については言及されておらず、事実上、トルコの侵攻と、国境から幅30キロ、長さ約400キロにわたる「安全地帯」創設を追認した形となった。
トルコのチャブシオール外相は「これは停戦ではない。作戦の一時休止にすぎず、撤退を意味するものではない。米国は安全地帯の重要性を理解した。われわれは望んでいたものを獲得した」と“勝利宣言”。実際に停戦が発効するのか、また5日間の停戦期間が過ぎた後に戦闘が終結するのかなど数多くの疑念が残る合意となった。
最大の問題は「もはや米国とトルコだけの問題ではないということだ。ロシアやシリアのアサド政権との合意も必要となり、状況は一段と複雑になった」(同)。アラブの専門家らによると、トルコは「安全地帯」の創設を完了するまで今後も作戦を続行し、YPGとの小競り合いは続く可能性が高い。
核爆弾の国外搬出急ぐ米
ベイルートの情報筋や米紙などによると、米側が今回、ペンス副大統領まで派遣した背景には、両国関係が悪化する中、米国がトルコのインジルリク空軍基地に配備している戦術核爆弾約50発を事実上、エルドアン大統領の“人質”にされているとの懸念が強まっているためだ。
これら核爆弾は東西冷戦が高まる1961年から、北大西洋条約機構(NATO)加盟国である同国に配備が始まった。冷戦終結後に米政府内部で、核爆弾の撤去が折に触れて検討されてきた。最近では、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭で、過激派に核爆弾が渡ることのリスクや、2016年のトルコのクーデター未遂事件の際、核爆弾が流出する懸念が論議されたが、国外搬出は先延ばしされてきた。
トルコはこのところ、ロシアから最新の防空システムを購入するなどしたため米国との関係が冷却化、その上、今回の侵攻作戦をめぐる両国の対立が先鋭化したことから、国防総省やエネルギー省などが現在、本腰を入れて核兵器の搬出を検討している。しかし、エルドアン大統領がこれに反対し、国外搬出を阻止するのではないかと懸念が米政府内に高まっていた。
エルドアン大統領自身、核保有についての意欲を隠していない。大統領は先月、トルコが核保有を禁じられているルールはおかしいと主張、「核を持っていない先進国はない」などと述べていた。トランプ大統領は17日、記者団からこの問題について聞かれ「われわれには極めて強力な空軍基地がある」と述べ、事実上、核兵器の存在を認めた。
米紙はトランプ大統領が、核兵器の存在を肯定も否定もしないという米政策を破ったと指摘している。共和党の元大統領候補のロムニー上院議員はペンス副大統領の派遣について、「すべての馬を失った後、納屋を閉めに行く農夫のようだ」と対応のまずさを皮肉っている。
与党共和党も反旗
エルドアン大統領が今回、最終的にシリアへの侵攻作戦を決断したのはトランプ大統領が侵攻を黙認する“青信号”を出したためだ。エルドアン氏が6日の電話会談で、“テロリスト”のクルド人を掃討するためとして、トランプ氏に侵攻の考えを伝えた後、ホワイトハウスはトルコとシリアの国境沿いに展開する米部隊約50人を戦闘に巻き込まれないよう撤退させると発表した。エルドアン大統領がこれを米国の侵攻黙認と受け取ったのは当然だった。
トランプ大統領はさらにシリア北東部に駐留していた全部隊1000人を撤退させると発表、すでに部隊はイラクなどへの撤収を開始した。苦境に追い込まれたのはクルド人だ。米国の先兵としてIS壊滅作戦を戦い、大河ユーフラテス川東部地域の支配圏を固め、つかの間、独立国家樹立の夢を見たものの、トランプ氏から梯子を外され、トルコ軍の攻撃にさらされることになったからだ。
米国に見捨てられたクルド人にとって選択肢は1つしかなかった。それは緊張関係にあったシリアのアサド政権と手を組み、「反トルコ同盟」を結成することだった。両者を仲介したのはシリアに軍事介入しているロシアだ。米国の撤退はアサド政権を支援するロシアやイランとっては願ってもない展開。アサド政権にしても、黙っていてシリアの4分の1に相当するクルド人地域を奪回し、全土支配に大きく近づくことになる。
