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ソフトバンク、LINEを実質買収で広がる信用不安…巨額有利子負債抱え“自転車操業”
https://biz-journal.jp/2019/11/post_128273.html
2019.11.16 文=編集部 Business Journal
ソフトバンクG、19年7-9月期決算を発表(写真:アフロ)
インターネット検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)と無料通信アプリ大手のLINEが経営統合に向け、最終調整に入った。月内の合意を目指す。ZHDの親会社ソフトバンク(SB)とLINEの筆頭株主、韓国ネイバーが折半出資して新会社を設立し、新会社をSBの連結子会社にする方針だ。ネイバーも新会社に50%出資する大株主になる。
LINEの利用者は約8000万人、ヤフーの利用者数は5000万人に上る。統合が実現すれば、SNSや検索、ニュースメディア、ネット通販、金融などを手がける1億人規模のITサービス企業が誕生する。
両社が力を入れているのがスマホ決済。キャッシュレス決済は82兆円と見込まれる巨大市場だ。LINEの「LINEペイ」の登録者数は3690万人、SBの「Pay Pay(ペイペイ)」は1900万人。合計5590万人はNTTドコモの「d払い」(1000万人) の5倍を超え、この分野で圧倒的な優位に立てる。
■Pay Payを軸にグループ再編
ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は、携帯電話事業から投資事業に経営の軸足を移した。 SBG傘下の10兆円ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を通じて、海外の人工知能(AI)企業の有力株に集中投資した。国内でもグループのビジネスモデルの再編を打ち出し、この1年で劇的に変化した。まずSBGの国内通信子会社ソフトバンクが2018年12月19日、東証1部に上場した。これを皮切りに事業再編へ動く。
ヤフーは19年、10月1日付けで持ち株会社制に移行し、社名をZHDに変更した。持ち株会社の傘下に広告や検索などのインターネット関連事業を運営するヤフーと、ジャパンネット銀行などを統括する金融持株会社をぶら下げた。SBは19年5月8日、ヤフーを連結子会社化すると発表。4565億円を投じ、出資比率を12.08%から44.64%に引き上げた。ヤフーの親会社はSBGからSBに交代した。
SBとヤフーが共同で出資するスマホ決済サービスのPay Payは5月8日、SBGから460億円の出資を受け入れると発表した。この出資によりSBGはPay Payの株式の50%を保有することになった。ヤフーとSBの出資比率は各50%から同25%に下がる。Pay PayはSBGの直轄となった。ヤフーは8月、大騒動の果てに通販会社のアスクルを呑み込んだ。9月には衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOの買収を決めた。グループへの他社の取り込みを強化した。そして今回、ZHDがネイバーのLINEと経営統合する。
11月13日付ロイター通信の報道によると、統合計画にはSBGの孫氏とネイバーのハン・ソンスクCEO(最高経営責任者)が関与した可能性があるという。孫氏には出資した中国のネット通販最大手、アリババ集団という成功体験がある。同社の事業モデルは、スマホ決済「アリペイ」を入り口に、利用者がネット通販や金融サービス、各種の生活サービスに導かれる仕組みになっている。SBGはアリババの事業モデルを模倣する。Pay Payを入り口にネット通販や金融サービスに誘導する。そのため、Pay PayをSBGの直轄事業にし、通信子会社SBがヤフーを子会社にした。
■ウィーワークに2兆円注ぎ込む
「今回の決算、ボロボロだ。真っ赤っかの大赤字。まさに大嵐という状況だ」
孫氏は11月6日、SBGの19年9月期中間決算で155億円の営業赤字(前年同期は1兆4207億円の黒字)に転落したことを謝罪した。中間決算としては15年ぶりの営業赤字である。投資先の米シェアオフィス大手、ウィーワークの運営会社ウィーカンパニーが経営不振に陥り、ファンド事業で約5700億円の損失を計上した。
ウィーカンパニーにはSBG全体で、すでに約1兆円を投じていた。ウィーの乱脈経営が問題視され、上場計画が頓挫。上場させて持ち株を売却して利益を得る算段が狂った。引くに引けなくなり、SBGは追加で約1兆円を直接、投じる羽目に陥った。累計2兆円を投じるウィーの再建が難航すれば損失は、さらに膨らむ。市場では「倒産説」が流れるなど、ウィーの前途は厳しい。
「『ソフトバンクはもう倒産するのではないか』という報道があった。市場がそのように見ているのなら、ある意味では正しいと思う」
孫氏は、ウィーの投資に失敗し、信用不安が拡大していることを認めた。海外投資でつまずき逆風が吹くなかで表面化したのが、ZHDとLINEの経営統合。インターネット上で大規模なサービスを提供する巨大IT企業化を狙う。「孫さんの辞書には『拡大』の2文字しか載っていない。現在のSBGの経営はまるで自転車操業の状態にみえる」(業界筋)。前出ロイター記事は<「ウィーワークス」への巨額出資で大きな損失を被った孫氏だが、風向きが「追い風」に変わるかもしれない>と報じたが、果たしてそうなるのだろうか。
■LINEの時価総額は1兆2000億円超
LINEの株価は経営統合を好感し、11月14日の東京市場でストップ高水準の買い気配で推移し、大引けに5290円(705円高)のストップ高で比例配分された。株式の時価総額は1兆2746億円となった。ニューヨーク証券取引所にもADRを上場しているが25%上昇した。
ZHDとLINEの連結売上高は単純合計で楽天を抜き、ネットサービス企業としては国内最大になる。だが、LINE買収に伴う投資負担が、新たにSBGとSBにのしかかる。SBGの有利子負債は18兆88億円(2019年9月末現在)。LINEは1851億円(同)である。
経営統合は株式交換方式で行われる模様で、ロイター通信(同)によると<ソフトバンクは事実上、保有するZHD株の半分とLINE株式36%を交換することになる>。一方、LINEは巨額な先行投資を継続するため、SBの出資を受け入れ、経営体力を強化する。
(文=編集部)
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