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朝鮮で対米交渉を担当していた外交官が処刑されたという報道の信憑性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201905310000/
2019.06.01 櫻井ジャーナル
ベトナムのハノイで今年(2019年)2月27日と28日にかけて行われた朝鮮とアメリカの首脳会談で実務交渉を担当していたという国務委員会対米特別代表の金赫哲が処刑され、対米交渉を総括していた金英哲労働党統一戦線部長は「革命化措置」(強制労働および思想教育)を受けたと韓国で報じられている。ドナルド・トランプ大統領との交渉が決裂したことに金正恩労働党委員長はショックを受け、その責任を問われたとしている。 朝鮮側の説明によると、その交渉で朝鮮が制裁を部分解除する条件として核施設の廃棄を提示したところ、アメリカ側は拒否し、核プログラムの完全的な廃棄を要求、さらに生物化学兵器も含めるように求めたという。トランプ大統領は金正恩が核施設を廃棄する見返りに経済制裁の全面解除を求めたとしているが、これは正しくないようだ。 アメリカ政府は朝鮮との交渉で合意しようという意思が会ったとは思えない。そうした交渉姿勢を決めたのはマイク・ポンペオ国務長官とジョン・ボルトン国家安全保障補佐官だったと見られている。アメリカに従属しなければ破壊するというスタンスだ。 この当時、朝鮮はすでにロシア、中国、韓国と連携、アメリカとの交渉についても話し合っていたはずである。2018年3月26日に金委員長は特別列車で北京へ入り、釣魚台国賓館で中国の習近平国家主席と会い、4月27日には韓国の文在寅大統領と金正恩委員長が板門店で会談している。 ロシアが朝鮮にアプローチしたのはさらに早く、2011年の夏にはドミトリ・メドベージェフ首相がシベリアで朝鮮の最高指導者だった金正日と会っている。その際、ロシア側は110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにし、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると提案している。朝鮮は資源の宝庫。豊かになれる可能性を秘めた国なのだ。 ロシアや中国はユーラシア大陸に鉄道網を張り巡らせ、エネルギー資源を運ぶパイプラインを建設しようという計画を持っている。朝鮮が同意すれば、朝鮮半島を縦断する鉄道とパイプラインを建設できる。これらは中国の一帯一路に連結する。 この提案を金正恩の父、金正日は受け入れたのだが、2011年12月に急死してしまう。朝鮮の国営メディアによると、12月17日に列車で移動中に車内で急性心筋梗塞を起こして死亡したというが、韓国の情報機関であるNIS(国家情報院)の元世勲院長(2009年〜13年)は暗殺説を唱えていた。 このロシアの提案は中国や韓国を巻き込み、昨年3月に動き始めた。残る課題は制裁(経済戦争)。その黒幕はアメリカ支配層にほかならない。 アメリカやイギリス、つまりアングロ・サクソンの支配層が東アジア侵略を本格化させるのは19世紀。アヘン戦争からだ。この戦争でイギリスは中国(清)に勝利したが、それは海での戦い。内陸部は制圧できていない。戦力が足りなかった。 そこで目をつけられたのが日本。つまり日本人を傭兵にしようとしたわけだ。そして実行されたクーデターが明治維新。李氏朝鮮は中国侵略に加担しなかった。 その後、明治政府は琉球併合、台湾派兵、江華島事件、日清戦争、日露戦争へと進み、中国侵略。1932年には中国東北部に傀儡国家の満州国を樹立、39年にはソ連へ侵略しようと試みてノモンハン事件を起こし、惨敗する。 そしてソ連侵略を諦めることになるが、それはアングロ・サクソン支配層の意向に背く行為であり、対立が生じる。イギリスが植民地化していた東南アジアへ向かえば、その対立は決定的。そして真珠湾攻撃でアメリカとの戦争が始まる。 ここで注意しなければならないのは、アメリカが一枚岩ではないということ。1933年3月から45年4月まで続いたフランクリン・ルーズベルト政権はファシズムを敵視、ソ連とは連携しようとしていた。 それに対し、1933年から34年にかけて反ルーズベルト政権のクーデターを目論んだウォール街の巨大金融資本は反コミュニストでナチスのスポンサーでもある。この金融資本はファシズム体制の樹立を計画していた。(スメドリー・バトラー少将やポール・フレンチ記者の議会証言) ウォール街と同じようにソ連を敵視していたのはイギリスのウィンストン・チャーチル首相。ルーズベルト大統領が急死した翌月、ドイツが降伏した直後にチャーチルはソ連を攻撃する作戦を立案するように命令、アンシンカブル作戦ができあがる。米英軍数十師団とドイツの10師団がソ連を奇襲攻撃することになっていた。 明治時代と同じように、日本はアングロ・サクソンの中国侵略に手を貸し、朝鮮は勿論、韓国も第2次朝鮮戦争や中国との戦争を避けようとしている。アングロ・サクソンが日本を支配する仕組みである天皇制官僚体制が続く限り、この構図は変わらないかもしれない。 ところで、ハノイでの会談から2カ月後の4月24日、金正恩委員長は列車でウラジオストックを訪れた。25日にはロシアのウラジミル・プーチン大統領と会談に入る。その際、プーチン大統領は金委員長によるアメリカとの「関係正常化の努力」と韓国との対話を歓迎したという。ハノイ会談自体、プーチンが演出した可能性がある。 そうした会談が決裂したことに金正恩が大きなショックを受けたとは思えない。現段階では処刑されたのかどうかは不明で様子を見るしかないのだが、金赫哲が処刑されるような状況にあるとは思えない。 |
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