米国の敵対勢力が一夜にして大きな利益を獲得したことに対し、トランプ大統領は内外から猛烈な批判を受けることになった。与党共和党の重鎮グラム上院議員は「オバマ前政権のイラク撤退よりも始末が悪い」と痛烈に批判。米下院は16日、米軍のシリアからの撤退に反対する決議を354対60という圧倒的多数で可決した。与党共和党からも120人以上が賛成し、トランプ大統領に反旗を翻した。
下院の決議が可決された後、トランプ大統領は与野党の議会指導者をホワイトハウスに招いてシリア問題を話し合った。米紙などによると、大統領は民主党のペロシ下院議長から「あなたが敷いた道はロシアのプーチンの利益につながるものだ」と批判されると「私の意見では、あんたは“三流の政治家”だ」などと言い返した。
大統領はさらに、軍などから尊敬を集めているマティス前国防長官も撤退に反対していると指摘されると、「彼は世界で最も過大評価された将軍だ」と酷評。「なぜなら彼は十分に強靭ではないからだ」と畳みかけた。しかし、大統領は内心、予想をはるかに超える批判に再選に悪影響を及ぼすとして動揺しているのも事実だろう。
大統領が躍起になって「侵攻の青信号は出していない」と否定し、ペンス副大統領をトルコに派遣したのも、こうした危機感の表れだ。大統領は17日で在任1000日。しかし、トルコ侵攻で、安全保障問題や危機管理の対応の稚拙さを丸出しにした上、「ウクライナ疑惑」でも弾劾調査が進められており、大統領の窮地は一段と深まった感がある。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17672
トルコ大統領、トランプ氏の手紙を「ごみ箱へ」
2019年10月18日
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Image copyrightGETTY IMAGES
トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領が、同国によるシリア北部進攻の停止を求めるドナルド・トランプ米大統領からの手紙を、その場で「ごみ箱に」捨てていたことが、BBCの取材で明らかになった。
トランプ大統領が6日にシリア北東部からの米軍撤退を発表すると、トルコは9日、クルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」が支配するシリア北部への進攻を開始した。
進攻を開始した9日付の書簡で、トランプ氏はエルドアン氏に対し、「タフガイの真似はするな。馬鹿な真似はするな!」と書き、即時停戦を求めた。しかしエルドアン大統領は「停戦宣言などしない」と述べ、この働きかけに応じない姿勢を示した。
これについてエルドアン氏に近い関係者はBBCに対し、「エルドアン大統領は書簡を受け取り、要請内容を徹底的に拒絶し、ごみ箱に捨てた」と明かした。
Image copyrightEPA
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トランプ氏が唐突に発表したシリア北東部からの米軍撤退は、トルコによるクルド人攻撃に対する「青信号」に等しいと批判されている
書簡の内容
トランプ大統領は書簡で、エルドアン大統領に対し、「いい取り引きをしようじゃないか! あなたは数千人の虐殺の責任を負いたくはないだろうし、こちらもトルコ経済の破壊の責任は負いたくない。でもそうする」と書いた。
「あなたが正しく人道的なやり方でこの状況を解決すれば、歴史に良い評価をしてもらえる。いい結果にならなければ、歴史は永遠にあなたを悪魔とみなすだろう。タフガイの真似はするな。馬鹿な真似はするな!」
Image copyrightREUTERS
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エルドアン大統領へ宛てたトランプ大統領の書簡には「いい取り引きをしようじゃないか!」と書かれている
「一時停止」で合意も
マイク・ペンス米副大統領は、即時停戦を直接交渉するため、トルコの首都アンカラで17日、エルドアン氏と会談。軍事作戦を5日間「一時停止」することで合意した。
しかし、トルコ側は、クルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」が同地域から完全に撤退するまでは「停戦」しないとしている。
