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コラム2019年4月7日 / 09:18 / 12時間前更新
コラム:アカデミー賞、ネットフリックスが告げる「幕引き」
Jennifer Saba
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[ニューヨーク 3日 ロイター BREAKINGVIEWS] - アカデミー賞の授賞式にはハプニングが付きものだが、今年はなんと米司法省が乱入した。司法省はアカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーに対し、ノミネート対象を映画館で一定期間公開した作品に限る規定変更は独占禁止法に抵触する恐れがあると警告した。
規定の見直しを支持するスティーブン・スピルバーグ監督のようなハリウッドセレブには嫌な知らせだが、ネットフリックス(NFLX.O)など動画ストリーミングサービスでハリウッドの守旧派を防戦一方に追い込んでいる企業にとっては追い風だ。
そもそもアカデミー賞には外部から見れば面妖な規定がある。例えば、作品のノミネートには「ロサンゼルス郡の映画館で連続7日以上有料上映されること」という条件が設けられている。さらにスピルバーグ氏が理事を務める米映画芸術科学アカデミーは規定を変更し、必要となる映画館での上演期間を延長することまで検討している。
司法省がこの問題に関心を示すのは妙なことだ。確かにノミネートに関する規定の見直しはネットフリックスなど、映画館で上映されていなくてもアカデミー賞を受賞してもおかしくないヒット作を生んでいる動画ストリーミングサービス企業にとって大きな打撃だろう。しかし米映画芸術科学アカデミーは民間団体であり、アカデミー賞の受賞が作品の延命、俳優や監督のステップアップにつながるとしても、規定変更は表面上、大事ではないようにみえる。
一方、スピルバーグ氏など業界関係者が心配を抱く理由はもっとはっきりしている。ネットフリックスは自社でテレビシリーズや映画作品を制作しており、アカデミー賞を巡るごたごたはネットフリックスの契約者獲得を後押しするだろう。ウォルト・ディズニー(DIS.N)のようなメディア大手もネットフリックスからコンテンツの提供を受けており、自前で動画ストリーミングサービスに乗り出す準備を進めている。ネットフリックスの作品「ROMA ローマ」はいくつかの映画館で上映され、ノミネートの規定を満たした。
ただ、アカデミー賞から動画ストリーミング企業を除外したところで、消費者の嗜好の変化という流れを押し戻せはしない。映画館ではなく自宅で映画を見る視聴者は増えている。米国映画協会によると、世界のホームエンターテインメント市場が映画市場全体に占めるシェアは57%に達しており、ネットフリックスやアマゾン(AMZN.O)などのオンラインビデオサービスが初めてケーブルテレビの契約者数を上回った。
好むと好まざるとに関わらず、ハリウッドは新たな終焉を迎えつつある。
●背景となるニュース
・米司法省はアカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーに書簡を送り、ノミネート対象を映画館で一定期間公開した作品に限る規定変更は独占禁止法に抵触する恐れがあると指摘した。
・規定が変更されると、ネットフリックスなどが手掛ける動画ストリーミングサービスは、一定の期間映画館で上映しない限り対象にならない。
・米映画芸術科学アカデミーの広報担当者はロイターの取材に対して司法省からの書簡を受け取ったことを認め、23日の会合で規定の変更について検討すると述べた。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/bv-column-academy-idJPKCN1RH0U3
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