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為替フォーラム2019年11月28日 / 13:42 / 36分前更新
コラム:
なぜ今、10兆円の大型補正予算なのか
熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト
3 分で読む
[東京 28日] - 政府は、2019年度補正予算を組んで、景気刺激に動こうとしている。与党などからは真水(付加価値を直接増やす財政支出)10兆円という声が相次いで上がる。消費増税が軽減税率分を除いて4.6兆円の家計負担増であることを考えると、その2倍以上を使ってしまおうということになる。
少し驚かされるのは、今この時期に経済対策が検討されているという点だ。10月に消費税率が上がって、その反動減がどのくらいかが経済統計上、ほとんど明らかになっていない。少し早過ぎる印象だ。
ここにきて経済対策が急浮上したのは、安倍晋三首相が11月8日に指示したからだ。経済対策は2019年度補正予算と2020年度当初予算を一体で取りまとめる。経済対策は12月上旬にまとまるという。2019年度補正だけで真水10兆円という数字には耳を疑ってしまうが、その規模を政府はどこまで真に受けて実行するのか。財政再建に対する緩みが、どこまで抑え込まれるのかが注目される。
経済対策が浮上した背景には、1)台風19号とその前の15号による被害を踏まえた災害対策、2)経済の下振れリスクへの備え、3)東京五輪後の成長維持──の3つの大きな目的がある。
その中でも、防災用に公共事業を拡大することは筆者も賛成する。しかし、公共事業を増やすことに国民の共感が得られたとしても、いきなり10兆円という金額を使ってしまうことが正当化されてよいわけではない。むしろ、国土強靭化で2020年度までの3年間に7兆円の事業費を注ぎ込む計画がありながら、なぜ台風19号の被害を未然に防げなかったのかが疑問として残る。
<年中行事化していた補正予算>
経済対策として浮上しているのは、ポスト5G(次世代通信規格)基金創設や、中小企業向けの生産性革命補助金などである。これらは、消費税率引き上げ後の消費刺激策とは違う。年度の予算編成の時に次の候補として目されていた案件が、新しい経済対策として格上げされたのだろう。例年、当初予算を絞り込む代わりに、年度末に近づくと補正予算が組まれて、準備されていた案件が計上されている。
安倍政権は、発足当初の2012年度は補正予算の中に緊急経済対策として10.3兆円の超巨大な金額を計上した。その後は、3─5兆円台の増額修正にとどめている。そうした経緯からして、真水10兆円の巨大な増額を目指そうとする補正予算は異例に見える。
すでに、増税対策として準備されたものは2019年度の当初予算に計上されている。そして、安倍政権はそれらを十分な消費税対策と説明してきた。だから、ここにきて計上されるものは、消費税対策とは違った性格のものになる。
これは2020年度予算案として計上されてもおかしくないと考えられるが、消費刺激策としては、2020年年9月から2021年年3月までのマイナンバーカードを活用した1人あたり最大5000円の還元策がある。キャッシュレス決済が2020年6月に終了した後の消費刺激策の後継という位置付けのようだ。以前から用意されていたメニューを、経済対策の中に入れた格好である。
整理して考えると、なぜ今、真水10兆円もの経済対策が急浮上しているのかがよく理解できなくなる。
景気下振れリスクという言葉が、真水10兆円という巨大な歳出増の必要性に直結するわけではなかろう。もし、増税後の消費低迷を不安視しているのならば、対策の主軸は家計消費への働きかけを中心にするべきだ。
ところが、マイナンバーを利用したポイント還元くらいしか、その目的に役立つものはない。ポスト5G対応などは、各省庁がやりたい案件をリストアップしたものであり、消費低迷によく効く薬を処方しているようには見えない。理屈として、消費以外の分野でどうして巨大な支出増を必要とするのかは、筋が通っていないと思う。
もちろん、台風15号、19号による被害をみて、公共事業の必要性が強まったことは正当性がある。しかし、今までの国土強靭化がどのように有効で、どのような防災対策が不足しているのかが分析されないまま、巨大な金額が最初から大きく打ち出されるのは違和感がある。与党からの要請に対して、政府はもっと目的と手段の対応が適当かどうかを吟味し、正しく応ずるべきだろう。
<財源不足とその効果>
政府にとって、大型経済対策を打とうとするときに問題になるのは財源だ。これまでは税収が当初予算よりも上方修正されるなど、余力が生じるる中でそれを原資に補正予算を打つことができた。2019年年度は、税収見通しが当初の62.5兆円から約2兆円ほど下振れし、補正予算を打つ余力がない。国債費の年度内の減額もプラス1兆円強というところだろう。