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共和党も軍撤退に反対
トランプ大統領は、米軍撤退はトルコによるクルド人攻撃の「青信号」に等しいとして、激しい批判にさらされている。そうした批判の大半は、身内の共和党から上がっている。
米下院は16日、シリア北東部からの米軍撤退に反対する決議案を、354対60の賛成多数で可決した。野党・民主党のほか、共和党からも129人が賛成に回った。この決議案は、エルドアン大統領に対し即時停戦も求めている。
決議可決後、議会指導部はシリア進攻についてホワイトハウスで大統領と会談した。このとき、トランプ氏と民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長の激しい舌戦が繰り広げられたとみられる。
民主党のチャック・シューマー上院院内総務によると、トランプ氏がペロシ氏を「三流政治家」呼ばわりしたため、民主党議員が退室する事態となったという。
共和党指導者は、会議中のペロシ氏の言動は「不相応」なものだったと指摘。議長が「激怒して部屋を飛び出した」と批判した。
ペロシ下院議長はその後、記者団に対し、会談でトランプ氏が「逆上していた」と明かした。
これに対し、トランプ氏も同様の批判をペロシ氏にぶつけた。会談中に立ち上がって話すペロシ氏の写真と共に、「神経質なナンシーが逆上した!」とツイッターに投稿した。
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トランプ氏が投稿した写真には、民主党議員から、ペロシ氏の「最高の瞬間」を示す「象徴的」な写真だと称賛する声が上がった。ペロシ氏は、自分のツイッター・アカウントのトップ画像をこの写真に変更した。
トランプ氏の主張
トランプ氏は16日、「トルコとシリアは国境で問題を抱えている。我々の国境ではない。我々がそのせいで命を失うべきではない」と述べ、米国はトルコのシリア進攻へ介入すべきではないと主張した。
「米兵はあの地域から撤退した。米兵は絶対に安全だ。(トルコとシリアが)問題を解決しなくてはならない。戦わないでも解決できるかもしれない。我々は状況を注視し、交渉し、トルコに正しいことをさせようとしている。我々はとにかく戦争を止めさせたいから」
トランプ氏はさらに、過激派勢力「イスラム国」(IS)掃討で重要な役割を果たし、米国に協力していたクルド人は「天使」ではないとも述べた。
「(クルド人は)我々と一緒に戦った。一緒に戦うためたくさんの金をクルド人に提供した。それは構わない。クルド人は我々と一緒に戦った時はよくやった。我々抜きの戦いでは、それほどでもなかった」
クルド、トルコ、アメリカの関係
アメリカを中心とした連合国がシリアでISを破ることができたのは、クルド人勢力の協力によるところが大きい。
YPGは、トルコ南部と国境を接するシリアで活動している。YPGはシリア民主軍(SDF)の大部分を占めており、SDFはアメリカ軍の支援を受けてイスラム過激派組織IS掃討に貢献した。
トルコ軍の進攻による混乱に乗じて、シリア北部で拘束されている数千人のISのジハーディスト(イスラム聖戦主義者)が結集する可能性が不安視されている。
トルコは、YPGをテロ組織と認定しており、クルド人地域のトルコからの独立を訴えているクルド労働者党(PKK)も、YPGと関係していると考えている。
狙いはクルド人の排除
トルコの狙いは、同国がテロ組織と認定しているYPGの戦闘員を、安全地帯から完全に排除すること。シリア内戦などでトルコ領内に避難してきたシリア難民360万人のうち、最大200万人をこの安全地帯に移住させたいとしているが、こうしたトルコの一連の動きは、クルド人に対する民族浄化だとの批判も出ている。
在英非政府組織のシリア人権監視団(SOHR)によると、軍事作戦の開始以降、民間人71人、少なくともSDF戦闘員185人、親トルコ勢力164人、トルコ軍兵士9人が死亡したという。
一方、クルド人自治政府の保健当局は、17日までに民間人218人が死亡したとしている。
Image caption
シリア北部の勢力図。青色がシリア政府、緑色がクルド人組織が制圧している場所。北西部の赤い地域にトルコ軍と親トルコ派の反シリア政府組織が進攻している。トルコは国境沿いの斜線部分に「安全地帯」の設置を要請している。
