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アドリアン・ホンの仲間は金正恩の異母兄殺人に関与していたのだろうか?
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2019年7月 5日 マスコミに載らない海外記事
2019年7月3日
コンスタンチン・アスモロフ
New Eastern Outlook
アメリカ・マスコミは、金正男が2017年に殺害される前に、中央情報局(CIA)のために働いていたと報じ続けている。WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)記事以外にも、金正男のCIA情報提供者としての役割は、Anna Fifield
の新刊書『The Great Successor 偉大な後継機』で言及されている。本で引用された匿名の「熟知している情報提供者」によれば、金正男は、通常、シンガポールとマレーシアで、情報局員と会っていた。彼の死後、彼と一緒に見つかった現金(120,000米ドル)は彼の諜報活動の仕事に対する報酬(あるいはカジノでの稼ぎ)だった可能性がある。
こうした報道は、金正男殺人の数週間前に大統領になっており、その時以降の「報道が本当かどうかわからない」と繰り返し述べているドナルド・トランプに対する遠回しの攻撃のように思われる。6月11日にも、自分の監督下なら「CIAに北朝鮮指導者金正恩の異母兄をリクルートすることは許さなかったろう」と彼はジャーナリストに述べた。
CNNは、ドナルド・トランプは、金正恩の異母兄が、CIAに協力していたという「報道を確認したり、否定したりしないはずで」彼がこの件を事前に知らなかったと強調した。アメリカ大統領は、彼が国家指導者である間は、朝鮮民主主義人民共和国指導者の金正恩に対して情報提供者を使うことを「CIAに許さなかっただろう」と述べた。
彼の発言は、CIAがさまざまな手段によって、金正恩を秘密にスパイしていたといううわさの公式の否認と見なされた。それは、従って、ドナルド・トランプが本当に、このいずれの知識も持っていなかったことなどありそうもないと思う、大統領の敵による批判を引き出した。たとえそれが本当だったにせよ、それは、朝鮮民主主義人民共和国との対話を再開する目的のため、アメリカ諜報機関に進んで協力していた人の恥知らずな(外国における化学兵器使用を含む)暗殺に、アメリカ大統領が強硬路線をとらないことに決めたことを意味するだろう。2018年、「アメリカはロシアのセルゲイ・スクリパルと娘に対する毒ガス攻撃への報復として60人のロシアの外交官を追放した」。ところが、金正恩が似たような犯罪で告発された際、ドナルド・トランプは厳しい対応を抑え、代わりに「北朝鮮に決して」「このようなスパイ活動を再び起こさせない」と急いで述べただけだ。だから、将来のあらゆる情報提供志望者へのトランプのメッセージは明らかだ。「アメリカはあなたの面倒はみない」。
マイク・ポンペオはドナルド・トランプよりいっそう曖昧だった。6月16日、彼はFoxNewsインタビューで、CIAと金正男の結びつきに関するうわさについて発言した。マイク・ポンペオは、アメリカは、北朝鮮によるあらゆる「危険と脅威」を確認するため必要なあらゆる行動をとっていると言った。テレビ番組のホストが、国務長官に、CIAトップとしての在任中、金正男と連絡をとっていたかどうか尋ねた際、マイク・ポンペオは安全保障上の懸念のため「諜報問題に関して発言する」のを拒否した。CIAもこの問題について全く発言を拒否している。
アメリカの関与に関するこれら全ての議論が、この場合、彼の死の前に金正男と会っていた人物が、誰か「見つかりにくい工作員」ではなく、アドリアン・ホン・チャンだった可能性を著者が考慮するようにさせた。後者は(自由朝鮮としても知られている)千里馬民間防衛のリーダーで、現在スペイン北朝鮮大使館に対する襲撃に関連して、当局により手配中だ。
