http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/690.html
Tweet |
2019/06/24
6月2日・8日朝日新聞掲載のルポに関するベネズエラ大使の抗議書簡
6月2日、8日に朝日新聞に掲載された記事「200万都市、電気も水もない ベネズエラ マラカイボ」および「かつての豊かな産油国 政情不安続き 危機」に関して、駐日ベネズエラ大使が抗議の書簡を送付しました。内容を掲載します。
(大使館訳)
X.A.C.
2019 年6月 12 日、東京
朝日新聞
国際報道部長
坂尻 信義 様
日本を代表する言論機関として、その伝統と見識の深さにより、長きにわたり市民の
信頼を得ている貴紙に、心より敬意を表します。
この度は、過日掲載されたベネズエラ情勢に関する記事について、貴紙の伝統と信頼
からは考えられないほど偏向した内容であり、結果としてベネズエラが直面している
困難をさらに悪化させるものであるため、強く抗議するとともに、正確な情報を伝え
る記事の掲載を要望いたします。
問題の記事は、本年6月2日、8日に掲載された「200 万都市、電気も水もない ベ
ネズエラ マラカイボ」および「かつての豊かな産油国 政情不安続き 危機」(岡田
玄サンパウロ特派員、竹花徹朗機動特派員)です。
偏向記事であると指摘をせざるを得ない最大の理由は、現下のベネズエラの困難を
作り出している原因を一切無視していることです。食糧や医薬品の不足、インフレ
など経済的な苦境を作り出しているのはアメリカが主導する経済制裁であることは、
すでに国際社会が広く認めていることであり、国連の報告でもその悪質さは「アメ
リカの経済制裁は人道に対する罪である」と厳しく指摘されています。
人道に対する罪であるとされる理由について、世界的経済学者であるジェフリー・サ
ックス教授(米コロンビア大学)は今年5月に「集団罰としてのベネズエラの経済制裁」
なる報告書をまとめ、「米国政府の経済制裁によりベネズエラ市民が生命の危機にさ
らされており、そのために、2017 年から 18 年にかけて4万人が犠牲になった」と
しています。
更に、岡田特派員の記事は「政権が食い物にした石油大国」なる、アメリカやその影
響下にある野党側の常套句を使いつつ、事実を直視しない偏った政府批判に終始し
ています。
国営石油会社 PDVSA の解雇問題は、違法なサボタージュに端を発しており、その後、
復職が認められていること、そして、何よりも、PDVSA が直面しているオペレーショ
ンや、資金調達の困難もまた、アメリカの経済制裁が原因であることを無視しています。
2015 年より本格化したこうした、経済制裁こそが、ベネズエラを疲弊させ、アメリ
カの不当な介入を可能にするいわば地ならしであることは言うまでもありません。
問題の記事は、写真もふくめ、一見すると「市民の苦境を伝える」という正義の衣を
まとおうとしていますが、上記の事実を重ね合わせると、それが、真実を覆い隠し、
結果としてアメリカの介入につながる世論づくりに加担するものであると言わざるを
得ません。
貴紙の岡田特派員は本年4月 30 日にアメリカの影響下にあるグアイド氏がクーデ
ーター未遂事件を起こした際にも、彼らの一方的な情宣にのみもとづいたためか、
明らかな誤報を伝えています。
今回、再度、問題ある記事が掲載された経緯について、私どもは知る由もありませ
んが、上記、強く抗議し、正確な実相を伝える記事の掲載を要望いたします。
敬 具
(署名)
セイコウ・イシカワ
大使
https://venezuela.or.jp/news/2198/
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。