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米国のINF条約離脱をあえて歓迎する
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2019-02-02 天木直人のブログ
とうとうトランプの米国が中距離核戦力(INF)全廃条約からの一方的離脱を宣言した。 これは冷戦終結につながった1987年のレーガン・ゴルバチョフ間の歴史的核軍縮条約の否定だ。 歴史を逆行せる暴挙だ。 これによって核開発競争が一気に加速するだろう。 もちろん核戦争の危険は高まる。 北朝鮮の核どころの話ではない。 米中ロこそ、真っ先に核を放棄しなければいけないのだ。 しかし、私はあえてトランプのINF条約離脱宣言を歓迎する。 トランプの言う通り、米中ロであらたな核兵器廃止条約をつくらなければいけないのだ。 そうならざるを得ないのだ。 そもそもINF条約は有名無実化していた。 プーチンが、「証拠を見せろと」、と見えを切ったが、プーチンが条約に違反して核強化を進めてきたのは周知の事実だ。 それに、IFN条約には中国が加盟していない。 なぜならIFN締結時の1987年は、中国の軍事的脅威は今とは比べ物にならなかったからだ。 しかし、いまや中国は米国を脅かす一大軍事大国だ。 その中国が野放しになって核兵器開発を行っているのだから、米ロ間の中距離核兵器全廃など、冗談でしかない。 中国もロシアもわかっているはずだ。 米国と核兵器開発競争をすれば行きつく先は核戦争だ。 そこに、至らなくても、その前に、かつてのソ連がそうであったように、経済的負担で行き詰まる。 つまり、最後は、トランプの言うように、米中ロのあらたな規制が必要になってくるのだ。 それを見越した上で、いまこそ唯一の被爆国である日本がそれを世界の先頭に立って提唱すべきチャンスなのだ。 世界はそれを待ってるのだ。 私がトランプのINF条約離脱宣言を、あえて歓迎すると言うのはそういう意味だ。 そして、それは安倍首相にとってもまた絶好のチャンスなのだ。 米中ロの首脳と直接に何でも話せる仲だと豪語している安倍首相だ。 もしそうならいまこそ米中ロの首脳に対し核軍縮の仲介が出来るはずだ。 しかし、ここでも安倍首相はチャンスを見逃し三振するに違いない。 なにしろ米国の核の傘を最優先する安倍首相だ。 そんな安倍外交を、私はさんざん批判してきたからここでは繰り返さない。 問題は野党の外交不在だ。 いまこそ憲法9条を掲げて日本が核軍縮の先頭に立つべき時なのに、それを正面から主張する本物の護憲政党はなくなってしまった。 社民党は生き残りの為に統一会派を優先し、まもなく消滅する。 唯一の護憲政党である共産党さえも、野党共闘を優先して安保政策を封印してしまっている。 いまこそ新党憲法9条の輝く時だ。 「憲法9条こそ世界の最善、最強の外交・安保政策だ」と正面から唱える本物の護憲政党が、平成が終わる前に日本の政治の中に現れて来ないといけないのである。 そして、それはトランプの米国を救う事にもなる。 私がトランプのINF条約離脱宣言を、あえて歓迎する理由がここにある(了) 米INF離脱は「国際法逃れの戦略」 ロシアが非難 http://www.afpbb.com/articles/-/3209355 2019年2月2日 8:08 発信地:モスクワ/ロシア ドナルド・トランプ米大統領(2019年2月1日撮影、資料写真)。(c)Jim WATSON / AFP 【2月2日 AFP】冷戦(Cold War)期に締結された歴史的な核ミサイル軍縮条約である中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を米国が決めたことに関し、ロシア政府は1日、米側の決定は「国際法上の義務を逃れるための戦略」の一環だと非難した。 米政府は、ロシアが新たに開発した準中距離ミサイルシステムはINF全廃条約に違反していると主張。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、米国は2日付けで同条約の義務の履行を停止するとともに、条約からの離脱手続きを開始すると述べた。手続きは6か月後に完了する。 米国は2か月前、ロシアが条約に違反しているとの懸念を正式に表明した。 一方、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は1日、米側はこれまで30回以上にわたり、ロシア側に条約違反の疑いを指摘してきたと説明。また、米国は依然としてロシアが条約を順守することを望んでおり、対話を行う用意があると述べた。 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、米国の条約離脱により新たな軍備拡張競争が起こると公言している。同大統領はトランプ氏との温かい関係を築くことを求める一方、米主流派の広い層から非難されてきた。 ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は、米側の決定は実際にはロシアが問題なのではなく、「米国がさまざまな分野で国際法上の義務から逃れるための戦略だ」と指摘した。 北大西洋条約機構(NATO)は声明で、米国の同盟諸国はINF離脱を「全面的に支持する」と言明。さらに、米国がロシアの地上発射型巡行ミサイル「9M729」の射程に懸念を示していることに関し、同ミサイルが条約違反に当たるとの見方に同意した。一方、条約の崩壊がもたらす影響を憂慮しているとも表明し、6か月後の離脱完了までに米ロが突破口を開くことへの期待を示した。 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、「われわれにはロシアの条約違反は明白だ。だからこそ、われわれはロシアと対話しなければならない」と述べた。(c)AFP/Shaun TANDON, with Damon Wake in Bucharest
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