一方で増税をして、もう一方で赤字国債を増発するには、よほどの根拠がなくてはいけないはずだ。筆者はそうした根拠が示されないまま、リストアップされた歳出案件が消化されようとしている流れはおかしいと考える。
歳出拡大は、景気刺激になるという古典的な主張を唱える人はいるだろう。しかし、2019年度補正予算による需要かさ上げがある場合、それが終了するときには需要がなくなることを心配しなくてはいけない。
経済対策には、五輪後も成長を持続させる狙いもある。ならば2019年度補正予算を増やさずに、2020年度当初予算を拡充して、公共事業の執行を「後ずらし」する方が反動減を無用に大きくせずに済むはずだ。
増税後に財政規律が緩んでしまうと、何のための増税なのか、国民に対して全く説明がつかなくなってしまう。政府には、襟を正して歳出拡大の圧力を抑え込んでもらいたい。
(本コラムは、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。
編集:田巻一彦
https://jp.reuters.com/article/column-hideo-kumano-idJPKBN1Y209K
10月小売販売7.1%減 消費増税・台風が影響
経済2019/11/28 10:50
経済産業省が28日発表した10月の商業動態統計(速報)によると、小売販売額は前年同月比7.1%減の11兆900億円だった。消費増税前の駆け込みが起きた9月からの反動減に加え、台風19号による休業や客数減が響いた。自動車や家電の販売が低調だった。前回の消費増税の直後にあたる2014年4月の4.3%減と比べると、減少幅は大きかった。
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減少は3カ月ぶり。経産省は「9月に需要を先食いした影響が出た。台風で被災した人を中心に消費者心理も下向いた」と分析した。季節調整済みの前月比では14.4%の減少だった。
小売業販売を商品別にみると、自動車小売業が前年同月比17.0%減と大きく落ち込んだ。普通車や小型車の販売が不調だった。家電など機械器具小売業は15.0%減。9月に駆け込みが出た冷蔵庫や洗濯機など高額な家電を中心に売り上げが伸び悩んだ。
業態別にみると、百貨店の販売額が17.3%減った。高額商品で駆け込みの反動減が出たほか、気温の高い日が続いて秋冬衣料の動きが鈍かった。韓国からの訪日観光客の減少も響いている。下げ幅は前回増税直前の駆け込みから1年が経過した15年3月以来の大きさだった。家電大型専門店は14.2%減少した。
一方、コンビニエンスストアの販売額は3.3%増加した。前年の10月にたばこ税増税で減少した反動が出た。大手コンビニでは10月からキャッシュレス決済に2%分のポイントを即時還元する対応をはじめた。経産省によると、キャッシュレスの支払比率が上がり、コンビニの売り上げにプラスに働いたという。
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増税前に駆け込み急増、反動減に懸念 9月の小売販売9%増
2019/10/30 17:45
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52702810Y9A121C1MM0000
東京外為市場ニュース2019年11月28日 / 13:52 / 29分前更新
BRIEF-黒田日銀総裁:自然災害関連リスク、金融機関の大きな課題となる可能性
Reuters Staff
1 分で読む
[東京 28日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は28日、パリ・ユーロプラス・ファイナンシャル・フォーラムで以下のように述べた。
* 黒田日銀総裁:自然災害関連リスク、金融機関の大きな課題となる可能性
* 黒田日銀総裁:気候変動リスクの影響、しっかり調査・分析を行う必要がある
*この記事の詳細はこの後送信します。新しい記事は見出しに「UPDATE」と表示します。
https://jp.reuters.com/article/BRIEF-黒田日銀総裁:自然災害関連リスク-金融機関の大きな課題となる可能性-idJPT9N27Z00L?il=0
ビジネス2019年11月28日 / 13:42 / 36分前更新
アングル:年末越えドル調達コスト急騰、今年の特徴は「FRBへの不信感」
森佳子
2 分で読む
[東京 28日 ロイター] - 為替スワップ取引で、年末越えのドル調達コストが急騰している。年末越えのドル資金需要が高まるためベーシスは毎年この時期に上昇しやすいが、今年は季節要因によるものだけではないとの声も出ている。市場では米連邦準備理事会(FRB)の金融調節に対する不信感もくすぶっており、金利高騰への警戒がドル調達コストを高止まりさせている可能性がある。
