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弱みを握る
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2019.05.06 櫻井ジャーナル
J・エドガー・フーバーは1935年3月から72年5月に死ぬまでFBI長官の座にあった。その前、1924年5月から35年3月にかけては調査局の長官を務めている。37年間にわたってFBIのトップに君臨できたのは議員を含む社会に影響力を持っている人びとの弱みを握っていたからだろう。 弱みを握るためには個人情報を集める。基礎的にデータは勿論、通信の傍受、あらゆる手段を使った追跡、室内の盗聴や盗撮なども行う。電子的な監視システムが整備されつつある現在、情報は自動的に集められ、分析されているが、エレクトロニクス技術が発展する前、彼らはターゲットを絞っていた。 CIAと同じようにFBIも反戦運動を危険視。そうして傾向のある議員は排除している。例えば、「プライバシー侵害に関する上院小委員会」のエドワード・ロング委員長を攻撃する記事がライフ誌に掲載されたが、その黒幕はフーバー。議員は政治的にダメージを受け、1968年の選挙で落選している。 アメリカが警察国家的な色彩を帯びつつあることに危惧を抱き、フーバーと衝突していたコーネリアス・ギャラガー下院議員も1967年の秋、ライフ誌から攻撃されている。ギャラガー議員がマフィアと非常に親しく、定期的に顔合わせをしているとする捏造記事を掲載したのだが、事実ではなかった。翌年の8月にも議員がマフィアの手先で協力者だとする記事が掲載された。 電子的な情報活動の一端が明るみに出た1970年代にはフランク・チャーチ上院議員も警鐘を鳴らしている。同議員は1975年8月、NBCのミート・ザ・プレスという番組に出演、そこでアメリカ政府の通信傍受能力はアメリカ国民に向けられる可能性があり、そうなると人々の隠れる場所は存在しないと語っていたのだ。 逆に、フーバーと親しかった議員もいる。そのひとりがジョセフ・マッカーシー上院議員。フーバーはライバルのCIAを攻撃するためにもマッカーシーを使った。ジェラルド・フォードやロナルド・レーガンもフーバーと緊密な関係にあった。 それに対し、CIAの幹部でアレン・ダレスの側近のひとりとして有名なジェームズ・ジーザス・アングルトンはフーバーの弱みを握っていたと言われている。フーバーは部下と同性愛の関係にあったのだが、行為を撮影した映像を持っていて、何人かにそれを見せているという。 CIAはマフィアを手先として使っていたが、口封じのために何人かの大物は殺されている。例えばサム・ジアンカーナやジョン・ロッセリだ。 しかし、殺されなかった暗黒街の顔役もいる。例えばユダヤ系のメイヤー・ランスキーだが、この人物もフーバー長官を脅せる写真を持っていたとされている。 大統領選挙に勝利したジョン・F・ケネディはCIAの幹部と同じようにフーバーを解任する意向だったと言われている。大統領の意向を無視して独断で動く彼らは危険だという判断だ。 CIAのアレン・ダレス長官、チャールズ・キャベル副長官、リチャード・ビッセル計画局長は解任したが、フーバーに手をつける前にジョンとロバートのケネディ兄弟は暗殺された。 誰かを操るため、その人物の弱みを握るのは常套手段だ。情報機関や捜査機関だけでなく、犯罪組織、ビジネスの世界、あるいは個人でも使う。所属するタレントを拘束するために弱みを握る、場合によっては弱みを作るというようなことが行われていたという話を耳にする。今も続いているかどうかは知らない。 社会的に影響力のある人びとは庶民が行えば犯罪とされるようなことも許されるという。そうした仕組みは日本にもアメリカにもあり、トルーマン・カポーティは自身の作品である『叶えられた祈り』(川本三郎訳、新潮文庫)でその辺の事情を描いている。 その小説に登場するミス・セルフはある種のサービス業を営んでいるのだが、その仕事内容を説明する中で「客を脅迫したり、何か困らすようなことをしたら、とてもこわい報いが待っているわ。その報いって、ここをクビになるだけなんてなまやさしいものじゃないわよ。」と口にする。 逆に、もしその客を排除しなければならないと支配層が判断したなら、その行為が明らかにされるわけだ。どのような地位にあろうと、自分が法律を超越した特別な存在だとは思わない方が良い。 |
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