我々は読者に、アドリアン・ホン・チャンの魅力的な伝記を想起願いたい。現在、彼は金正恩と同じ年齢の35歳だ。彼の親はメキシコで働いた韓国人キリスト教宣教師だ。これがアドリアン・ホン・チャンが、メキシコ・パスポートと、アメリカのグリーンカードを持っている理由(すなわち彼はアメリカの合法的永住者だ)だ。ワシントンDCに本拠地を置く人権団体の情報提供者によれば、彼は2004年に、朝鮮民主主義人民共和国市民の人権を弁護する運動に加わり、他方彼はエール大学で歴史を学んだ。その時、アドリアン・ホン・チャンは朝鮮民主主義人民共和国からの亡命者キム・ヒョンシク(ロシア文学教授の金賢植)の講義で、北朝鮮での人権侵害について知った。2005年、彼は自由北朝鮮(LiNK)と呼ばれる団体を共同設立し、ソウル、パリや他の国々に支部を開いた。
2009年に、平壌に対してより断固とした処置をとる必要があると悟り、アドリアン・ホン・チャンはLiNKを去った。
2011年、ムアマル・カダフィが打倒された後、アドリアン・ホン・チャンはアメリカ政府との契約に署名し、現地で暫定政府の編成を促進するため、リビアに出張した。彼のコンサルタント業の仕事はしばしばCIAにからんでいた。後に、アドリアン・ホン・チャンは、アラブの春は、北朝鮮のための最終リハーサルだと思ったと述べた。
2014年、朝鮮民主主義人民共和国関連の仕事に従事していたある情報提供者が、NKニュースで、彼が、危険な状態にある人々に手を貸すことよりも、政権転覆に熱心だったので、彼らにとって、アドリアン・ホン・チャンの戦略は危険に見えたと言った。
2015年、アドリアン・ホン・チャンは朝鮮研究所を設立し、所長になった。研究所は現在の北朝鮮政権の突然崩壊の可能性を研究し、この過程を速める施策を立案した。加えて、アドリアンは「閉鎖社会に侵入して、これらの国々に住んでいる人々に力を与えるために現代技術を使う会社だと彼が説明する戦略助言企業、ペガサス戦略有限会社の社長だとも見なされている。彼の弁護士リー・スコット・ウォロスキーは「重要な国家安全保障の職位で、三人のアメリカ大統領に仕えた。
2016年に、アドリアン・ホン・チャンは、北朝鮮体制にうまく対抗するには、亡命政府樹立が不可欠だという結論に至った。2016年1月、サンディエゴ・ユニオン・トリビューンに掲載された記事で彼はこう書いていた。「我々は、リビアのカダフィ後、部外者が競い合う派閥を支持して、イスラム国家に役立ち、平和と自由に値する民衆を傷つけた過ちの繰り返しを避けなければならない。」 提案された亡命政府は、朝鮮民主主義人民共和国でいくぶん影響力を持ったままでいる高位亡命者で構成されていなければならなかった。理想的には脱北者は名誉を傷つけられたキム一族の一員や親類を含むべきなのだ。
韓国の保守的放送局が、アドリアン・ホン・チャンが、何度となく、金正男が自由朝鮮を率いるよう提案したと報じたが、金正男は毎回拒否した。ワシントン・ポストと韓国の朝鮮日報の両方が、以前これについて書いた。
保守的な韓国新聞、朝鮮日報は、金正男の息子キム・ハンソル(金漢率)救出後に明白になったが、アドリアン・ホン・チャンと彼のチームが、アメリカ諜報機関と協力していると公然と報じていた。(北朝鮮に関する「えたいの知れない記事」で悪名高いことを指摘するべきだが)この放送局によれば、CIA工作員が、(彼が中国に戻るのを避けようとする試みで、そこに隠れていたかのように)第三国へ向かう途上だったキム・ハンソルを、台北で空港から「連れ去り」、アメリカ(もう一つの説によれば、彼は政府機関職員に、自発的に同伴するよう説得された)に送った。アドリアン・ホン・チャンは「マドリッド大使館の資料を、FBIに引き渡した」。
キム・ハンソルについては、2019年5月29日、どうやら前述のうわさに応えて、自由朝鮮が、「アドリアン・ホン・チャンとクリストファー・アーンのための自由」キャンペーンを始めて、千里馬民間防衛組織を世界に紹介するのに役立つビデオを発表して、金正男の息子を巻き込んでいる。
映像は、彼らの支援に対して、アドリアン・ホン・チャンと彼のチームに感謝を表明するキム・ハンソルを描写している。彼はキム・ハンソルの父親金正男が暗殺された時にも、朝鮮民主主義人民共和国のジュネーブの国連常任委員次席だったチョー・ミョンナムが署名した彼のパスポートの一部を見せた。発表された最初のビデオで、この情報はピンボケで、若者がアドリアンの名に言及する際、彼の声は常にくぐもっている。