<ベーシス急騰、「ショック」>
日米金利差からの乖離幅を示すベーシスは一時125ベーシスポイント(bp)と前日の10bpから約12倍に拡大し、11カ月ぶりの高水準に達した。
ドル/円スワップのベーシス(上乗せ金利)は、ドル資金の需要過剰/供給不足を表す。例年12月が近づくと、期日が年末越えとなる1カ月物ベーシスは上昇する傾向にある。きょうの1カ月物の期日は年明けの1月6日。ベーシスの上昇は、年末越えのドル資金の確保を急ぐ国内勢の需要の強さを映すものだ
しかし、今年はFRBによる3度の利下げで日米金利差が縮み、ベーシスもこれまで低位安定傾向を示していただけに、足元の急騰は「それなりにショックがある」(金融機関)という。
実際、ロイターが10月に実施した国内主要生保の2019年度下期一般勘定運用計画調査では、ベーシスを含むドルヘッジコストの一段の低下を見込んで一部の生保がヘッジ付外債投資を増やす方針を示していた。
ベーシス込みのスワップ経由ドル調達コスト(ヘッジコスト)も、1カ月物で現在295bpと前日の179bpから大幅に上昇した。
<ドル手当てに不安>
今年のベーシス急騰の背景は、季節要因だけではない可能性もある。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング、主席研究員、廉了氏によると、国内勢は今年1―9月に約10兆円のドル建て債投資をしており、現在もドル需要が旺盛だ。それに加え「9月の金利急騰でFRBの信頼性が低下したことで、市場参加者の間では、いつまた金利が高騰するかもしれないという恐怖感が根強い」(廉氏)という。この警戒感がドル調達圧力に強めているとみられる。
米国の短期金融市場で流動性のベンチマークとなる翌日物レポ金利は9月17日に10%まで上昇し、2008年の金融危機以来の水準に達した。
市場では「最も潤沢な流動性」があるはずのレポ市場で、金融緩和下にも関わらず流動性不足からドル短期金利が急伸したことに加え、FRBの対応が後手に回ったことに不安の声が出ていた。[nL3N26V0XC]
その後、FRBはオペを通じて膨大な流動性を供給しており、現在2週間以下のドル金利は安定しているが、ドル需要がしばしば供給を上回り、金利が上昇しやすい環境が続いているという。
年末越え資金については、ニューヨーク連銀が25日に越年の資金供給オペ(期日2020年1月6日)を実施したが、オペ予定額の250億ドルに対し、金融機関からは倍近い490億ドルの応札があった。
市場では「9月の失敗を経てFRBは例年より早く越年資金を供給したが、オペの規模は明らかに少な過ぎ、市場とのコミュニケーションにも不安が残る」(外国銀)との指摘が聞かれる。
一方、複数の関係者によると、FRBは9月にレポ市場で起きた混乱を防ぐための常設貸出制度(SRF)導入の是非の判断を、手続き上の課題が残っていることを理由に先送りする見通しだ。[nL3N28113N]
市場参加者の間では、短期金利の動きを制御するFRBの対応が遅れているとの認識が定着しつつあり、ドル調達を巡る不安につながっている。
編集:田中志保
https://jp.reuters.com/article/forex-market-dollar-idJPKBN1Y20A4
中南米の政情不安、通貨に波及−ブラジル・コロンビア・チリで最安値
Ben Bartenstein
2019年11月28日 3:30 JST
• 「中南米版アラブの春」と呼ぶのは一理ある−ベアリングス
• 比較的静かなブラジル、中銀は2日間で3度目の介入
27日の外国為替市場では、中南米通貨の下落がエスカレート。取引高の大きい3通貨は過去最安値を更新した。
コロンビア・ペソは4日続落。同国のドゥケ大統領は、反政府デモの沈静化を試みたが失敗した。暴動が続くチリではペソが下落した。ブラジルは激しい政局の混乱を免れているが、通貨レアルは最安値をつけ、中銀は2日間で3度目の介入を余儀なくされた。
チリ・ペソは過去1カ月間で11%安。同国では1990年の民政復帰以降で最悪の暴動が広がっており、経済成長が停滞する恐れがある。コロンビアではこの1週間にデモが全国に拡大した。
米ベアリングスのマネーマネジャー、オモトゥンデ・ラワル氏(ロンドン在勤)は「中南米版『アラブの春』と呼ばれるのは一理ある」と指摘、「通貨は各国特有の出来事に応じて調整している」と説明した。
原題:Latin American Currencies Hit Record Lows as Drop Turns to Rout(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-27/Q1N1JET0G1KY01?srnd=cojp-v2
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