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リニア問題は政治ショーだった…?静岡県・川勝知事「迷走」の正体 国もJR東海も呆れ顔 (期限が迫るのは県か、JR&国か?)
http://www.asyura2.com/19/hasan133/msg/798.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2019 年 12 月 12 日 01:36:28: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo
 

(回答先: 北陸新幹線延伸「アセス」進め方に注視を リニア建設では“ずさん調査” 自治体要求連絡会が延伸問題シンポ/福山和人氏も参… 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2019 年 12 月 12 日 01:19:31)

 リニア利権に期待する経済誌などでは、「地底棺桶超特急」リニアの建設は国家的事業で、それに逆らうものは国賊でもあるかのように攻撃されている。2027年開業など、掘ってみるまで何が出るか解らぬ240キロの巨大トンネルではまず不可能と言っていい。タイムリミットが詰まっているのは、はたして懸念を示す静岡県か、それとも開通を急ぐJR東海と、それを隠れ蓑に投資する国か。

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2019年12月7日 5時0分 現代ビジネス
リニア問題は政治ショーだった…?静岡県・川勝知事「迷走」の正体 国もJR東海も呆れ顔
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68857
*写真https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/e/5/e5207_1413_32fe710fde98ccc87b241b0a69a4b07e-m.jpg

○ループする「JR東海への不信感」発言
2027年の開通を目指して工事の進むリニア中央新幹線(品川=名古屋間、全長約286km)では、11月22日には神奈川県相模原市内で神奈川県駅(仮称)の起工式が行われるなど、各工期における工事が進捗している。11月26日には岐阜県瑞浪市内で掘削中の日吉トンネルの本抗内部が報道陣に公開された。

だが、現時点では計画通りの開通には「黄信号」が灯っているのは残念ながら事実だ。南アルプスを横断するトンネルが8.9kmだけ通過する静岡県内区間について、静岡県の川勝平太知事が工事の許可を渋っており、予定通りの着工のメドがついていないからだ。

最新の状況だが、問題解決を目指して赤羽一嘉国土交通相が調整に乗り出している。赤羽国交相は、リニア中央新幹線工事に伴う環境対策について国・県・JR東海による三者協議を主導しようとしたが、川勝知事はこれを拒否。その理由として、赤羽大臣の提案した「国交省鉄道局が主導」するという体制を批判し、この問題は環境行政、農林水産行政にも関係があるので国交省だけではなく、環境省、農水省の関与が必要だと主張している。

これと並行して、JR東海は、大井川の流量減少問題を説明するため流域10市町に個別の面会を求めたところ、10市町はこれを断るという事件も起きた。これを受けて、知事は「JR東海への不信感がある」とコメントしている。

しかし、この流域市町については、国交省の幹部が11月から順次訪問し、地元意見の聞き取りを開始すると、川勝知事は「本来はJR東海がすべきこと」などと発言していたのである。

つまり、国交省ではなく「JR東海が流域市町に直接説明べき」という方向性は、そもそも川勝知事の提案だったのである。その意向に沿ってJR東海が動こうとすると、今度は「不信感があるからダメ」というのでは、論理が完全にループしていると言わざるを得ない。

川勝知事の迷走ぶりが止まらない
一方で、川勝知事は、JR東海の「信頼回復」には「林道整備などの地道な地域貢献が必要」という発言も行っている。理念的なメッセージと、こうした金銭的な要求を絡める手法は、これまでも繰り返されてきた。

この「林道整備」要求というのは、大井川の水問題について「1駅分に見合う地域振興相当額」の補償を要求してみたり、ダイヤ上成立しない東海道新幹線の「静岡空港新駅」建設要求などを出したり引っ込めたりという過去のエピソードに重なってくる。

*川勝平太静岡県知事/Photo by gettyimages*https://gendai.ismedia.jp/mwimgs/3/e/-/img_3efad1e5baca7dcd5acff2b2886069ef41939.jpg

主張の迷走ということでは、2019年3月のサクラエビ騒動も記憶に新しい。

川勝知事は、駿河湾名物のサクラエビが不漁だったことに対し、リニア工事の影響も原因の一つと示唆し、定例会見でそのようなコメントを行っている。ちなみに、専門家によれば、不漁の原因は乱獲であってリニア工事は無関係であったという。

また、川勝知事は他県の知事との対立も深めている。

例えば、愛知県の大村秀章知事はリニア開通が遅れれば、これに伴う名古屋駅付近の再開発が影響を受ける懸念から、川勝知事と9月に会談したが決裂している。さらに、この11月には、三重県の鈴木英敬知事は、リニア中央新幹線の「三重県駅」着工を巡る川勝知事の発言に抗議するという事件が起きた。

