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ワシントンはベネズエラでマイダン・シナリオを準備しているのだろうか?
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2019年4月 6日 マスコミに載らない海外記事
ロバート・ブリッジ
2019年4月1日
Strategic Culture Foundation
ベネズエラには世界最大の石油埋蔵量があり、それが、この国の政治的利害関係を、そうでない場合より遥かに高めている。そこで、来月、正当な(すなわち民主的に国民に選出された)ニコラス・マドゥロ大統領反対でベネズエラを結集させようと試みる、カラカスのワシントン傀儡指導者フアン・グアイド登場だ。
ベネズエラ野党リーダー、フアン・グアイドは、4月6日に、ニコラス・マドゥロ大統領を追い出すことを意図した、いわゆるオペレーション・フリーダム抗議の一環として、全国的「戦術行動」を開始すると発表した。
「4月6日は、全国的な#オペレーション・フリーダムの最初の戦術的な動きだ」とグアイドがツイッターで今週宣言した。「その日我々はしっかり用意し、まとまらなければならないが、支援・自由委員会も既に設立されている。我々がベネズエラを救う!」
これはマイダン2.0の始めだろうか?
だがまず、フアン・グアイドとは一体何者だろう? わずか数カ月前、ベネズエラ人の圧倒的多数、国民の81パーセントは、一度もこの若者について聞いたことがなかったのだから、一瞬熟考の価値がある疑問だ。35歳のグアイドが、ほかならぬアメリカのマイク・ペンス副大統領の電話で目覚めた時、全てが変化した。文字通り、ひと晩で彼はベネズエラの政治的敵対勢力の看板男、国民議会議長になった。「フアン・グアイドはこの状況のために作りだされた人物です」と社会学者でベネズエラ政治評論家マルコ・テルッギがGrayzoneに言った。「それは実験室の論理です − グアイドは正直に言って、滑稽と厄介の間を行ったり来たりする性格を作る要素がいくつか混合したもののようです。」
実際、ワシントンは、グアイドを単なる野党リーダー以上のものとして認めた。ベネズエラ(今週、マスコミが彼女を「ファーストレディー」「「次期ファーストレディー」」と呼んでいるように、グアイドの妻ファビアナ・ロサレスは、ホワイトハウスの主賓だった)の正当な大統領として、一片の合法性も下なしで、彼を認知したのだ。
一方、アメリカ・マスコミは、デジタル・レシートを投票者に渡す選挙が世界で最も透明で信頼できると考えられている国での静かなクーデターを「民主主義の回復」だと宣言し、若く未経験のグアイドの頭に直ぐさま月桂冠を置いたのだ。言い換えれば、マドゥロは大統領で、その座にいるが、それは民意のおかげで、マイク・ペンスの意志のおかげではないのだ。
それで、グアイドの組織的抗議が始まる4月6日、ベネズエラは何を期待するべきだろう? 何でもあり得るが、ベネズエラでの緊張を高めるような何らかの出来事や事件の可能性は軽視できない。過去に、トランプの国家安全保障担当補佐官ジョン・ボルトンが、もしグアイドに何かあれば「重大な結果」になると警告したのは気掛かりだ。
1月「繰り返そう。民主主義をくつがえして、グアイドに害を加えようとする連中は「重大な結果になる」とボルトンはTwitterで書いた。こうした類の恫喝には、細心の注意と、しかるべき配慮を払わなくてはならない。何が起きるだろうかについては、化学兵器攻撃に関して、越えてはならない一線に対する恫喝をした後、シリアで一体何が規則正しく起こったか思い出すだけで十分だ。想像通り、化学兵器攻撃が起き、それに対し、直ぐさまアメリカが、そういう事件に、アメリカによる宣言の後、なおさら、こうした手段を行使する多くの理由があるはずの寄せ集め反政府派テロリストではなく、政府の責任にした。言い換えれば、もしグアイドに何か面倒なことが起きれば、欧米は、何であれ想像力にまかせた方がよさそうなことをするための、完ぺきな口実を得ることになる。
