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トランプ政権、首席補佐官の座はまるで拷問(パックン)
https://www.newsweekjapan.jp/satire_usa/2019/01/post-6.php
2019年01月12日(土)17時00分 ロブ・ロジャース(風刺漫画家)/パックン(コラムニスト、タレント)
パックンの風刺画コラム Superpower Satire (USA)
Trump's Iron Maiden (c) 2019 ROGERS─ANDREWS McMEEL SYNDICATION
<主要ポストがどんどん辞めるトランプ政権では、首席補佐官の後任がなかなか見つからない。無傷では出られないこのポストは中世の「拷問」と同じ>
米大統領の右腕である首席補佐官(chief of staff)が18年末にまた辞任した。ドナルド・トランプが大統領になってから2人目の交代だが、今回は制御不能なトランプにあきれたジョン・ケリーの後任がなかなか見つからなかった。まずはペンス副大統領の首席補佐官を務めるニック・エアーズに声を掛けたら、断られた。ちなみにエアーズが選ばれた理由の1つは、金髪の白人男で昔のトランプに姿が似ているからだという。見た目で選ばれたら困る! まあ、中身がトランプに似てるよりはいいけど。
ほかに候補として噂されていた下院議員も財務長官も通商代表部(USTR)代表も、みんな指名を嫌がっていたようだ。それもそうだ。海兵隊の大将だったケリーでも無理なら、トランプのハンドリングは誰にもできないだろう。だって、いつも独断で暴走する。国務長官が反対したのにイランとの核合意から離脱したし、国防長官が反対したのにシリアから米軍の撤退を発表した。しかも専門家が絶対にやめるように言っているのに、皆既日食のときに太陽を見つめてしまった。
首席補佐官の代わりっぷりが例外なのではない。トランプ政権の主要ポストからはどんどん人がいなくなっている。ブルッキングズ研究所によると、この2年間で実に65%も交代しているようだ。大統領との性格の不一致も多いが、スキャンダルになった人もいれば、不正で逮捕された人もいる。退任前から大統領に中傷される人もいるし、みんなトランプとの付き合いで評判に傷が付いている。
風刺画はそんな状態を「アイアンメイデン」という昔の拷問器具で表現している。いったん中に入ると無傷では出られないものだ。まさにトランプ政権と一緒。これではさすがに主要ポストの成り手は見つかりづらい。何よりも、嘘をつきまくる、弱者をいじめる、国益より自己利益を優先する、そんな大統領と一緒にされたら困る。
これは僕だけの意見ではない。トランプは同じ共和党の議員からも a terrible human being と酷評されている。そんな「ひどい人間」のために誰が働きたいだろう。実はこの a terrible human being は、2016 年のある討論会で出た言葉だ。発言者は首席補佐官代行に先日指名されたミック・マルバニー。そんな「ひどい人間」のために彼は働きたいようだ。よかったね!
【ポイント】
ALL THE BEST PEOPLE WANT TO WORK FOR ME...REALLY...THEY'LL BE LINING UP SOON!
一流の人々はみんな私の下で働きたがっている......本当だ......すぐに彼らが列をなすぞ!
<本誌2019年01月15日号掲載>
【風刺画コラム】トランプ政権、首席補佐官の座はまるで拷問(パックン)……無傷では出られない首席補佐官のポストは中世の「拷問」と同じhttps://t.co/6AhSt9HIQt …#アメリカ政治 #トランプ #首席補佐官 #トランプ政権
— ニューズウィーク日本版 (@Newsweek_JAPAN) 2019年1月12日
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