鈴木知事によれば、川勝知事は記者会見で「鈴木知事は『90%(リニアの中間駅は)亀山にほぼ決まっている』とおっしゃった」と勝手に発言。鈴木知事は「極めてセンシティブな話を何らプロセスを経ず軽々しく言われた」と遺憾の意を示すと、川勝知事は「嘘つきは泥棒の始まり」と応じている。

○これは「政治ショー」にすぎない
では、川勝知事としてはリニア着工、あるいはリニア中央新幹線プロジェクトに対して真っ向から反対しているのかというと、必ずしもそうではない。

例えば、現時点では最大の問題となっている大井川の水資源問題について、川勝知事は、トンネル工事による湧水の全量を大井川に戻すことを「当たり前」と主張しつつ、これにJRが応じるのに「1年半かかった」という批判的な言い方をしている。

つまり総論には反対しているのではないし、リニア中央新幹線というプロジェクトについては、当初から支持の立場である。そもそもリニア中央新幹線の工事は環境アセスメントを終え、国の認可を得ている。このアセスメントには静岡県も参加していたのである。

*Photo by gettyimages*https://amd.c.yimg.jp/amd/20191207-00068857-gendaibiz-002-1-view.jpg

川勝知事の目的は何なのだろうか? 駅一つ作る分のカネ、空港新駅、林道整備……確かに金銭的な要求は繰り返されてきた。だが、解決の糸口が見えそうになると、今度は「水資源」「環境」「国土という財産」といった理念的な主張が出てきて、論点がずれていく。

関係省庁なども同じで、JRではなく国をと言って、国の国交省が出てくると、今度は環境省も農水省も出てこいとなる。と思ったら、更にエスカレートし、厚労省、経産省、文科省も加えて6省で対応せよとか、最後は官邸が取りまとめをなどという要求に膨れ上がっている。

こうなると、落とし所も何もあったものではない。川勝知事の真意はどこにあるのか、カネでも理念でもないのであれば、一体何が目的なのか、一連の知事の言動からはその意図を汲み取るのは不可能である。

ということは、これは「政治ショー」だと考えれば納得がいく。そもそも川勝知事という人は、小渕内閣や第一次安倍内閣のブレーンであったが、後に自民党支持を蹴って民主党系の支持を受けた知事として登場した経緯がある。したがって、その言動も保守と中道の間でカメレオンのように変転してきている。

左右の対立軸の上を揺れてきただけでなく、時にはポピュリズムともいうべき手法で話題性のあるニュースを提供して、世論を刺激するのも得意だ。

例えば、「学力下位の小学校の校長名を公表する」とか「受動喫煙について東京都なみに厳しい規制を行う」という発言は、県内だけでなく全国ニュースでも取り上げられた。この2つの問題はいずれもウヤムヤに終わったが、話題となったのは間違いない。

○事態収拾のタイミングはもうすぐ?
今回のリニア問題は、その「劇場型県政」が最大限に発揮されていると言えるだろう。

交通機関、とりわけ鉄道の新線建設というのは地元でも、そして全国レベルでも世論の関心の高い分野だ。ここで既成の計画に対して様々な角度から「難題」を突きつけることは自身の知名度アップには極めて効果が高い。そのためには、問題が簡単に解決してしまっては困るのである。

静岡県の政治情勢というのは難しい条件を抱えている。大企業が立地して雇用が安定している地域は都市型の選挙区となるが、大都市中心部は自営業が多く保守的、また農村部や漁業拠点の投票動向も保守的だ。

その一方で、東京と名古屋に挟まれた太平洋ベルト地帯ゆえに、情報の早さということでは首都圏に比肩する。そんな選挙事情を抱える中で、難しい選挙を勝ち抜いていくには極めて高度な「劇場型県政」が必要で、リニア問題は知事にとって格好のターゲットということなのかもしれない。

政治ショーというのはそのような意味であるが、こうした方法には一つ大きな難点がある。それは首尾一貫しない姿勢が明らかとなれば、世論の関心が急速に離れていくということだ。

頭の回転の速い知事のことだから、そうした気配を察すれば早々に事態の収拾を図るかもしれない。2019年秋以降、国が積極的に介入し始めた中では、そろそろそのタイミングであるとも考えられる。

いずれにしても、2019年の年内に静岡県工区の着工ができなければ、2027年の開業予定に支障を来す。川勝知事に取って事態収拾のタイムリミットは刻々と迫っている。

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