組織のウェブサイトと韓国のチャンネルAは、彼の父親が殺された後、アドリアン・ホン・チャンに語ったキム・ハンソルの助けの依頼と両名の写真を公表にした。写真は前に国際メディアが公表していたが、その信ぴょう性は問われていた。
二つの情報源は、自由朝鮮を支持するウェブサイト: www.freefj.isとwww.supportfj.orgを売り込んだ。だがさらに興味深いのは、彼の父親が暗殺される前でさえ、キム・ハンソルがアドリアンと彼のチームとつながりを持っていたように思われることだ。金正男と息子の関係は、多くの理由で複雑だった。第一に、彼の父親が、日本訪問中に苦境に陥ったのは、キム・ハンソルのためだったと信じられている。第二に、彼の死の前に、金正男は再婚し、新しい家族を始めており、彼の暗殺の時点で、彼の愛人、元高麗航空客室乗務員と一緒に暮らしていた。第三に、金正男はさまざまなインタビューで、彼の息子を、冒険を求め、無制限の自由を楽しむ若者だと説明して、息子、キム・ハンソルとは問題があると述べていた。
著者が最初にこの事件を扱い始めた時以来、彼はこの殺人に対しては、北朝鮮同様に、韓国の関与がありそうだと指摘してきた。千里馬民間防衛の活動家が、二年後にマドリッドの朝鮮民主主義人民共和国大使館を攻撃した際、ねじれた謎が実体化し始めた、つまり、彼の父親の死後、金正男の息子を救助することで名声を得た組織は、実際は、彼の暗殺の背後にいたのだ。
もちろん事件のこの解釈は、多くの仮定と他の「大いにありそうな」陳述によって裏付けられ、確かに陰謀理論に似ている。だがそれでも、もし我々が、朝鮮民主主義人民共和国の関与という主張を支持するために使われている大まかな証拠を考えれば、我々の理論は確実に利点がある。
アドリアン・ホン・チャンの組織が殺害を組織した可能性はあるだろうか? 理論上、我々が多くの要因を考慮すれば、その可能性はある。第一に、もし金正男が(その元の形ではなく)実際に二成分版VX神経ガスで毒殺されたのなら、この武器の二つの成分は研究所で合成できたはずだ。事件に関する調査の初めに発見された研究所が毒を作るために使われた可能性はある。だが調査の過程で、この場所に関するあらゆる言及も止まった。
第二に、おそらく金正男毒殺に責任がある女性たちは、北朝鮮系ではない人々と交流できたはずなのだ。我々は読者に、弁護士が最初に被告のために働き始めたとき、彼らの物語が異なっていたことを想起させたい。事件のこの大本の版によれば「いたずら」の後で女性たちは彼らのスポンサーに会っており、それは後者が殺人の直後に出国したはずがないことを意味する。
加えて、二人の若い女性は、ソーシャル・メディアで、明らかに日本人のように見える人々や韓国人の友人たちだった。実際、被告の一人は確かに韓国を訪問し、彼女のスポンサーだった多くの韓国人のフェースブック知人がいた。千里馬民間防衛メンバーは確かにこの記述にぴったりだ。
女性たちがつきあった人々と、マレーシアを去った朝鮮民主主義人民共和国国民との関係を確立するという考えはその後に起きたものだ。物語の大本版は、李ジョンチョルが、女性たちを車で送ったことが明らかになったためか、二人の女性に証言を変えるよう弁護士が説得したという事実によって、変化した。
それでも、マレーシアを去った四人の朝鮮民主主義人民共和国国民に対し、インターポールがレッドノーティス(発見したら手配元の国に引き渡す方向で協力するよう各国に要請するもの)を出したが、彼らは捜査担当者による尋問のため指名手配されているだけで、有罪と証明されるまでは無罪だ。同様に、大使館にいて、調査途上で、事件の容疑者になった二人の北朝鮮国民は、捜査担当者には彼らを尋問する可能性があったので、公式にあらゆる悪口の嫌疑が晴れていることは指摘する価値がある。韓国諜報局により、暗殺を巧みに操り、化学工学学士号のため毒を合成したとして告訴されていた李ジョンチョルも、早くに犯罪の嫌疑は晴れている。
