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2019年11月5日 / 15:39 / 5時間前更新
焦点:
進む建設革命、6─8割の省人効果も 4次元CGや無人ロボット
中川泉 ダニエル・ルーシンク
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[東京 5日 ロイター] - 建設業で生産革命が進行している。首都圏の渋谷駅再開発では、4次元CGを活用した工程管理や無人ロボットによる工事の自動化、短縮化が実現。国の公共工事でも、大規模工事の6割程度でICT工法導入が進む。先行き不透明な日本の産業界の中で、人手不足などを逆手に生産性を高める建設業は、危機的状況を乗り越えつつある。
<生産性向上、4次元シュミレーションで6割>
「100年に一度の大規模工事」―─東急建設(1720.T)が自らそう呼ぶ渋谷駅周辺の再開発工事。JR2路線、地下鉄、私鉄を含む鉄道複数路線の駅の横・縦の移動、河川の流れの付け替え、駅のリニューアル、周辺での超高層ビル5棟の建設全てが、ほぼ同時に進められている。渋谷駅の1日の平均乗車人数は約166万人。鉄道の運行と人の流れを止めることなく大規模工事を進行させる必要がある。
ここで威力を発揮したのが、デジタル測量技術を活用した正確な3次元設計図だ。
東横線の線路を一夜にして地下に移動させる工事は、終電から始発までの短い時間が勝負となった。障害物の点検は、実物大の疑似車両での試験走行に代わって、3次元レーザースキャナーによる空間計測で、正確かつ効率的に実施することが可能となった。
東京メトロ銀座線の駅移設新設工事では、3次元モデルの空間把握と時間経過を組み合わせた4次元のバーチャルシミュレーションである「BIM」を作成。これを工事関係者全員に見せることで、イメージの共有に役立てた。
平面の図面を数百枚配布する従来型の方法に比べて関係者自らの仕事の把握が格段に進み、人件費の6割削減という大幅な生産性向上が実現している。
東急建設・土木事業本部ICT推進グループの小島文寛氏は「これによって仕事の仕方が変わり、元のやり方に後戻りできなくなっている。2回目の線路切り替えの際には、現場が自らBIMを作成し、問題点を早い段階で議論することができるようになってきた」と語る。
<無人ロボット開発強化 投資増強に動く>
イメージ把握やデータ活用といった分野のほかに、大手建設会社などは独自ロボットの開発を進めている。工場で決まった動きを繰り返すロボットと異なり、建設現場は日々施工が進行し、状況が変化する。ロボットもこれに合わせて移動と作業を両方こなす能力が必要だ。
都市部で需要の盛り上がる高層オフィスビル建設では、最先端のAI・カメラ・センサーなどを搭載した建設ロボットを実装する試みが進行中だ。
清水建設(1803.T)では、「ロボマスター」と名付けたクラウドの下で、数多くのロボットがお互い干渉することなくコントロールされ、自動で作業を行うことを目指す。情報インプットはアイパッドで行い、現場の誰もが簡単に操作できる。
現在導入されている無人ロボットは、鉄鋼の溶接、資材運搬、天井のビス打ちの分野。導入現場ではそれぞれ75−80%の省人化効果を発揮した。
印藤正裕・常務執行役員は「最近の建物の外装や設備は手間のかかる仕事が増えた。ロボット活用のポイントはそこにある」と語る。過酷な仕事である資材運搬や溶接、大量のビス打ちなどをロボット化することに焦点を当て、建設業のマイナスイメージを払しょくし、若い世代を取り込みたいと狙いを明かす。
ただ、清水建設の場合でも、工事全体では何万工程もの作業のほんの一部だけがロボット化されているに過ぎない。印藤常務は「今は開発費用の回収可能なレベルまで生産性が上がってきた現場もある。もっと台数が増えれば1台あたりのコストも低減していく。今後は採算が大きく改善する伸びしろがある」とみている。
そのため「活用が広がればさらにロボットへの投資を拡大していく」として、過去3年間で累計30億円のロボット投資をさらに拡大していく方向だ。
<ICT化進む災害復旧工事>
国の公共工事でも、大規模工事の6割程度でICT工法導入が進んでいる。国土交通省によると、従来の人による測量や設計図作成、建設機械の運転と比べ、業務量はおよそ3割の縮減効果となっている。特に水害への対処に必要な浚渫工事など河川改修では約4割の業務削減効果の成果が出ている。
西松建設(1820.T)では、東日本大震災からの復旧に向けた三陸沿岸道路復興道路工事で、掘削79万平方メートル、盛土32万平方メートルの大規模土木工事にICT工法を採用した。
3Dレーザースキャナーにより一度に広範囲の面的な測量を行い、施行管理を「見える化」したほか、1日90台程度のダンプトラックの運行管理として位置情報の監視や速度管理にスマートフォンを使ったGPS運航管理システムを導入した。
