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・WEB 特集 “第2の国民投票”とEUの悪夢〜与党のメルトダウン/nhk
2019年5月21日 17時45分英 EU離脱
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190521/k10011923411000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_015
抜けようとしている組織に代表団を送り込む。イギリスではそんな不思議な選挙が今月23日に行われます。EU=ヨーロッパ連合の議会の代表を選ぶ5年に1度の選挙です。しかしイギリスはそのEUから、いかに離脱するかで国内が真っ二つに割れています。多くの政党は公約・マニフェストさえ発表できず、選挙戦は政策論争というよりも、離脱できない責任をなすりつけようとする感情のぶつけ合いとなりました。「議会制民主主義の発祥」を自認し、日本にとってお手本ともされてきたイギリス。いったいどうなっているのでしょうか。
(ロンドン支局長 税所玲子)
“ミニ・トランプ”
今回の選挙戦で台風の目となったのが、その名も「離脱党(ブレグジット党)」。立ち上げたのはナイジェル・ファラージュ氏です。
このファラージュ氏、3年前のEU離脱をめぐる国民投票ではそのカリスマ性を発揮して「EUからイギリスの主権を取り戻し、独立しよう」と訴えました。離脱派を勝利に導いた立て役者の1人とされています。
国民投票の後、政界から引退すると表明していましたが、離脱をめぐる混迷が深まる中、鮮やかに表舞台にカムバック。離脱党を立ち上げました。
「離脱を成し遂げないのは国民に対する指導層の裏切りだ。2大政党がこの偉大な国を衰退させている。われわれは民主主義の革命を起こす」
「この国はライオンのはずなのに、率いているのはロバみたいな連中だ」
アメリカのトランプ大統領と親交があり、「ミニ・トランプ」とも呼ばれるファラージュ氏。3年前の国民投票について、「民主主義が実践されたのに庶民の気持ちがわからないエリートが妨害している」と主張。トランプ大統領と同じように、「権力者」対「国民」という対立構図を打ち立てています。
離脱をめぐって混迷が深まる中、「EUとの合意なんかなくても離脱すればいい」と単純な答えを提示し、いつまでたっても離脱できない状況にいらだつ市民に訴えかけます。
「党名がすべてを示している」として、マニフェストもなし。メディアの追及も、意に介す様子はみせません。
4月に行われた離脱党の旗揚げ集会。会場がざわついたのはファラージュ氏が誇らしげに保守党の有名議員の妹や、保守党の大口献金者を候補者として紹介した瞬間でした。ファラージュ氏による与党・保守党の切り崩しは、もうすでに始まっていたのです。
離脱党は各地の選挙区で活動を続け、着々と支持を拡大させています。
残留派も「われこそ民主主義」
EUへの残留を願う人々も新党を立ち上げました。名前は「チェンジUK」。保守党と労働党、それぞれの党の離脱方針に反対し、「第2の国民投票」の実施を求めて党を飛び出した下院議員が中心メンバーです。
BBCの元名物キャスター(右)もチェンジUKの候補者に
公共放送BBCの元名物キャスターや大学教授などが、候補者に名を連ねます。
「ファラージュ氏の台頭を止めよう、離脱を止めよう」
ロンドンの街頭ではこう呼びかけて、ファラージュ氏のような大衆迎合主義のポピュリストの広がりを防ごうと訴えていました。
チェンジUKも主張の土台は「民主主義」です。「考えを変えることができるのも民主主義。離脱がいかに困難かわかった以上、もう一度、国民に問うことこそ民主主義だ」と主張します。
与党のメルトダウン
危機的な状況に追い込まれているのが与党 保守党です。国民投票の後、首相の座に就き、離脱交渉を率いたメイ首相は迷走に迷走を続け、離脱期限はことし10月まで延期。離脱がいつ実現できるのかもわかりません。
離婚協議にたとえられる離脱交渉。片方が「離婚したい」、もう一方が「離婚したくない」と言っているのが今のイギリスです。46年続いてきた結婚ですから、経済関係やら市民の権利やら、今後に向けて解決すべき問題は山ほどあります。
メイ首相は離脱派も残留派も折り合える案を模索しましたが、それはとりもなおさず、どちらにとっても中途半端で、支持は得られませんでした。
いつまでも結果が出ないことに市民は不満を募らせています。ロンドンに暮らすアナ・スパーニー・クラークさん(53)。18歳の時から保守党を支持し、国民投票では「離脱」に票を投じました。
EUに言いくるめられたメイ首相は離脱交渉に失敗したと考え、地元選出の保守党議員に3回手紙を書きましたが、あいまいな返事しか戻ってきませんでした。