フアン・グアイドの人気は衰えているように見える。今週、彼の自動車車列が、マドゥロ支持派の群衆に攻撃され、一方、彼の反政府行進の参加者数が、報じられるところでは減少している。カラカスは、彼の会計報告不正疑惑のかどで、15年間の公職追放措置をとった。会計検査官によれば、フアン・グアイドは、誰が推定94,000ドルを提供したか示さずに、90件の国際旅行をしている。
「我々は道路で継続するつもりだ」とグアイドは応えた。
一方、アメリカでは、多くの政府幹部が、カラカスで起きていることに対して、疑わしい関心ではないにせよ、非常に不健全な関心を抱いている。例えば、マルコ・ルビオ上院議員は、ベネズエラのどの反政府派より酷い暴言で、もっぱらベネズエラで起きていることばかりツイートしている。そうした嘆かわしい一例で、実際、ルビオは、妄想の余りに、リビア前指導者ムアマル・カダフィの惨殺以前、と事後の画像を掲載した。一枚目は彼が権力の座にあった時のもの、二枚目は、残酷に街頭の暴漢に殺される前の瞬間だ。暴力的な反乱を煽動しながら、聖書の文句を引用する奇妙な嗜好を持ったこの男が、共和党大統領候補者として立候補しているとは到底信じがたい。
ともあれ、グアイドを権力の座に押し上げて、彼が既に約束しているように、ベネズエラ石油産業を外国私企業に開放できるような危機を引き起こす何らかの計画がアメリカにあることを示唆するいくつかの出来事があった。
まず先月「人道支援」トラックが、コロンビアからベネズエラへ越えようと試みて、放火された、しっかり記録が残った事件がある。早速アメリカは事件をマドゥロの責に帰したが、実際に火炎瓶を使って攻撃を実行したのは反政府デモ参加者だったのを映像が示しているように思われる。
一方、窮地に立たされたベネズエラは、今月多数の停電が起きる不幸に見舞われ、マドゥロは素早くアメリカの責任にした。もちろん、グアイドは停電をマドゥロ政権の「無能」の責任にした。だが電灯が消えるたびに、アメリカの力だと信じるマドゥロは許されるべきかもしれない。実際このようなことは、ウィキリークスの大量の電子メールが示すように、何年も前、ウゴ・チャベス統治時代にさえ、政府を力づくで打倒する手段として、エネルギー供給問題が検討されていたのだ。下記電子メールは諜報情報分析企業ストラトフォーのものだ。
「現在、チャベスの弱さの鍵は、電力部門の弱体化だ。2010年4月という早い時期に、ベネズエラ配電網の約70パーセントを停止させる大きな可能性がある。貧しい人々を停電から守るためにチャベスができることは何もないので、これは一大転機になり得る。これはおそらく今までどの反政府派も引き起こそうと望んでもいなかった形で、社会的動揺を活性化する衝撃を与えるだろう。」
今、アメリカがどの程度、ベネズエラ送電網攻撃に心をそそられているかは誰にもわからないが、それは確かに不可能なことには思われない。これで、先週ベネズエラに到着した約100人のロシア人サイバー専門家の駐留で、なぜそれほどアメリカが混乱しているのかが説明できる。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、ベネズエラとロシアの関係は「ベネズエラの憲法に従い、ベネズエラ法律を完全に尊重して」行われると述べた。
ロシアが国境を接するウクライナで起きて、国際関係の破壊を引き起こし続けているマイダン蜂起のようなものが、カラカスでも起きるのを、モスクワが非常に嫌がっているのはもっともだ。その意味で、常識と良心のとがめが、石油権益のもとでのご都合主義や無法政治に打ち勝つのを世界は願っている。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/04/01/is-washington-preparing-the-groundwork-for-maidan-scenario-in-venezuela.html
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