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貿易摩擦、米印に波及 安全保障でもきしみ/日経デジ
南西ア・オセアニア 2019/6/20 19:30
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46361340Q9A620C1FF2000/
【ニューデリー=馬場燃、ワシントン=鳳山太成】世界経済を揺るがす貿易摩擦が米印にも波及している。6月上旬、米国がインドの市場開放が不十分だとして関税優遇措置を停止すると、インドはただちに報復措置を発動した。両国は中国けん制で協力関係にあるが、インドによるロシア製兵器の購入を巡り、きしみも出てきた。24日からはポンペオ米国務長官がインドなどアジア歴訪を開始するが、事態収拾につながるかは不透明だ。
米政府がインド人技術者向けのビザ発給制限検討を伝達――。ロイター通信は19日、インド政府高官の証言をもとに、米政府がハイテク産業などで働くインド人技術者向けのビザ発給を大幅に減らす計画を伝えたと報じた。
実現すれば、米国がインドに対して決めた6月上旬の「一般特恵関税制度(GSP)」からの除外に続く打撃となる。GSPとは、発展途上国の経済発展を促す目的に途上国から米国への輸入にかかる関税を一部免除する制度のこと。
米国は、GSPからの除外理由として「(インドでは外資に対して)合理的な市場アクセスが提供されていない」との不満がある。例えば、インドではアマゾン・ドット・コムのネット通販事業や小売事業を厳しく制限していることがある。インドでは国内の小規模小売事業者を守るため、アマゾンなどが資金力を武器に自ら大量に商品を仕入れて安値で消費者に直接販売することは禁じられている。さらに米企業に、インド国内にデータ移管を強制する政策などへの不満もある。
一方、インド政府はGSPからの除外を受け、16日に米国から輸入するリンゴやアーモンドなど28品目を対象に関税を引き上げた。
2018年の米印間の貿易総額は1420億ドルと過去5年で5割近く増えた。米側の貿易赤字は300億ドル(約3兆2400億円)前後で推移する。
自国の貿易赤字を「不公正」とみなすトランプ米大統領は18年3月に鉄鋼・アルミニウムの関税をほぼ一律で引き上げた。欧州連合(EU)などは対抗措置に動いたが、当時インドは対応を留保した。しかしインドは今回は即座に反応し、報復措置を発動した。
米中の貿易摩擦は米国が中国から輸入するほぼ全品目(5000億ドル超)を追加関税の対象に含めると表明するなど激化の一途をたどっている。
こうした動きから印大手コタック証券は「市場は米国が貿易戦争を多くの国に広げたことに不安を感じている」と指摘する。インドでは今後、主力産業の製薬やIT(情報技術)が米国の標的にされるとの懸念がある。
「ある時点で協力関係について戦略上、重要な決定が下されなければならない」。米国務省高官は13日の米議会証言で、インドが進めるロシア製地対空ミサイルシステム「S400」の購入への懸念を改めて表明した。
発言の念頭にあったのが同じ日、中央アジア・キルギスの首都ビシケクで開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議だ。出席したインドのモディ首相はロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席と個別会談に臨み関係強化で一致した。モディ氏とプーチン氏が抱擁を交わす場面もあった。
米国にとってインドは日豪とも連携して中国をけん制する「自由で開かれたインド太平洋」戦略の要だ。インドを追い詰めて、中ロに接近させるのは得策ではないとのジレンマもある。
ポンペオ米国務長官は25日にもインドのジャイシャンカール外相と会談する。28日から大阪市で開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)では、トランプ氏とモディ氏が会談する可能性もある。米側はS400導入を撤回させようと圧力をかけるが、通商と安保の両面で浮上し始めた溝を埋める作業は容易ではない。
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