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いい加減な調査で環境アセスを乗り切ったツケが出たのかもしれない。
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科学的議論通じJRの不備露呈 リニア水問題、県専門家会議1年
(2019/11/18 07:33)
https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/706129.html
*静岡県環境保全連絡会議専門部会の取材を通して明らかになった主な事項https://giwiz-content.c.yimg.jp/im_siggMvb7YQz9ixBx5iVHm.vxyw---priy-x332-y195-yc0-xc0-hc192-wc192-n1/r/iwiz-amd/20191118-00000002-at_s-000-3-view.jpg
*JR東海の工事担当者と専門家が議論した県環境保全連絡会議専門部会=10月、静岡県庁https://www.at-s.com/news/images/n71/706129/IP191115TAN000137000_O_1.jpg
リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川流量減少問題を巡り、静岡県が委嘱した専門家とJR東海の工事担当者が県環境保全連絡会議専門部会で本格的な協議を始めて1年がたった。流量予測の根拠が薄く、大井川水系の水が県外に大量流出する可能性があることなど、科学的議論を通じてJRの対策の不備が次々と明らかになった。ただ、行司役を自任する国土交通省主導の新たな協議体の設置が決まり、県関係者は「これまでの議論が骨抜きにされないか」と警戒する。
JRが昨年10月にトンネル湧水の全量回復を表明したことを受け、専門部会は協議を開始した。今年8月以降、職員を派遣して協議を傍聴してきた国交省鉄道局は「科学的な知見に基づく議論がされている」とお墨付きを与えてきた。
JRが2013年の環境影響評価(アセスメント)準備書に記載した「毎秒2トンの河川流量減少」について、山梨県の地質に基づく透水係数(水の通りやすさ)を使って試算したことが、協議を通じて判明した。さらには実態にそぐわない計算方法も採用していて「根拠が薄く、専門家は誰も『毎秒2トン』と考えていない」「毎秒10トンかもしれない」などの受け止めが県側に広がっている。
工事中の一定期間、トンネル湧水が山梨、長野両県に流出することも明らかになった一方、JRが難色を示す下り勾配でのトンネル掘削が本当にできないのか、静岡・長野工区境界での水の流出対策が適切かなどは議論が進んでいない。JRが公表を渋る資料やデータの不足で議論の限界も浮き彫りになった。
国交省主導の新協議体がこれまでの議論をどのように扱うのかは決まっていない。地質構造・水資源部会の森下祐一部会長(静岡大学術院理学領域教授)は「知事対JRの政治的対立と捉えず、科学的な論点をしっかりと抑えてほしい」と従来の協議を生かすべきだと指摘。国交省には「監督企業のJRに対し、協議に必要なデータや資料を示すよう強く指導すべきだ」と求めている。
<メモ>県環境保全連絡会議専門部会 リニア中央新幹線事業の影響について地質構造・水資源と生物多様性の2部会で主に協議している。地質や水資源、生態系などの専門家とJR東海担当者が大井川流量減少や南アルプス自然環境保全に関する対策を議論。流域10市町の担当職員や利水団体の代表者が毎回協議を傍聴し、情報を共有する。環境影響評価(アセスメント)に基づく手続きの一環と位置付けられている。
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