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米好戦派の強硬策がターゲット国の連携を強めている(2/2)
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2019.10.11 櫻井ジャーナル
オバマ政権は侵略のためにサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とするジハード傭兵を使ってきた。「アル・カイダ」や「ダーイッシュ」といったタグがつけられている。 しかし、アル・カイダという戦闘集団は存在しない。ロビン・クック元英外相が2005年7月8日付けガーディアン紙で明らかにしたように、アル・カイダはCIAに雇われ、訓練を受けた数千人におよぶ「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル。アラビア語でアル・カイダは「ベース」を意味、「データベース」という意味でも使われる。 そのデータベースから傭兵を選び、さまざまなタグをつけた戦闘集団を編成するわけだが、そうした集団のひとつ、アル・ヌスラの司令官だったアブ・アル・エズは、アメリカが第3国経由で彼らに武器を供給していると語っている。 シリアに対する侵略戦争はリビアのケースと違い、アメリカなどが計画したとおりには進まない。ロシアが立ち塞がったのだ。そこでオバマ政権は強引にアメリカ/NATO軍を介入させようとする。 リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が2011年10月に倒されると、アメリカなど侵略勢力は戦闘員や武器/兵器をシリアへ集中させる。そこでシリアでの戦闘が2012年に激化すると言われていた。 その2012年の8月、マイケル・フリンが局長だったDIAはオバマ政権の「穏健派支援」が危険だということをホワイトハウスへ報告した。その中で、シリアで政府軍と戦っている武装勢力はサラフィ主義者やムスリム同胞団が中心だと指摘、アル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)という名称も示している。ちなみにアル・ヌスラの主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団だ。 リビアへの侵略戦争でアメリカ/NATOとアル・カイダ系武装集団との連携が露見、オバマ政権は「穏健派」を支援していると主張して弁明していたのだが、そうした勢力は存在しないとDIAは指摘したわけだ。さらに、オバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告していた。それがダーイッシュの出現という形で現実になった。 その報告の翌月、つまり2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、大使だったクリストファー・スティーブンスが殺された。ワッハーブ派とムスリム同胞団の内部対立だと言われている。オバマ政権は歴史的にイギリスとの関係が深いムルリム同胞団を重用していた。 領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていたとされている。当時のCIA長官はデイビッド・ペトレイアス、国務長官はヒラリー・クリントンだ。 2013年の夏になるとアメリカが本格的な軍事介入を始めるという話が伝えられ、9月3日には地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射された。 ところが、そのミサイルは途中で海中へ落下、後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だったと主張する。事前に通告はなく、発射実験だとする主張に説得力はない。予定通り実際に攻撃を始めたものの、失敗したと見られている。ジャミングなど何らかの手段で落とされたと推測する人もいる。 その9月、駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンはアル・カイダについて、バシャール・アル・アサド体制よりましだと語っている。オーレンはベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近で、この発言は首相の意思でもあると考えられた。 その当時、アメリカではマーティン・デンプシー統合参謀本部議長やマイケル・フリンDIA局長はアル・カイダ系武装集団を危険だと考え、シリア政府と接触していたと言われている。これはオバマ政権の方針と違った。 そこで売り出されたのがダーイッシュ(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも表記)。2014年1月にこの武装集団は「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧した。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その後継を撮影した写真が世界規模で流れている。 この写真はダーイッシュの売り出しに利用されたのだが、それを見て奇異な感じを受けた人は少なくないだろう。アメリカ軍は衛星や航空機で偵察、通信を傍受し、人からの情報も利用してダーイッシュの動きを把握していたはずで、パレードは格好の攻撃目標だったからだ。アメリカ軍は動かなかった。 ダーイッシュとアメリカとの関係はアメリカの軍人や政治家も口にしている。例えば、空軍のトーマス・マッキナニー中将は2014年9月、アメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで語った。またマーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、10月には副大統領を務めたジョー・バイデンがハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語っている。2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べた。 そして2015年8月、アル・ジャジーラの番組でダーイッシュの勢力を拡大させた責任を問われたマイケル・フリン元DIA局長は自分たちの任務について、情報の正確さをできるだけ高めることにあると反論。その情報に基づいて政策を決定するのはバラク・オバマ大統領の役目だと指摘している。つまり、オバマ政権の「穏健派支援」がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだが、これは事実である。 そのフリンをトランプは国家安全保障補佐官に任命したが、CIA、民主党、有力メディアなどは激しく反発する。国防長官だったジェームズ・マティスともフリンは対立した。そしてトランプ政権が誕生した翌月、2017年2月には解任されてしまった。(了) |
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