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外国人バイトなしでは回らないコンビニに見る、「低賃金国家」日本の未来図
https://diamond.jp/articles/-/218304
2019.10.24 5:35 窪田順生:ノンフィクションライター ダイヤモンド・オンライン
テレビドラマに出てくるコンビニでも、外国人店員が当たり前になった令和の日本。近い将来、コンビニのみならず、日本社会のあらゆる場面で、同じくらい外国人が当たり前の存在になるだろう。そうなれば、「キツい仕事は外国人にやってもらおう」という甘い考えでは立ち行かないはずだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
もはや外国人なくして
コンビニの現場は回らない
オーバーストアで店舗は疲弊し、低賃金から抜け出せない――コンビニのみならず、日本のあちこちで起きている現象である(写真はイメージです) Photo:JIJI
やはり「ドラマは時代を映す鏡」ということなのかもしれない。
現在放映中の「まだ結婚できない男」における「コンビニ」の描写が、13年前と大きく変わっている、と一部で注目が集まっているのだ。
ご存じない方のためにザックリ説明すると、このドラマは2006年に放映された「結婚できない男」の続編。主人公はちょっと変わり者の建築家で、独身生活を謳歌している。そのため、近所のコンビニをよく利用するという設定なのだが、そこのバイト店員が前回からガラリと変わった。06年版のバイトは「ギャル」を思わせる若い女性だったが、令和版の第1話には、外国人バイトが登場したのである。
これは少し考えればすぐにわかることだ。13年前はまだコンビニというのは、日本人の若者が働く場所だった。しかし、他業種と比べて格段に安い時給と、それに見合わぬほど多くの仕事、そして人手不足を理由に無理にシフトを詰め込まれるなどの理由から若者がどんどん敬遠して、近年では外国人バイトが急激に増えている。
例えば、日刊工業新聞(2019年1月9日)によれば、ローソンで働くアルバイト20万人のうち、外国籍のバイトは増え続けており、今年1月段階で約1万5000人(7.5%)。セブン-イレブンも同社ホームページによれば全アルバイトの約8%は外国籍だという。
つまり、このドラマのコンビニの描写が大きく変わったのは、日本のコンビニがもはや外国人バイトなくしては回らない、というシビアな現実を反映しているのだ。
コンビニの外国人店員の多さは
未来の日本を先取りしている
というような話を聞いても、「ま、人手不足を補うためにはしょうがないことだ」とか「訪日外国人も増えているので、こういう流れ自体は決して悪いことではない」なんて感じで、他人事のように受け取る方も多いのではないだろうか。
ただ、その認識は誤りである。明日は我が身ではないが、このように外国人バイトなくして回らないコンビニというのは、近い将来訪れるであろう、日本社会の姿でもあるのだ。
これまで若者が働いていた仕事がオセロゲームのようにパタパタと外国人へと取って代わり、彼らが現場のリーダー的な立場となっていく。再就職した日本の中高年も、外国人の上司やバイトリーダーから仕事を教えてもらう。今コンビニで起きていることは、日本のあらゆる業界で今後、起きる可能性が高いのだ。
テキトーなことを言うなと思うかもしれないが、平成31年度の在留外国人数は273万1093人。日本の総人口の中で既に「2%」を占めている。ご存じのように、日本人の人口は急速に減っている。一方、「人手不足」ということで、外国人労働者の在留資格は拡大され、技能実習生も外国人留学生も右肩上がりで増えている。このあたりの増減具合は、法務省の平成28年末「在留外国人統計」の中の解説を引用しよう。
《我が国の総人口と在留外国人数の伸び率を10年前(平成 18 年)と比較してみると、我が国の総人口は0.8パーセント減少しているのに対し、在留外国人数は、19.7パーセントと大幅に増加している》
このペースで在留外国人比率が増えていけば、そう遠くない未来に、コンビニ業界の「8%」に届くのは間違いないだろう。事実、それを予感させるようなニュースが昨日にもあった。
「辛い仕事は外国人」という
甘い考えは通用しない
「外国人留学生、就職過去最多 18年2万5千人、人手不足」(共同通信10月23日)
出入国在留管理庁によれば、日本の大学や専門学校を卒業後、日本国内で就職するために在留資格を変更した外国人留学生が2013年の2倍以上、過去最高の2万5942人に上ったという。では、留学生はどこへいくのかというと、全体の93.2%は日本企業でエンジニアや経理担当などとして働く在留資格に切り替えたという。要するに、これからの外国人留学生というのは、コンビニや外食チェーンではなくてはならない存在として活躍し、学校を卒業したらしたで、今度は日本企業でも戦力になっていくというわけである。
それはつまり、多くの日本人が無意識にイメージしている「辛い体力仕事は外国人労働者、ラクで頭を使う仕事は日本人」という構造が、将来的にはガラガラと音を立てて崩れていく、ということでもあるのだ。
断っておくが、筆者は「日本人の仕事が奪われるので外国人労働者を入れるな」などと言いたいわけではない。人口減少していく日本では、これから消費も労働力も、あらゆる面で外国人の力を借りなくてはやっていけないのは事実だ。そういう意味では、外国人観光客をドシドシと呼び込むのと同様に、外国人の人材にもドシドシ働いてもらうのは避けられないと思っている。
ただ、いい仕事がありますよ、と外国人に来ていただくのなら、言葉や経験で足元を見て、日本人が嫌がる低待遇・低賃金労働を押し付けるのではなく、働き先をしっかりと整備をすべきだと言いたいのである。
