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ビジネス2019年4月5日 / 23:53 / 1時間前更新
米雇用統計、3月は19.6万人増に持ち直す 景気懸念後退か
Reuters Staff
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[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が19万6000人増と、前月の17カ月ぶりの弱い伸びから加速した。温暖な気候を受け建設業などで雇用が増えた。米経済が第1・四半期に急減速したとの懸念が後退する可能性がある。市場予想は18万人増だった。
2月の数字は当初発表の2万人増から3万3000人増へ小幅に改定された。2月の増加数は17年9月以来の低水準だった。
今年の月間雇用増加ペースは平均で18万人と前年の22万3000人から鈍化したが、労働年齢人口の伸びを維持するのに必要な約10万人をなお上回った。
エコノミストらは19年の雇用の伸びが月々平均して15万人増となるとみている。
米国の求人数は約758万人。3月は22万4000人が労働市場から離脱したため、求人数は高止まりする可能性がある。労働力人口のうち就職している者もしくは求職中の者を表す割合、いわゆる労働参加率は3月に63.0%と2月の63.2%から低下した。2月は5年超ぶりの高水準だった。
時間当たり賃金は3月に前月比0.1%(4セント)増だった。前月は0.4%増加していた。3月の前年同月比は3.2%増。2月は3.4%増と、09年4月以来の大幅な伸びだった。3月は緩慢な伸びとなったことで、個人消費に関する不安が浮上するかもしれない。個人消費は1月に停滞した。
失業率は前月から横ばいの3.8%だった。連邦準備理事会(FRB)は年末までに3.7%になるとの見通しを示しているが、その水準に迫った。
平均週間労働時間は前月の34.4時間から34.5時間に増えた。
全米連邦信用組合協会(NAFCU)の首席エコノミストは「今回の統計は適温水準。雇用の伸びが持ち直して景気後退懸念が和らぎ、インフレ懸念を引き起こさない程度に十分堅調な形で賃金が増えた」と指摘。「金利据え置き姿勢を下支えする内容で、FRBには朗報」と話した。
ベレンベルク・キャピタル・マーケッツのエコノミストは「第1・四半期は困難に直面したが、第2・四半期のスタートに際し景気の勢いが増した」と語った。
3月の雇用の内訳は、建設業が1万6000人増と、前月の2万5000人減から持ち直した。レジャー・接客は3万3000人増。中でも外食が2万7300人増えた。
専門職・企業サービスは3万7000人増だった。政府は1万4000人増加した。ヘルスケアや運輸・倉庫、金融、公益、情報サービスもプラスだった。
一方、製造業は6000人減と、17年7月以来初めてマイナスとなった。前月は1000人増だった。製造業のうち自動車・同部品は6300人減だった。自動車メーカーは、売り上げが減速し在庫が膨れ上がる中で何千人もの人員削減に動いている。
小売は2カ月連続で落ち込んだ。
https://jp.reuters.com/article/us-job-payroll-idJPKCN1RH1PK
トップニュース2019年4月6日 / 00:03 / 6時間前更新
米雇用統計:識者はこうみる
Reuters Staff
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[5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が19万6000人増と、前月の17カ月ぶりの弱い伸びから加速した。
市場関係者のコメントは以下の通り。
●利上げ再開に必要な賃金圧力見られず=ブラウン・ブラザーズ
<ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の世界外為戦略部門責任者、ウィン・シン氏>
強弱が入り混じる内容となった。非農業部門雇用者数は予想を若干上回り、2月分はやや上方修正されたが、時間当たり賃金は期待外れな結果となった。
連邦準備理事会(FRB)が利上げを再開するためにはインフレが上向く必要があり、インフレが上向くには賃金圧力が高まる必要があるが、これはまだ見られていない。
完全雇用がほぼ達成される中で、上に行こうとしながらも、予想通りに離陸できない状態であることが示された。このため、強弱が入り混じる内容だったと考えている。
●賃金の伸び低調、利上げサイクルすでに終了の公算=ウエスタンユニオン
<ウエスタンユニオン・ビジネスソリューションズ(ワシントン)のシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏>
まちまちだったが、全般的には堅調な結果となった。雇用者数の増加が健全に上向いたことで、リセッション(景気後退)懸念は和らぐだろう。
ただ賃金の伸びが弱かったことで、昨年12月の利上げが今回の利上げサイクルの中では最後のものとなる公算が大きくなった。
●ゴルディロックスな内容、市場は歓迎=フィエラ
<フィエラ・キャピタル(モントリオール)のグローバル・アセット・アロケーション担当、キャンディス・バングサンド氏>
一見では、ゴルディロックス(適温)な雇用統計だった。(非農業部門雇用者数などが)予想を上回り、市場に歓迎されることは明らか。大幅な経済減速に対する懸念の一部を払拭するのに役立つだろう。良いニュースだ。一方、インフレ面においては弱さが示された。賃金からの押し上げ圧力が乏しく、中銀は金融正常化に向けて慎重かつ現実的なスタンスを取るだろう。
今回の雇用統計では、中銀が積極的な金融引き締めを行う必要がないことが示されたが、経済成長が依然として健全かつ堅調で、強過ぎもせず、弱過ぎもしないことを市場は好意的に受け止めるだろう。非常に建設的な内容だった。
●経済懸念行き過ぎ、利下げ観測に歯止め=ファニーメイ
<米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)の主任エコノミスト、ダグ・ダンカン氏>
全般的に明るい内容で、前月の急減速が一時的な振れだったことが明確になった。建設業の雇用は1万6000人増加し、前月分も上方修正された。これは住宅市場の供給に追い風となるだろう。
景気後退(リセッション)巡る懸念は行き過ぎだったと思われる。今後住宅ローン金利の伸びは小幅にとどまると予想され、住宅ローン申請は底堅い状態が続くだろう。賃金の伸びは堅調でないとはいえ、長期的な平均は上回っている。賃金インフレの心配はないが、利下げが必要との見方には歯止めがかかるだろう。
https://jp.reuters.com/article/us-payroll-instantviews-idJPKCN1RH1Q5
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