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ロシア汚職追及記者、異例の解放はプーチン体制終焉の始まり(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/588.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 6 月 12 日 22:45:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ロシア汚職追及記者、異例の解放はプーチン体制終焉の始まり
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/post-12301.php
2019年6月12日(水)18時00分 エイミー・マッキノン ニューズウィーク


捜査は打ち切りで自宅軟禁も解けた。愛犬や支援者らと祝うジャーナリストのゴルノフ(6月11日) Shamil Zhumatov- REUTERS


<体制批判で知られる記者を逮捕したロシア当局が、メディア界の猛反発を受け数日で捜査を打ち切った。これは何を意味するのか>

ロシアの内務省は6月11日、調査報道で有名なジャーナリストのイワン・ゴルノフに対する捜査の打ち切りと自宅軟禁の解除を発表。警察幹部2人が更迭されたことを明らかにした。ロシア当局がこのように態度を180度翻すのはきわめて異例だ。

普段は強気のウラジーミル・プーチン大統領のドミトリー・ペスコフ報道官も、「間違いは常にあるものだ」と、珍しく当局のミスを認めた。

6月6日に麻薬密売容疑で逮捕したゴルノフを5日後に釈放するという当局の驚くべき決断は、国内のジャーナリストや市民、そして国際社会からの抗議を受けてのことであり、ロシア政府がこのところの支持率低下に神経質になっていることを示している。

ゴルノフの逮捕に対する反発で政権が倒れる可能性はないだろう。だが今回の顛末は2024年に予定されているプーチンの退任を前に、国民が抗議の声を上げ、プーチン後の体制を問い直す気運が盛り上がり、19年の長きに渡るプーチンの独裁的な政治体制にほころびが見えてきた現状を浮き彫りにした。

「現在の制度が国内、国外からの圧力の下できしみ、うめきを上げている兆候だと私は思う」と、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのスマーク・ガレオッティ名誉教授(スラブ・東欧研究)は言う。

■捜査対象から脅されていた

プーチン大統領は厳重に管理されたトップダウンの統治スタイルで知られているが、よく言われるような全能の権力者ではない。ダニエル・モーガン国家安全保障大学院(ワシントン)のユバル・ウェーバー准教授によれば 「水面下ではたくさんのことが起こっている」。物事がうまくいかないときは、プーチンが介入し、解決せざるをえない。

プーチンは、ジャーナリストや野党政治家、活動家に日常的に嫌がらせし、投獄し、ときには殺害さえするシステムを創り上げ、仕切ってきた。

だがゴルノフの逮捕は、 彼の調査報道で利権を脅かされると考えた共産党政治局の中堅幹部の仕業らしい。ゴルノフの逮捕が引き起こした抗議があまりにも大規模だったため、誰が命じたにせよ、政治的なリスクが大きくなりすぎ、バランスが崩れた。そこでトップからの命令で異例の決定を余儀なくさせられたのだと、ウェーバーは言う。

ゴルノフが所属する独立系ニュースサイト「メドゥーザ」のイワン・コルパコフ編集長は、オンラインで声明を発表。ゴルノフが13カ月間取り組んでいた調査の対象から脅されていたことを明らかにした。捜査対象の氏名は発表しなかったが、ゴルノフは拘束される前に編集者に記事の草稿を提出していたという。

ゴルノフの逮捕に対する抗議に関しては、独立系ジャーナリストと国営メディアの記者たちとの間に団結と連帯が生まれるというきわめて珍しい事態が起きた.

6月10日の午後、主要な国営テレビ2社のジャーナリストたちは、ゴルノフの容疑に対する疑問をカメラの前で口にした。ロシア外務省のマリア・ザカロワ報道官はゴルノフ釈放の発表を聞いて「涙が出た」と自身のフェースブックに書いた。

ただ、政府に近い人々がゴルノフ釈放を支持する態度を公然と見せたのは、この問題を政府と切り離すために政府が仕掛けた作戦かもしれない。

「国営企業の記者たちは完全に独立して行動しているわけではない」と、欧州政策分析研究所のマリア・スネゴバヤ研究員は言う。ゴルノフの逮捕の責任を警察幹部数人に押しつければ、不満のはけ口を作り、プーチンの政治体制全体に対する監視と追及の目をごまかすことができる。

プーチン退任の時が刻々と迫る一方、後継者についてはまったく未知数の状態が続いている。先の見えない将来に直面した政府当局者や有力な新興財閥は自らの権力を強化し、蓄えを増やそうとするため、党の中堅幹部が率先して動く今回のような事例が増える、と専門家は考えている。

■プーチン主義は停滞

「人々は基本的にプーチン政権の終焉に備えて準備をしている。トップが帰趨を明らかにするまで、ますます多くの人々がいわゆる『囚人のジレンマ』に陥っていることに気づくことになるだろう。彼らは誰かに先を越されて損をする前に、自分から行動しようと考える」と、ウェーバーは言う。

ロシアの権力システムはゆっくりと共食いをし始めていると主張するのはロシアのアナリスト、タチアナ・スタノバヤだ。その証拠となるのは、今年、ロシアとのビジネス上のもめごとの最中に逮捕されたアメリカ人投資家マイケル・キャルベイをはじめ、元官僚や著名人の逮捕が急増しているという事実だ。

「プーチン主義は『停滞』の時代に入った」と、ガレオッティは言う。「停滞」とは、旧ソ連のブレジネフ政権の時代について使われた言葉だ。

「昔は官僚たちも、政府に忠実に尽くすことが一番自分の利益になると思っていた」とガレオッティは言う。

だが、国際的な孤立や経済成長の鈍化、そして大統領が外交面での冒険主義に気を取られていることなどから政治体制が揺らぎ、政府は以前ほど忠実な人々に報いることができないばかりか、反乱がこわくて逆らう者を思い切って処断する力もなくなっている、とウェーバーは言う。

ロシア政府は今回、事態が拡大するのを防ぐために迅速に介入したのだろう。だがそれは、ロシア人に大きな教訓を与えることにもなった。抗議には効果があるということだ。

ゴルノフの逮捕で沸き起こった怒りが消滅するのか、それともさらなる行動に向けられるのかは、まだわからない。ゴロノフが所属しているメドゥーザが発表した声明にはロシアのジャーナリズム界の大物たちが署名をしている。それは挑戦的な語調で締めくくられている。「これは始まりに過ぎない。ここで起こったことが二度と誰にも起こらないようにするためには、これから多大な努力をしなければならない」

From Foreign Policy Magazine












 

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コメント
1. 赤かぶ[17358] kNSCqYLU 2019年6月12日 22:45:46 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[7423] 報告


2. 赤かぶ[17359] kNSCqYLU 2019年6月12日 22:46:20 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[7424] 報告


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