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大統領候補バイデンにウクライナ疑惑が浮上、トランプに矛先を向けさせる動きも
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2019.09.23 櫻井ジャーナル
アメリカでは来年(2020年)に大統領選挙が実施される予定になっている。民主党の最有力候補は前副大統領のジョー・バイデンだったのだが、世論調査の結果を見ると、9月中旬に人気が急落してエリザベス・ウォーレン上院議員に逆転された。前副大統領の息子、ハンター・バイデンに関する疑惑が伝えられたことが影響したようだ。 ウォール・ストリート・ジャーナル紙などによると、ドナルド・トランプ大統領が7月にウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領へ8回以上電話、ハンターについて調査するように求めたという。 ジョーが副大統領だった2014年2月にバラク・オバマ政権はウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させているが、その後、ハンターはジョン・ケリーの義理の息子と一緒にウクライナの天然ガス会社ブリスマ・ホールディングス(本社はキプロス)の重役になっている。ヒラリー・クリントンがハイチを利権にしたように、バイデンはウクライナを利権にしようとしているとも言われた。 このクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領は排除されるが、彼にとってこれは2度目。2014年11月から05年1月にかけてのオレンジ革命でも大統領の地位から引きずり下ろされている。西側の支配層は新自由主義を導入させるための障害だと見なしたわけだ。 2014年のクーデター後に大統領となったのはペトロ・ポロシェンコ。国立キエフ大学を卒業しているが、そこで親しくなったひとりが2004年から13年にかけてジョージアの大統領を務めたミハイル・サーカシビリで、ヒラリー・クリントンとも親しい。勿論、反ロシアだ。 ポロシェンコも新自由主義を導入させるための操り人形にすぎず、ウクライナを破壊することになった。今年春の大統領選挙で2度の投票(1回目:3月、2回目:4月)でコメディアンのボロディミル・ゼレンスキーが勝利、7月に実施された議会選挙でゼレンスキーが創設者のひとりとして名を連ねる「国民のしもべ」が約6割の議席を確保したのは、ポロシェンコの政策への反発が強かったからだろう。 しかし、オレンジ革命でウクライナ人は新自由主義が作り出す地獄を知ったはずだが、少なくともウクライナの西部地域に住む人びとは2014年のクーデターを支援することで新自由主義化の推進とナチズムの復活に手を貸しすことになった。ゼレンスキー政権になってナチズムの影響力が小さくなったようには見えない。 バイデン親子のウクライナ利権の実態が明るみにでると、オバマ政権のネオコンが推進したクーデターの実態も明るみ出る可能性が高い。その背後では米英をはじめとする西側の金融資本も蠢いていた。今回、アメリカの有力メディアはトランプ大統領がバイデン潰しのためにゼレンスキー大統領に圧力をかけているというストーリーを流しているが、これは一種のダメージ・コントロールだと見る人もいる。 ここにきて支持率がバイデンを上回ったウォーレンはハーバード大学の教授から上院議員になった人物で、TPP(環太平洋連携協定)に反対。アメリカでは公的な医療や教育が崩壊状態だが、その点も指摘してきた。 いわゆる「一流大学」に入りたければ有名な進学校で学ぶ必要があるのだが、そうした学校の授業料は日本で想像できないほど高い。トルーマン・カポーティは『叶えられた祈り』の中でウォール街で働いているディック・アンダーソンなる人物に次のようなことを言わせている。 「二人の息子を金のかかるエクセター校に入れたらなんだってやらなきゃならん!」(トルーマン・カポーティ著、川本三郎訳、『叶えられた祈り』、新潮文庫)「ペニスを売り歩く」ようなことをしなければならないというのだ。アメリカの中では高い給料を得ているはずのウォール街で働く人でも教育の負担は重い。 そうした私立の進学校が無理なら、少しでもまともな公立高校へ通わせる必要があるのだが、そうした公立高校がある地域の不動産価格は高い。賃貸でも家賃の負担は重くのしかかる。不動産で破産する人の相当部分の実態は教育負担だという。 こうした情況について、ウォーレン議員は次のように語っていた。 「G.E.は税金を払わず、大学生には教育を受けるためにもっと借金しろと言い、最上級生には生活を切り詰めろと言う。これは経済の問題ではない。モラルの問題だ。」 2012年11月イギリスのインディペンデント紙は学費を稼ぐための「思慮深い交際」を紹介するビジネスの存在を明らかにした。日本では「援助交際」と表現されている行為だ。 その手取りはサービスの内容によって違い、年間5000ポンドから1万5000ポンド。(現在の1ポンドは約150円)17歳から24歳までの学生、約1400名が在籍していると仲介業者は主張しているが、ほかにも似た業者がいるようで、これは氷山の一角だ。 アメリカはそれより進んでいると見られているが、少し前から話題になっているのは「シュガー・ベイビー」なるシステム。女子大学生(シュガー・ベイビー)と富裕な男性(シュガー・ダディー)を引き合わせ、「デート」のお膳立てをするというビジネス。売春の斡旋と見られても仕方がないだろう。現代版のクルチザンヌだと言う人もいる。 登録している大学のリストを見ると、有力校と考えられている南カリフォルニア大学(583名)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(614名)、コロンビア大学(1008名)、ニューヨーク大学(1676名)も含まれている。 こうした問題に目を向けていたウォーレン議員はまともな人物のように見えるが、国外の問題では他の議員と大差はない。イスラエルを擁護し、アメリカが全世界で行っている侵略、破壊、殺戮を容認している。昔からシオニストは政治家へ資金を流す代償として外交や安全保障に関する政策を任すように求めてきた。その仕組みに取り込まれていると言えるだろう。 |
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