<解説>脅迫交じりの手紙に激高――ジェレミー・ボウエン中東編集長
首脳同士が交わす書簡で、今回のような文言が使われるなどなかなか想像し難い。
ドナルド・トランプ大統領の手紙は、脅しと、ロッカールームで交わすような軽口が入り乱れるもので、トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領を激高させた。
エルドアン氏に近い人物はBBCに対し、同氏が書簡をごみ箱に投げ捨てた後、同じ日に軍事作戦を開始したと話した。これはつまり、トランプ氏による「青信号」がなかったことの証明になるだろう。
一方で、IS掃討のためにバラク・オバマ前大統領がSDFと手を組んで以降、いずれトルコと間で問題になるのは自明だった。なぜならSDFは、クルド人地域のトルコからの独立を訴えているPKKと密接につながっているからだ。トルコは、SDFとPKKが合わさってひとつのテロ組織なのだと主張している。
エルドアン大統領は昨年12月、軍事行動についてトランプ大統領と協議した。トルコの首都アンカラの外交筋は、トルコの大きな戦略目標は、クルドとアメリカを切り離すことだったと示唆している。
いずれにせよ、実際にそうなってしまった。
エルドアン大統領はアンカラで、マイク・ペンス副大統領とマイク・ポンペオ国務長官率いる米代表団と会談した。その背景には、シリアを取り巻く外交の大失態がある。双方の妥協点を見出すのは難しい。
クルド人とは なぜトルコが攻撃しているのか
(英語記事 Turkish president 'threw Trump letter in bin')
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BBC News
米野党・民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長が、ホワイトハウスの会議室でドナルド・トランプ米大統領を前に立ち上がって指を差している写真が大いに話題になっている。
ホワイトハウスの会議室で撮られた写真は今月16日のもの。トルコによるシリア北東部のクルド人勢力攻撃について米下院は同日、同地域からの米軍撤退に反対する決議案を354対60の賛成多数で可決した。野党・民主党のほか、トランプ氏率いる共和党の議員も、大勢が決議案に賛成した。この決議可決後、議会指導部はシリア進攻についてホワイトハウスで大統領と会談した。問題の写真は、その時のものだ。
大きいテーブルを前に議会や政権、軍の男性幹部たちに囲まれたペロシ氏は、大統領に向かって指を差しながら何かを力説しているように見える。トランプ氏はあっけにとられた様子だ。
会議のあと、トランプ氏はお気に入りのツイッターで「神経質なナンシーが錯乱して怒り狂った!」と書いてこの写真を投稿した。
これに対してペロシ氏は、会議中に「怒り狂った」のはトランプ氏の方だと反論し、この写真を堂々と自分のツイッターやフェイブックのアカウントのトップ画像に使った。
トランプ氏によるツイートは18日になった時点で約3万回、リツイートされた。6万以上のコメントがついているほか、本人のツイートに直接関わらない形でも、大勢がこの写真について意見を書いている。
この写真を機に人々は、政治における男女の不平等から、どちらの方が良い大統領になるかまで、様々な発言をしている。しかしなによりこの写真と、それに対する人々の反応は、トランプ氏による唐突な米軍撤退の決定がいかに米政界を分断したか、如実に表している。
テーブルの周りではどういう話が
民主党筋はAP通信に対して、会議はまずトランプ氏の自慢で始まったと話した。自分はいかに「嫌味な」手紙をトルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領に書き送ったかを、議会幹部に披聞かせたのだという。
明らかになった手紙の写真から、トランプ氏はエルドアン氏に対して「タフガイの真似はするな。馬鹿な真似はするな!」と書いていたことが明らかになった。この書簡について、エルドアン氏に近い関係者はBBCに対し、「エルドアン大統領は書簡を受け取り、要請内容を徹底的に拒絶し、ごみ箱に捨てた」と明かしている。