実際的理由で、弁護士は完全な防衛戦略を選択して、死刑宣告から二人の女性を救うことが可能になった。弁護団は数人の「神秘的な」北朝鮮人が暗殺の画策に責任があったと主張したが、不幸にも、彼らには尋問することができなかった。二人の若い女性は、彼らがいたずらをしようとしていたと思うようだまされて、誰も殺す意図を持っていない被害者だった。彼らの戦略はうまくいった、女性の一人は釈放された(だが法廷はその決定が免罪ではないと明示した)、もう一人は、より軽い犯罪で告訴され短い刑期を勤めた後、仮釈放されることが可能になった。
第三に、暗殺の背後の連中は、キム・ハンソルから金正男のマレーシア訪問のことを知ることができたはずだ。自由朝鮮メンバーが、若者と連絡をとり、彼を父親に敵対させたか、彼から有用な情報を引き出すことに成功した可能性はある。
次に、殺害の動機を調べよう。金正男が、ランカウイで彼に対してなされた、彼が断ることができないはずの最後の申し出を拒絶し、それで彼が殺されたという可能性を我々は排除することができない。彼の息子は亡命政府中の役割で、遥かに良い候補者であることが判明した可能性がある。
だが、実際は金正男を暗殺する別の理由があったのだ。第一に、彼の死は、おそらく朝鮮民主主義人民共和国政権の残虐性と妥協しないことの申し分のない例として役立つよう意図されていたのだ。賭は成果をあげ、結果的に、アメリカはテロ支援国リストに北朝鮮を載せ、次に化学兵器の使用のかどで、北朝鮮に制裁を課した。
第二に、もし我々が故人が北朝鮮の秘密作戦の責任者だったと想像すれば、彼の死は彼が中心にいた非合法コネ・ネットワークに打撃を与えただろう。結局、彼の死の時点で彼の所有として見いだされた現金は、マレーシアでの北朝鮮商品の合法、非合法、両方の貿易の所得であった可能性がある。李ジョンチョルの事件から、このような市場が存在するのを我々は知っている。彼は北朝鮮のために金を得て、同じくアメリカ制裁下の商品を朝鮮民主主義人民共和国にもたらす仲介者だった。李ジョンチョルは、金正男暗殺で、結局彼の疑わしい関与の容疑で逮捕されたが、犯罪で告訴するのに十分な彼に不利となる証拠がなかったため、彼は追放された。彼の釈放のすぐ後、彼は、とりわけ捜査担当者が、彼に特定の自白をするようしきりに促したと述べる記者会見を行った。加えて、李ジョンチョルは、マレーシア人のみならず、韓国人も、誰が韓国情報局員だと彼が信じたか尋問されたと述べた。この市場の崩壊は、朝鮮民主主義人民共和国への重大な経済的打撃だったに違いない。
おそらく、千里馬民間防衛のメンバーが韓国諜報機関と協調して行動したか、少なくとも、韓国諜報機関に彼らの計画を知らせたのだ。このおかげで、マレーシア捜査担当者が同じ結論に至るずっと前に、韓国諜報機関が暗殺に「関与した」人々の間の結びつきに関する詳細報告を発行することを可能にしたのだ。更に、いずれかの時点で、調査を担当しているマレーシア当局が益々韓国の援助に頼り始めたという印象を私は受ける。結局、彼らは韓国諜報機関に提出された理論を、単に証明が必要なものとして扱い始めたのだ。
保守主義者の黄教安が大統領として韓国の権力の座にいた間に殺害が行われたことを我々は忘れるべきではない。だから、それは彼らの支配の間に計画されていたに違いないのだ。だが韓国では権力は所有者が変わり、文在寅が国家情報院の「春の洗浄」を組織化した途端、アドリアン・ホン・チャンとクリストファー・アーンとのどんなつながりも断たれ得たはずだ。一方で、二人は前に利用できた資源に欠けていたが、他方で、彼らが計画を他の誰とも調整する必要がなくなり、彼らはテロを実行する決断をしたのだ。
著者としては、これは単なる理論であることを繰り返したいと思うが、もしそれが真実から遠くないことが分かっても決して驚くまい。当面、我々は注意深く金正男の暗殺や、自由朝鮮に関連するあらゆるニュースを追い続けるつもりだ。多くの興味深い展開が起こるだろうことを我々は確信している!
コンスタンチン・アスモロフは、歴史学博士、ロシア科学アカデミー極東研究所、朝鮮研究センター主任研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/07/03/were-adrian-hong-s-associates-responsible-for-murder-of-kim-jong-un-s-brother/
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