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高齢法がアダに? リストラ最大の標的はバブル期入社世代 令和のリストラが始まった
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/263051
2019/10/10 日刊ゲンダイ
65歳まで働けるようになったのがアダ?(C)ロイター=共同
先日のキリンホールディングス(HD)の“早期退職募集”報道には驚いたが、大企業の早期退職募集はコレだけではない。一昨年には三越伊勢丹HDが、昨年はNEC、今年初めには、カシオ計算機、コカ・コーラボトラーズジャパンHD、富士通と相次いだ。規模の違いこそあれ、ひとつ共通項がある。早期退職の対象年齢を「40代後半から50代半ば」に定めていることだ。
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結論を先に言えば、最大のターゲットはやはりバブル期入社世代ということか。おおむね1986〜91年の大卒入社組で、現在、年齢は50〜55歳。全国に推定250万人以上いる。あのTVドラマ、半沢直樹たち世代もそうだ。
入社時はバブル絶頂期。企業の求人数は就職希望者数を大幅に上回っていたために、“実力以上”の優良企業に入れたラッキーな世代とも揶揄される。どの会社でも他世代に比べ圧倒的に数が多いボリュームゾーンであることも間違いない。
入社28〜33年のこのベテラン社員たちをターゲットにするのには明確な理由がある。
人事制度に詳しいジャーナリストの溝上憲文氏がこう言う。
「現在の日本企業のピラミッド構造はいびつです。50代が圧倒的に多く、就職氷河期といわれる団塊ジュニア世代(1971〜74年生まれ)でガクンと減ります。30代、20代も人口減少に伴い、少ないままで推移している。一方、バブル世代は給与水準も高く、ライン管理職の割合も5割程度いますから、人件費は高止まり。いま企業側は60歳以上も希望すれば雇う義務がありますが、ボリュームゾーンのバブル入社組に居残ってもらっては困るのです。定年後の人件費負担や組織の新陳代謝が滞る意味でね。それで、景気の良いうちに好条件を提示して人員整理をし、若返りを図りたいのです」
■65歳まで働けるようになったのがアダ!?
2013年に改正された高年齢者雇用安定法(高齢法)で、“雇用者は、希望すれば65歳まで働ける”ようになった。さらに政府は20年1月の通常国会で、現行の高齢法を改正し、雇用の上限を70歳に引き上げることも検討中。コレが実現すれば、会社は仕事ができる社員だけでなく、バブル入社組の“お荷物社員”までまとめて面倒を見る羽目になってしまう。経営難の企業ばかりか、業績好調の企業まで人員整理に走るのはこんな背景があったのだ。
業界別に見ると特に電機メーカーはキツイ。NECは01年以降、4回の早期退職制度を実施。富士通は今年3月末までにグループ全体で45歳以上の社員2850人を削減したが、その直前の昨年末に国内のグループ全体で総務や人事、経理など間接部門の約5000人を営業やSEなどの職種に異動させる人事を発表している。
「日進月歩の世界である技術部門は、常に新しい技術を身につける必要がありますが、50歳前後で一から学んだりすることは難しい。実際、富士通の人事異動でも、馴染めずに辞めてしまう人も多かった。企業の思惑通りでもあります。そもそもバブル世代は役職定年も目前で、残り5〜10年。この年齢で新しいことを学ぶモチベーションの高い社員は少ない。先ほどライン管理職が5割と言いましたが、この世代は同期が多いので、半数は課長以下です。“役職もなく、やる気もない社員”には、50歳前後で別の道に進んでもらいたいというのが本音でしょう」(溝上憲文氏)
つまり、5年先、10年先を考えるとバブル入社組は“同期の多さ”がアダになる可能性が大きい。それがこの世代の弱点なのだ。会社を辞めても50歳すぎたオジサンを大歓迎する会社などない。また、しがみついたとしても役職定年以降はガクンと給料が減らされる。“進むも地獄、残るも地獄”の運命だ。
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