<施行のICT化、課題多く>
つい数年前までは、建設現場が自然環境に左右されること、工事内容が個々に異なることから、「建設現場を工場化する」のは不可能であると見られてきた。それを打破するために始まった「i-Construction」はまだ緒についたばかりだが、測量や設計、工程管理においてはすでにICT技術が活発に利用されている。今後は実際の構造物の施工への活用が重要になってくる。
三菱総研参与で次世代インフラ事業本部の竹末直樹氏は「構造物の施工は工程が複雑に絡み合う場合も多い。個々のケースにいかに対応して効率化できるか」と課題をあげる。
「本格化する老朽化インフラの維持・補修では、既設構造物の図面がなかったり、紙の図面しか残っていないケースもある。これらのデータを取得して3次元化するのは困難と予想される」と指摘。維持・補修に必要な現状データの作成から始めなければならず、その整理には時間がかかりそうだとしている。
それでも、「日本では産官学でi-Constructionに取り組んでおり、海外と比べても先進的だ。アプローチは間違っていない」として、竹末氏は現在の技能工不足という課題は乗り越えられるとの見方を示す。
編集:石田仁志
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https://jp.reuters.com/article/japan-construction-idJPKBN1XF0PB
コラム2019年11月5日 / 18:34 / 3時間前更新
経済不振の日本、今こそキャッシュレス化の恩恵必要
Pete Sweeney
2 分で読む
[香港 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 日本政府は、国民の間にはびこる「現金中毒」について本格的な治療に乗り出そうとしている。紙幣を廃止すれば、経済活動を一時的に高める効果があるだけでなく、恒久的な生産性向上が期待できる。だがそのためには政府がキャッシュレス決済に消極的な高齢者や中小小売店に今までのやり方を変えるよう、そして彼らにやさしい銀行も対応を改めるよう、もっと強く促していかなければならない。
日本国内にある112兆円相当の紙幣と硬貨をデジタル化するメリットは計り知れない。現実に目を向ければ、日本では買い物全体の80%に現金が使われており、電子決済という面では先進国で恐らく最も遅れている。
そうした保守的な姿勢が、数多くの不必要なコストを生み出している。それは硬貨の鋳造や紙幣発行は言うに及ばず、ATM(現金自動預け払い機)の維持管理や、現金の勘定や輸送に何時間も費やしている人への給与などだ。また現金は隠しやすく、追跡が難しいので、徴税担当者や司法当局にとってはいら立ちの種になる。理論的には、現在導入されているマイナス金利の景気刺激効果を妨げる面さえもある。隠匿された現金にマイナス金利は影響を及ぼさないからだ。
ビザとルービニ・ソートラブが実施した調査では、キャッシュレス社会が実現した場合、東京と大阪だけで累積的に700億ドルの経済効果が見込まれる。より規模が小さい都市圏の相対的なメリットはもっと高くなるだろう。
日本政府は、2025年までにキャッシュレス決済の比率を今の2倍の40%に高めたい考えだ。これは第2・四半期の成長率が1.3%にとどまった日本経済に多大な恩恵をもたらしてくれる。ソフトバンク(9984.T)傘下のペイペイや、フリーマーケットアプリのメルカリ(4385.T)など、キャッシュレス拡大の波に乗ろうとしているフィンテック企業の後押しにもなる。
日本よりも人口や銀行数が少ない国は、脱現金化が迅速に進められている。一方、安倍晋三首相は、約3500万人に上る年金生活者に新技術を受け入れさせ、中小小売店には手数料徴収手続きに慣れてもらい、銀行にはATMの使用手数料引き上げを納得させる必要がある。ところがこれまでの首相のキャッシュレス推進に向けた取り組み姿勢は奥ゆかし過ぎる。10月の消費税増税の際にはキャッシュレス決済に伴うポイント還元策が打ち出されたが、とても十分とは言えない。足元のさえない経済状態を考えれば、より徹底的にキャッシュレス化を目指す上で今ほどの好機は2度とやってこない。
●背景となるニュース
*10月24日に発表された日本の製造業活動の前年同月比は、過去3年余りで最も急速な縮小を記録した。新規受注と生産の不振が響いた。
*日本政府は10月1日に消費税率を8%から10%に引き上げた。これに伴って中小小売店でキャッシュレス決済をすると、消費者にポイントが還元される制度が導入された。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
https://jp.reuters.com/article/japan-cashless-breakingviews-idJPKBN1XF0HM