例えば、福知山市の会社で技能実習生として働いたベトナム人女性は、日本語があまりわからないことに付け込まれ、最低賃金以下で働かされたうえ、いわゆる「過労死ライン」を超える残業をさせられた。また、逃げないようにとパスポートまで没収されたという。
なぜこのようなブラック企業が多く存在するのかというと、市場に対して事業者の数がバカみたいに乱立しているからだ。非効率で規模の小さな企事業者が多すぎるので、事業者同士で価格競争が激しくなる。そのしわ寄せが低賃金となって、労働者に押し付けられているのだ。
この負の連鎖を断ち切るには、事業者を「淘汰」していくしかない。低賃金しか払えぬような事業者は潔く廃業してもらうか、より大きな事業者とくっつく。市場に見合った適正な事業者数になるため、整理・統合を進めていくのだ。
残念ながら日本の産業はほとんどそれができていない。多すぎる事業者が乱立して、もはや限界だとずいぶん前から悲鳴が上がっていたのに、それをどうにか乗り切るために、弱者を犠牲にして延命する。要するに、中小零細の経営者が生き残るため、労働者を低賃金でコキ使うという悪循環から脱せないのだ。
そんな日本のブラックな産業な構造を象徴するのが、コンビニだ。
増えすぎて過当競争だから
コンビニバイトの賃金は低い
実は今でこそ人手不足だ、過重労働だと危機が叫ばれているコンビニだが、20年以上前から良識のある人たちから「店が多すぎてもうダメでしょ」と苦言を呈されていた。例えば、こんな感じである。
「経営の成り立つ一店当たりの人口は二千人が下限――。既存店の売上高が伸び悩むチェーンが増えるにつれ、コンビニの『成長の限界論』が再びもたげ始めている。現在、全国のコンビニはチェーンに属さない個人経営も含めれば約五万店と言われている。単純計算では一店当たりの人口は二千四百人。二千人を下回る都府県がある首都圏、関西圏で苦戦する店舗が多いだけに、二千人限界説は現実味を帯びてくる」(日経流通新聞1996年11月19日)
しかし、ドミナント戦略を推進するセブンのカリスマ・鈴木敏文氏を筆頭に「いやいや、まだまだコンビニは伸び盛りですよ」と、拡大路線をひた走りにしてきた。その結果が「今」だ。
客の絶対数が増えなくとも、客のニーズを掘り起こし、新たな価値を提供するとして、次から次へと新たな商品やサービスを開発してきた。おかげで店の売り上げはアップしたが、それを提供する現場は年を追うごとに疲弊していった。
セブンをはじめコンビニ企業はウハウハだが、オーナーはバイトが集まらず不眠不休でレジに立ち続け、バイトも日本の労働者の中でも際立って低い賃金となっている。
こういう客観的な事実を見ると、やはり問題は「拡大路線」にあるとしか思えない。FC本部が利益確保のために、店舗の数を増やしすぎたことで、低賃金労働が定着してしまったのだ。
日本フランチャイズチェーン協会(JFA)のデータでは、2012年のコンビニ店舗は4万6905店舗で、19年は5万5633店舗まで増加。23年前に限界説が唱えられた5万店を突破している。では、この7年間の成長で労働者の賃金にどれだけ還元されたのか。
リクルートジョブズの「2019年9月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査」三大都市圏のコンビニスタッフの平均時給は989円。では、7年前の2012年9月は873円なので13%アップだ。
十分じゃないかと思うコンビニ経営者もいるかもしれないが、そういうビジネス感覚が既にブラックである。市場が成長しつつ、働く先も適正な業界は、もっとちゃんと賃金が上がっているからだ。
例えば、訪日外国人観光客が増加したことで「ホテル不足」が叫ばれているホテル業界。ホテルフロントは先のリクルートジョブズの調査で2012年9月の922円。それが19年9月には1133円と7年で22%もアップしている。
拡大路線をひた走り、事業者を増やしてすぎて、それらを延命させるために、低賃金労働者を犠牲にするというコンビニのビジネスモデルは、戦後の日本の産業構造そのものである。
だましだましやってきたコンビニが限界に差しかかっているように、日本の産業構造も限界が近いということを認めるべき時がきているのかもしれない。
【コンビニに見る、「低賃金国家」日本の未来図】
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2019年10月24日
今や、外国人店員抜きでは回らないであろうコンビニの現場。近い将来、日本全体が同じような状況になることでしょう。https://t.co/cHcfHYViCO
外国人もUber Eatsとか隙間時間をフル活用した割の良い仕事にシフトするから、いよいよコンビニは人手不足になるんじゃ?
— さんでぃ@社内帰宅部の部長 (@sandybookworm) 2019年10月23日
無人レジ待ったなし❗️
外国人バイトなしでは回らないコンビニに見る、「低賃金国家」日本の未来図 | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/g8b7d6hSiz
外国人バイトなしでは回らないコンビニ。
— 小松由和 / 複業家・デュアルワーカー (@komaty1210) 2019年10月24日
安い時給、それに見合わぬほど多くの仕事、などの理由から日本人が敬遠して、近年では外国人バイトが急激に増えている。
・ローソンはアルバイト20万人のうち、約7.5%が外国籍
・セブン-イレブンも全アルバイトの約8%は外国籍https://t.co/EJQ7NOjZqf
コンビニというか、フランチャイズというものが、崩れかかってきているように見えるねー。
— ひ。(ひロ)@ぼんやり趣味呟き (@gulideren01) 2019年10月23日
外国人バイトなしでは回らないコンビニに見る、「低賃金国家」日本の未来図 https://t.co/gfhbeeHUvc #Yahooニュースアプリ
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