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非は中国にあるとするNHKサブリミナル原稿
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2019年5月11日 植草一秀の『知られざる真実』
米中の貿易戦争が再び激化している。 トランプ大統領は中国から米国への2000億ドル相当分の輸出に対する25%関税の発動を決めた。 さらに、残りの3300億ドルの輸出に対しても25%の関税をかける方向で手続きに着手した。 5月8−9日に予定されていた米中の閣僚級会合を目前に控えて、トランプ大統領が5月5日に2000億ドルに対する関税率25%発動の方針を表明した。 中国は反発の方向性を示したが劉鶴副首相の訪米を取りやめなかった。 訪米日程を1日ずらし、閣僚級会合は1日遅れの9−10日に実施された。 中国問題に造詣の深い筑波大学名誉教授の遠藤誉氏による解説が異彩を放っている。 「トランプ「25%」表明に対する中国の反応と決定に対する中国の今後の動向」 https://bit.ly/2JjXPqn 遠藤氏は5月9日付環球時報社説を紹介する。 「米国は“鴻門宴”を開こうとしているが、中国に脅しをかけても無駄だ」https://bit.ly/2JfymxX 遠藤氏の記事から引用させていただく。 「「鴻門宴」とは、日本語では「鴻門の会」と表現することが多いが、紀元前206年、項羽が鴻門で宴を催した際、剣舞にことよせて劉邦を殺そうとした史実を指す。転じて、「客を招待しておきながら、計略を巡らせて政治的取引をすること」を意味する。」 「剣舞を装って殺されてなるものかとばかりに、中国商務部が報道官の談話として8日、米国の関税率引き上げに対し「対抗措置を講じざるを得ない」と発表したと書いている。報復関税の発動があり得るということだ。 環球時報は「しかし中国の態度は冷静で、劉鶴副首相ら通商交渉団は予定より1日遅らせて訪米の途に就いた。これこそが中国人の意思表示の方法なのだ」と続ける。 そして「中国はもちろん合意に至りたいと思っているが、米国はもっと合意に至りたいと切望している。 (中略)しかし米国がもし関税衝突のゴングをどうしても鳴らすというのなら、中国は徹底してお付き合いしましょう。 貿易戦争などしたくはないが、しかし貿易戦に入ることを中国は少しも怖がっていないし、戦わなければならない時もある。 中国のこの姿勢は一貫して変わっていない」と結んでいる。」 トランプ大統領のいきり立つ姿を中国が冷静に見つめている姿が浮かび上がる。 中国からのすべての輸出に25%の関税をかけるというのは、基本的に自由貿易をやらないとの意思表示である。 また、「産業補助金の禁止」や「民間企業同士の技術移転禁止」を米国が求めていることは正当な主張とは受け取られない。 NHKは5月11日午後7時のニュースで「中国が歩み寄らなかった」と表現したが、このあたりがNHKの腐敗を示している。 米中が交渉して妥結に至らないのは双方の姿勢によっている。 「中国が歩み寄らないから交渉が妥結しない」と受け取れる表現をNHKは意図的に用いているのだ。 客観的に見て勝負はついている。 非は米国の側にある。 中国はこの認識に立って、米国があくまでも乱暴を働くなら、受けて立つとの姿勢を示したのだ。 脅しに屈しない鮮明な姿勢を中国が示している。 中国はこれまでに大きな譲歩を示している。 技術移転の強要を禁止する法律を制定した。 しかし、民間企業が民間企業同士の契約で技術移転することを禁止することに正当な根拠が存在しない。 だから中国はこれを否定している。 産業補助金の禁止も不当な内政干渉である。 トランプ大統領はどの国も自国産業を守る権利があることを大統領選のさなかに訴え続けた。 この主張は正当である。 しかし、そのトランプ氏が中国国内の産業補助金を禁止せよと要求するのは筋が通らない。 25%関税で中国経済に重大な悪影響が生じると考えられるが、米国が無傷でいられるわけがない。 経済音痴の日本経済新聞も中国に比べて米国の打撃が小さいとの誤判断を見出しに記事を掲載したが、先に降参するのが米国であることは明白だ。 トランプ大統領が何よりも嫌う株価下落圧力が急激に高まるはずだからだ。 |
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