「自分は無力なんだと感じました。私の一票なんか意味はないんだと。だったらどうして投票するの?とさえ思いました。でも、離脱党に出会い、その無力感は消えました」
クラークさんは保守党に見切りをつけ、離脱党に入党。保守党に投票することはもう二度とないだろうといいます。
保守党も離脱党同様、今回の選挙でマニフェストはありません。離脱党から切り崩され、決起集会すら開けず、選挙活動も行き詰まっています。
街頭にたつ候補者は「離脱の混乱の責任を取れ!」と有権者から怒鳴りつけられていました。
保守党では6割を超える党員が離脱党に投票するという調査結果もあり、党内では危機感が高まっています。
怒号飛び交う中で…
離脱派、残留派がともに「民主主義」を振りかざす選挙戦。主要政党が一堂に会して開かれた討論会では冒頭から怒号が飛び交いました。
対立する意見は「全くのうそ」と切り捨て、互いの発言をさえぎり、EU残留派の候補には「裏切り者」「偽善者」とのやじが飛ぶ。候補者は有権者を指さし、「君たちのような人の脅しには屈しない」とすごんでみせる。
民主主義は「事実に基づく議論」と「異なる意見の尊重」に支えられると考え、子どもの時からディベートの習慣をはぐくむイギリス。そのイギリスの選挙集会で、「感情」対「感情」のぶつけ合いを初めて目の当たりにし、私はがく然としました。
ヨーロッパの悪夢
ひたすら離脱問題にエネルギーが注がれる今回の選挙戦。イギリスでは離脱をめぐる「第2の国民投票」と同じ意味合いを持つとも言われています。
ただ選挙の結果はイギリスだけでなく、EUの将来にも影を落としかねません。選挙直前の世論調査では、離脱党がほかの党を引き離してトップの支持を得ています。このまま離脱党が圧勝すれば、「国民は”合意なき離脱”を望んでいる」と解釈されかねません。
メイ首相の辞任がもはや時間の問題だと言われる中、次のリーダーは、離脱党に流れた票を取り戻そうと、EUに強気の姿勢を示すとみられます。
その結果、離脱に向けたEUとの話し合いは決裂し、秋には、何の取り決めもないまま「合意なき離脱」に陥るのではないか。そんな「悪夢のシナリオ」がささやかれています。
離脱にエネルギーを吸い取られているかぎり、格差や医療福祉、年金といった社会問題に向き合う時間は生まれません。その結果、政治への不信がさらに深まっていきます。イギリスが誇る「民主主義」のきしむ音が至るところで聞こえてきます。
・英首相がEU離脱巡り新提案、国民投票再実施も 先行き不透明/msnニュース
2019/05/22 01:42
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e8%8b%b1%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%81%8c%ef%bd%85%ef%bd%95%e9%9b%a2%e8%84%b1%e5%b7%a1%e3%82%8a%e6%96%b0%e6%8f%90%e6%a1%88%e3%80%81%e5%9b%bd%e6%b0%91%e6%8a%95%e7%a5%a8%e5%86%8d%e5%ae%9f%e6%96%bd%e3%82%82-%e5%85%88%e8%a1%8c%e3%81%8d%e4%b8%8d%e9%80%8f%e6%98%8e/ar-AABGQbr?ocid=iehp
[ロンドン 21日ロイター] - 英国のメイ首相は21日、6月上旬に予定している欧州連合(EU)離脱案の4回目の採決に向け、新たな提案を示した。離脱を巡る国民投票再実施の可能性に言及したほか、関税同盟でも譲歩するなど、野党への配慮がにじむ。ただ最大野党の労働党などはすでに難色を示しており、先行きは依然不透明なままだ。
メイ首相は「議会承認を得るための採決が3回実施されたが、政党を超えた合意が得られなければ、英国はEUを離脱しないということが現実だ」と指摘。「全党、全議員に申し上げたい。私は譲歩した。今度はあなた方に譲歩をお願いしたい」とした上で「国民からは(EU離脱という)明確な付託を受けている。どうか国民の付託に応える方法を見い出すために協力してほしい」と訴えた。
また離脱協定案には、EU離脱の是非を問う2回目の国民投票を実施するかどうかについて議会に諮ることを要件とする項目が含まれると明らかにした。
これに対し、労働党のコービン党首は、首相の提案は「おおむね従来案の二番煎じ」にすぎず、党として賛成できないと表明。与党・保守党内でもデービス元離脱担当相やリースモッグ議員といった強硬派らが反対の意向を示した。北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)は「致命的な欠陥」が払拭されていないと指摘した。
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