ビットコインの17年急騰あおったのは「たった1頭のクジラ」か−研究
Matthew Leising、Matt Robinson
2019年11月5日 14:56 JST
• ビットコイン上昇の市場操作説を発表して昨年物議、論文を更新
• テザーは論文の内容を否定、「基本的に欠陥がある」と法律顧問
米国の2人の研究者が昨年、ビットコインの2017年の天文学的値上がりは恐らく市場操作によって引き起こされたとの説を発表して物議をかもした。両氏は今回、その不正行為の背後にいたのは価格を動かす力を持つ「たった1頭の市場のクジラ」だった可能性が高いという驚くべき説を追加した。
テキサス大学のジョン・グリフィン教授とオハイオ州立大学のアミン・シャムス教授によると、仮想通貨交換所ビットフィネックス上のある参加者は、ビットコインの価格が特定のしきい値を下回るとそれを押し上げる力があるようだ。両教授は18年に発表した当初の論文を更新し、ビットコインを押し上げる取引には、1ドルの価値を持つことになっているデジタルトークンのテザーが利用されていると指摘した。
「われわれの研究結果は、ビットコインの価格を動かすのは数千人の投資家ではなく、たった1人の強大な投資家であることを示唆している」とグリフィン氏はインタビューで述べた。 「今から数年後に人々は、正体も分からず監督の目も行き届かない相手に、投資家が数十億ドルを手渡したと知って驚くだろう」と語った。
テザーは論文の内容を否定。法務顧問のスチュアート・ヘーグナー氏は、論文は不十分なデータセットに基づいているため「基本的に欠陥がある」とのコメントを出した。
ビットフィネックスとテザーは同じ幹部が運営・管理しており、これまでにも議論の的になってきた。テザーは1コインに1ドルの裏付けがあるとする主張にも、疑義を呈するトレーダーは多い。
ビットコインが操作されたというグリフィン、シャムス両氏の仮説は、新しいテザーがドルの裏付けなしに生み出され、ビットコイン購入に使われたため、ビットコイン価格が上昇したという理論に一部基づいている。
著者らは17年3月1日から18年3月31日までのテザーとビットコインの取引を調査し、ビットコインの価値が一定幅低下するとビットフィネックスでのビットコインの購入が増えたことを発見した。ビットフィネックス上での取引でビットコインの価格を動かしたと思われる取引主体の名前は示されていない。両氏は最新の研究内容をブルームバーグ・ニュースと共有した。
原題:A Lone Bitcoin Whale Likely Fueled 2017 Surge, Study Finds (1)(抜粋)
OPEC、今後数年間の世界シェア縮小を予想−米産シェールが躍進
Grant Smith
2019年11月5日 19:52 JST
2023年のOPEC産石油生産見通しを15%下方修正
OPEC産石油需要、2024年まで毎年縮小を予測
石油輸出国機構(OPEC)は向こう数年間の生産見通しを下方修正した。米国からのシェールオイル供給が拡大し、2020年代半ばまでは世界市場におけるOPEC産石油のシェアが縮小すると予想している。
OPECが発表した年次報告書「世界石油見通し」によると、今後4年間でOPEC産石油への需要は約7%の縮小が見込まれている。産油量は2023年に日量平均3270万バレルまで落ち込む見通しだ。
2019年から23年の年間OPEC産石油需要見通しは、平均で毎年日量約500万バレル、16%相当下方修正された。見通し引き下げはOPEC加盟国に変動があったことも影響した。カタールは今年初めに脱退した。
OPECは引き続き、米国産石油の生産拡大から厳しい圧力を受ける見通し。米国はテキサス州やノースダコタ州などで使用されている「水圧破砕法(フラッキング)」により世界最大の産油国となった。
同報告書は、「中期的にはOPEC非加盟国の石油供給の伸びをけん引するのは、今後も圧倒的に米国のタイトオイル(シェールオイル)だ」と指摘した。
米国産シェールオイルの生産量は2025年までに40%超拡大し日量1700万バレルに到達する見込み。昨年時点の予想から日量310万バレル引き上げられた。25年には1日当たりの世界石油生産の5分の1を米国が占めると予想されている。
OPEC in Decline?
Group sees need for its oil falling each year until 2024
Source: OPEC
原題:OPEC Sees Its Market Share Shrinking for Years as Shale Triumphs(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-05/Q0HMRBT0AFBC01?srnd=cojp-v2
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