この手紙についての大統領の話が終わると、ペロシ議長は米軍撤退に反対する決議を下院が可決したことを伝えた。次いで民主党のチャック・シューマー上院院内総務が、過激派勢力「イスラム国」(IS)の復活を防ぐには米軍がシリアに残ることがいかに大事かという、ジェイムズ・マティス前米国防長官の発言を読み上げた。
すると、トランプ氏はシューマー氏をさえぎり、昨年末まで国防長官だったマティス退役海兵隊大将を、「世界で一番過大評価された将軍」と呼んだと、米メディアは伝えている。
さらにトランプ氏はペロシ氏に対して、「自分はあなたよりISIS(ISの別称)を憎んでる」と告げたという。
シューマー氏に、IS掃討のためシリアとトルコを頼るというのが大統領の計画なのかと尋ねられると、トランプ氏は「アメリカ国民の無事を守る」のが計画だと答えた。これに対してペロシ氏は、「それは目標であって計画ではない」と反論したという。
シューマー氏によると、トランプ氏はこれに対してペロシ氏を「三流の(third-rate)政治家」と罵倒した(ペロシ氏自身は後に、「三級の(third-grade)」と言われたと述べている)。
この時点で、民主党のステニ・ホイヤー下院院内総務が割って入り、大統領にそのような侮辱は議論の「役に立たない」とたしなめたとされる。
民主党幹部はこの後、会議を中断して退席した。
それからどうなった
会議のあとにホワイトハウスの外で記者団を前にしたペロシ氏は、「きわめて残念」なやりとりだったと話した。
「2対1で共和党も、自分のシリア政策に反対した。それがまったく受け入れらず、対応しきれなくなったので、あとはもうただ逆上するだけだった」とペロシ氏は、トランプ氏について話した。
シューマー氏は、ISについてどういう計画があるのか大統領に尋ねても「大統領には計画などなかった」とツイート。さらに、大統領は「無礼だった。特に、下院議長に対して無礼だった」と批判した。
https://twitter.com/SenSchumer/status/1184601926060654597
トランプ氏が話題の写真をはじめ、会議室での一連の写真を次々とツイートし始めたのは、民主党幹部たちが報道陣を前にこうして自分を批判した後のことだった。
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1184597281808498688
もう1枚の写真には、「この人たちは僕のことが好きかな?」と書き添えている。
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1184595335794036737
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1184600576245583873
3枚目の最後の写真は、民主党幹部が退席した後の、3つの空の椅子のものだった。ペロシ氏とシューマー氏を「何もしない民主党」と呼び、ペロシ氏は「今すぐ助けが必要だ」と書いた。
「(ペロシ議長は)今日ホワイトハウスで完全に逆上して我を失っていた。とても悲しい光景だった。彼女のために祈ろう。とても病んでる人だ」と、トランプ氏は書いた。
この写真がソーシャルメディアで次々と拡散すると、「#PelosiMeltdown(ペロシ逆上)」というハッシュタグで大統領に同調する人たちが出ると同時に、「#BeNancy(ナンシーのようになろう)」と下院議長を手本にしようと呼びかける人たちも続出した。
(英語記事 Trump and Pelosi: The 'meltdown' photo showing Washington divides / Turkey's Erdogan 'threw Trump's Syria letter in bin')
提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50092996
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17677
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