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制裁措置により失われていく人命:米国の経済封鎖がベネズエラ国民を死に至らしめる仕組み(teleSUR)
http://www.asyura2.com/19/kokusai26/msg/519.html
投稿者 肝話窮題 日時 2019 年 6 月 01 日 23:13:03: PfxDcIHABfKGo isyYYouHkeg
 

teleSUR English 2019年5月30日

米国の対ベネズエラ制裁によって命を落とした人々がいる。必要な物資を入手できずに命の危険に曝され続けている何百万人もの人々がいる。それが、今のベネズエラだ。

米国は、ニコラス・マドゥーロ政権を屈服させようとしてベネズエラ制裁を強化し続けてきた。しかし、この制裁の最大の犠牲者はベネズエラに暮らす一般の人々である。2019年4月、制裁による死者は4万人に達するとの調査報告書を、米国のシンクタンク、経済政策研究センター(CEPR)が発表した。

今年1月23日、野党議員ファン・グアイドは民主的に選出されたニコラス・マドゥーロ大統領の転覆を企てたが、このときから米国の対ベネズエラ制裁はさらに過酷を極めた。

しかし、この制裁が永年の企ての蓄積の上に築かれたものであることを忘れてはいけない。石油資源に恵まれた南米のこの国で数十年前に左翼政権が誕生して以降、米国の歴代政府はこれを葬り去ろうと画策し続けてきた。そして今から約5年前にはベネズエラの主権侵犯に手を染め、現在発動中のベネズエラ制裁の下地を作った。

2015年、バラク・オバマ大統領(当時)はベネズエラが「アメリカ合衆国の国家安全保障にとって異例かつ重大な脅威」であるとする大統領令に署名し、対ベネズエラ制裁発動の要件を満たしたのである。

そして、ドナルド・トランプは大統領就任のわずか数ヵ月後に対ベネズエラ制裁を強化し、経済封鎖をさらに強めたのだが、それが引き起こした結果は途轍もなく甚大なものであった。

「制裁は人々の生活と健康にきわめて深刻な害を及ぼしており、その度合いは拡大の一途を辿っている。2017年と2018年の両年だけでも4万人以上の人命が失われたと推定される」と上述のCEPR報告書は記している。

4万人以上という数字は、抗レトロウイルスの治療を2017年以降受けられなくなったHIV患者が推定8万人いること、人工透析を必要とする患者が約1万6千人いること、癌患者が約1万6千人いること、糖尿病や高血圧症を患う約4百万人のうち多くの患者がインシュリンや循環器系の薬剤を入手できなくなったこと、などに基づいて算出されている。

CEPR報告書はさらに次のように指摘している。「これらの制裁は、米国も調印国となったジュネーブ、ハーグ両国際条約が禁止する一般市民に対する集団的懲罰の定義に合致するであろう。また、国際法や米国が署名した諸条約に照らしても違法であるばかりか、米国国内法を冒涜しているように思われる。」

医薬品や食料や医療機器を輸入調達するには外国為替が不可欠であること、従って、石油輸出で外貨を獲得することが不可能になったとき、ベネズエラ国民に基本的医療を施すための原資が途絶えてしまうこと、そして救命物資さえも輸入できなくなることを、同報告書は指摘する。

全国生活実態調査(ENCOVI; Encuesta Nacional de Condiciones de Vida)の結果を見ると、医薬品の欠乏により、あるいは十分な医療体制を整えられないことにより危険に曝されている人々は30万人以上に達する。
 
医療分野の物資不足に止まらない。食料不足もまた人々に深刻な影響を及ぼしている。さらに、水や衛生用品のような基本的な必需品の不足による罹患率の上昇、あるいは死が早まるリスクの増大なども、この実態調査から浮き彫りにされている。

国連は、これらの影響を最も受けやすいのは子供たちであり、また妊婦や高齢者や先住民の人々や女性や思春期の少女や障害を抱える人々であり、そしてLGBTQの人々であると指摘している。

ラテン・アメリカ人権社会開発財団(FUNDALATIN)のEugenia Russian総裁は、人々の生命が深刻な脅威に曝されていると述べ、経済封鎖を強く非難した。
 
同総裁はこの5月、5人のベネズエラ人の子供およびその家族と一緒にアルゼンチンへ渡った。この子供たちは深刻な肝疾患を抱えているにもかかわらず、経済封鎖の影響で専門的な医療支援を受けることができなくなったため命の危険が生じたのである。
 
ベネズエラの国営石油会社PDVSAとイタリア政府との間では、過去10年以上にもわたって医療協力に関する取り決めが実施されてきた。この取り決めに基づき、骨髄移植が必要なベネズエラの子供たちをイタリアに送って移植手術を受けさせていた。

この取り決めはPDVSAの子会社であるCITGOを通して実施されていた。ところが、トランプ政権がここへきて攻撃的な制裁措置を発動したことにより、2019年1月、CITGOの所有する資産70億ドルが凍結されてしまった。

子供たちの治療のために送金されるはずの資金が、これによりブロックされたのである。また今年5月には、ポルトガルのノボ銀行が制裁を理由にベネズエラからの17憶ドルの送金の受け入れを停止した。ベネズエラのアレアサ外相は、この17憶ドルで医薬品と食料を購入する手はずになっていたのだと語った。

ベネズエラの公的医療制度の下で、骨髄移植は国の負担で行われ、約397件がこれまでの実績として上がっている。骨髄以外の病気でも、これまでに487名の患者が移植を伴う医療措置を国の負担で受けてきた。
 
治療のためアルゼンチンへ行った子供たちの場合も、この公的医療制度に基づき国が費用負担している。ベネズエラで何通りかの医学的評価が行われた結果、この5組の家族はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに所在するイタリアの病院で移植と移植後の治療を受けることになった。

国連および国連の専門家たちも米国による制裁措置を繰り返し非難してきた。国連特別報告者で、ベネズエラの実情に詳しいアルフレッド・デ・ゼイヤス氏は、これらの制裁は「人道に対する罪」であると語った。

「経済面での制裁や封鎖は、中世の都市攻囲の現代版と言えるでしょう。但し、21世紀における制裁は、単に一つの都市に止まらず、主権を有する国々を屈服させようとしています」とゼイヤス氏は語った。

(以上、文責投稿者)


原文出所
https://www.telesurenglish.net/news/Sanction-to-Kill-How-US-Blockade-Is-Taking-Venezuelans-Lives-20190529-0014.html  

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コメント
1. 2019年6月01日 23:56:33 : kMWidN0s9c : Z3BJUHdLNlg0cW8=[59] 報告
故チャベス大統領は、国連で当時のブッシュ大統領のことを悪魔に例えて演説をした。

そのとうりだった。

2. 2019年6月03日 20:49:37 : D0QUl32qUN : OWczZmhIbUhDL3c=[104] 報告
奪い取れ 立ち往生に 追い込んで

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